「100年に1度の危機」という

 「100年に1度の危機」という。目に見えないウイルスとの闘いは、恐怖と不安を高め、景気低迷が人心をかき乱す▼理性的で冷静な言動を許さない風潮が生まれる。「マスク警察」が出没し、感染者や医療関係者に対する差別的な行為も表面化した。戦前にも似た「全体主義」が忍び寄る。行き着く先は、平和国家の危機。〈戦争が廊下の奥に立つてゐた〉渡邊白泉▼核兵器や環境問題、新型コロナという世界規模の問題に立ち向かう時に必要なことは、「自分が当事者だと自覚すること。人を思いやること。結末を想像すること。そして行動に移すこと」だという。〈長崎からのメッセージ〉を心に刻む。簡単なことではないが、傍観や沈黙は、全体主義につながる▼きょうは、「長崎原爆の日」。被爆から75年の歳月が流れた。原子爆弾の悲惨さが叫ばれながら、核開発は一向にやまない。国連は2017年に核兵器禁止条約を採択したのに、批准国が要件の50に満たず、発効できないでいる。米国や中国の核保有国は、署名すら拒む。唯一の被爆国としての姿勢が問われる日本が、米国の核の傘の下に逃げ込むことに躍起だとは▼米中対立が激化し、世界の未来は混沌(こんとん)として来た。平和の尊さを叫ぶ時である。戦争の芽を早く摘むためにも。

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