ナミハダニの卵 植物油の効果解明 “滑って動けない”可能性 農工大学大学院

 果樹などに寄生して葉に害を及ぼすナミハダニの卵を、植物性の油で防除できる仕組みを東京農工大学大学院が解明した。油が卵の中に浸透し、殻を破ろうと回転する幼虫の動きを止めてふ化を妨げる。ナミハダニの幼虫が殻の中で滑って回転できなくなった可能性があるとみて研究を進めている。

 薬剤抵抗性が発達しやすいナミハダニは、化学農薬だけに依存しない防除方法が求められており、油を使った物理的防除もその一つだ。ハダニ類には植物性の調合油を有効成分とする農薬があり、これまでは油が卵の表面に付着して気門をふさぎ、幼虫の呼吸を阻害すると考えられていた。

 ハダニ類の防除方法を研究する同大学院の研究グループは、電子顕微鏡などを使って調合油がどのようにナミハダニの卵を防除するか観察。ナミハダニの幼虫は通常、ふ化の直前に回転して殻を破る。一方、調合油を浸した場合は卵の中で回転せず、ふ化に至らなかった。油で滑って回転できなくなった可能性や、油を食べたことで回転しなくなった可能性を指摘している。

 天敵生物のミヤコカブリダニの卵は、調合油に浸してもふ化に影響せず、油と併用できるとみる。同大学院農学研究院の鈴木丈詞准教授は「物理的殺虫剤の作用の仕組みに、ふ化阻害という新たな作用が見つかった」と強調する。

 植物性の調合油を有効成分とした調合油乳剤は、有機栽培で広く使われている。

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