2次補正予算成立 農家支援不断の検証を

 新型コロナウイルス対策の財源となる2020年度第2次補正予算が成立した。農業では経営継続補助金の新設などが柱だが、農家の経営を支えられるかが問われる。各種支援策が早急に届くよう政府は全力を尽くすべきだ。また効果や不十分な点がないかを検証し、必要なら次の手をためらってはならない。

 安倍晋三首相は予算審議で「輸入農畜産物から国産への切り替えや不測時にも対応できる生産、供給余力の向上などにしっかり取り組む」と明言した。コロナ禍は長期化し、国内外ともに景気の後退・低迷が予想される。農家の経営環境も厳しい状況が続くと懸念され、首相の言葉通り、生産基盤の維持・強化の実効確保が求められる。

 2次補正での農林水産関係の総額は農畜産業振興機構(ALIC)事業を含めて658億円。経営継続補助金には200億円を計上した。常時従業員数が20人以下の個人、法人に上限150万円を補助する。販路回復や事業継続のための生産方式の確立などの経費が対象だ。中小規模の生産者が経営を続ける一助になるだろう。具体的にどのような取り組みが対象になるのか、早急に示すべきだ。

 同補助金を受けるには計画を立案・実行する際、JAなどの関係機関の支援が必要。一日でも早く農家の手元に届けるには、関係機関の円滑な対応が欠かせない。農水省は関係機関と緊密に連携し、農家への支援体制を整えることが求められる。

 ただ補助金であるため、持続化給付金とは異なり自己負担が生じる。同省の説明では最大の150万円を受ける場合、自己負担は約33万円。資金を出す余裕がない農家は見送る可能性がある。持続化給付金も、前年同月比で売り上げが50%以下になった月があるなどの基準を満たす必要がある。

 1次補正で措置した品目別対策の拡充も行った。園芸品目の次期作支援では、施設栽培の花きなどに10アール当たり80万円の単価を新設。肉用牛では繁殖、肥育牛ともに奨励金を用意する。

 一連の対策で支援を必要とする全ての農家の経営が下支えされ、前向きに営農に取り組めるか、政府は徹底的に検証するべきだ。通常国会は17日で閉幕するが、国会は閉会中審査を臨機に行い、不備がないか政府をただす必要がある。既に、肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)の農家負担の軽減継続などを求める声が上がっている。

 2次補正で政府は、地方創生臨時交付金を2兆円計上した。都道府県や市町村に交付し、地域の実態に合わせて使い道を決めることができる。国の施策ではカバーし切れない農家や品目への支援が期待される。1次補正の財源と合わせると3兆円になるが、財源規模が十分かどうかの検証も欠かせない。

 対策の拡充が必要になれば10兆円の予備費で迅速に対応し、財源が不足するなら第3次補正予算案も編成すべきだ。
 

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