コロナと熱中症 予防と自衛で命守ろう

 猛暑到来で熱中症の危険が高まり、気象庁は最大級の警戒を呼び掛けている。新型コロナウイルス感染症対策でマスクの着用が常態化する中、新たな予防対策も求められる。特に熱中症リスクの高い農作業は要注意だ。予防と自衛で命を守ろう。

 この夏は感染症と熱中症の二つのリスクが襲う。しかもコロナ対策のマスク着用が熱中症リスクを高める。政府は、3密回避やマスク着用など「新しい生活様式」を提唱するが、熱中症を防ぐため、屋外で人と2メートル以上離れている時はマスクを外すよう呼び掛ける。熱中症被害の多い農家は特に気を付けたい。

 農水省によると、農作業中に熱中症で亡くなった人は、2017年までの10年間で合計約200人に上る。70代以上が9割近くを占め、7、8月に集中する。場所は田んぼや畑が7割だが、次いでハウス内が多い。猛暑だった18年の熱中症死者は43人と例年より倍増、農作業事故死者の16%を占めた。

 今年は長梅雨の後の猛暑で、7月末から緊急搬送患者が急増している。総務省消防庁によると、8月2日までの1週間で約3400人が搬送され、前週より約350人増えた。発生場所で見ると田畑など一次産業関係が136人に上り、農作業中のリスクの高さを示している。

 暑さはこれからが本番だ。30度以上の真夏日になると熱中症死亡者が増える。今週は35度以上の猛暑日も各地で続発。暑さに慣れていない今夏は、特に注意が必要だ。

 農水省は70歳以上の農家は高温時の農作業を控えるよう指導している。作業する時は喉が渇いていなくても20分置きに休憩し、毎回コップ1、2杯以上の水分を補給。足がつる時はスポーツ飲料や塩分補給タブレットなどを取るよう勧める。また帽子や通気性の良い服装にし、2人以上で作業するのが望ましい。1人なら必ず携帯電話を持つこと。ビニールハウス内では特に換気に気を付けよう。

 熱中症の症状は、だるい、体が熱いなど新型コロナとも似ている。応急処置として脇の下、首筋、足の付け根を冷やすと効果的だ。改善しない場合はためらわず救急車を呼び、併せてコロナ検査も申し出よう。

 外での作業に十分注意するのはもちろんだが、屋内にも危険は潜む。高齢者の熱中症の半数は自宅で発生している。小まめな換気やエアコンの使用、塩分や水分補給、暑さに備えた体づくりや体調管理で予防に努めることが肝心だ。

 気象庁の3カ月予報によると、8月は全国的に猛暑で、秋も高温となる見込みだ。コロナ禍という異常事態の下での熱中症対策となる。

 くれぐれも油断や過信は禁物だ。特に高齢農家は、暑い時は畑に出ないことを肝に銘じよう。あなたの命、家族の命を守るため、細心の注意を払い、警戒を怠ってはならない。予防に勝る対策はない。

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