「南農ナシ6号」育成 病害に強く高糖度 長野県
2021年02月24日

「南農ナシ6号」
長野県は、中生品種の梨「南農ナシ6号」を育成した。黒斑病や黒星病といった病害に強い。高糖度で果汁が多く、すっきりとした甘味としゃきしゃきした食感が特徴。県では県オリジナル品種「南水」につなぐリレー品種として期待を寄せる。
県南信農業試験場が育成した。……
県南信農業試験場が育成した。……
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2021年04月08日
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時は、米自由化問題に揺れていた頃。その人の話を聞きたくて、舞台開演前の楽屋に押し掛けた▼劇作家で小説家として名をはせていたが、米問題の大家であった。しかも自由化反対の急先鋒(せんぽう)。ついでながら本紙の厳しい読者でもあった。約束の1時間、とにかく語る語る。その熱量と知識量に気おされた。きょうが忌日の井上ひさしさんである。没して11年。警告はいまに生きる▼創作の根っこに「米」や「農村」があった。『吉里吉里人』執筆の動機を「このままでは、日本の農村は壊滅してしまう」と考え、「現代版農民一揆を書いた」とある(『コメの話』)。筆先は、「大旦那アメリカからのご命令」をひたすら拝聴し、つき従う日本にも向けられた。「わたしたちは本当に自立しているのであろうか」と▼自ら考え、行動する力を磨くために日本語を鍛え直せとも言った。「日本語という思考の根拠地」をなくした国民に未来はないという警句を胸に置く。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに…」。井上文学の神髄である▼米と日本語を粗末にするこの国の行く末を案じた作家のことを思い起こす時代が、再び巡って来た。
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2021年04月09日

霞が関から新動画 農水省職員・人気ユーチューバー復活
動画投稿サイト・ユーチューブの農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で一番人気のコンビ「タガヤセキュウシュウ」が再始動する。九州農政局の若手2人で結成し、ばずまふ最多の再生回数を誇るが、1人が東京の本省に異動となり、離れ離れに。だが4月から“相方”も東京に異動。8日、活動再開を報告する動画を投稿した。
コンビは九州農政局で同僚だった野田広宣さん(27)と白石優生さん(24)が2020年1月に結成。同年3月、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花きの消費拡大を呼び掛ける動画を投稿すると、時間がたつに連れて2人が花に埋もれていく演出が話題を呼んだ。再生回数は88万回で、ばずまふの400本超の動画の中で最も多い(21年4月現在)。
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2021年04月09日

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水害対策に、川や池の増水を知らせるシステムが相次いで登場している。近年相次ぐ水害から情報通信技術(ICT)を駆使して命を守ろうとするものだ。地域の防災関係者などに通知し、住民に知らせるなど“防災力”の向上に期待をかける。
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2021年04月07日

コロナ禍の減収農家応援 組合員4911人に支援金 JA山形おきたま
JA山形おきたまは、総額2億円の新型コロナウイルス感染症対策生産者支援を行った。コロナ禍による減収など、農業経営に打撃を受けた組合員の経営継続を支援する。支援対象者は、JAに継続的に販売している生産者で、正組合員のうち約26%に当たる4911人。販売高や販売手数料を基準に1億5000万円を支援した。
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昨年6月に開いた第26回通常総代会で決議された積立金を原資にした。……
2021年04月07日
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千葉県農林総合研究センターは、冬取りキャベツと秋冬ニンジンの作付け前に緑肥作物を栽培してすき込むと、元肥のリン酸を2割ほど減らせることを確認した。土壌微生物中のリン酸が増え、リン酸の吸収量が増えたとみる。有機物の補給効果で、土づくりにもつながると期待する。
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農機 交通死亡事故減らず 8割単独、誤操作が主因 昨年23件
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2021年04月08日
省力樹形で事例集 果樹作業負担を軽減 農研機構
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対象の品目は温州ミカン、中晩かん、リンゴ、日本梨、西洋梨、ブドウ、柿、オウトウ、桃、栗。……
2021年04月08日

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2021年04月07日

農家から店舗へ イチゴ積み公道走る ロボ2台リレー自動配送 任せて 茨城県で初実験
新型コロナウイルス下、高齢化が進む農村部での新たな物流技術の開発へ──。農家から集荷した農産物をロボットが公道を走行して店舗まで自動で配送する実証実験が、茨城県筑西市の道の駅「グランテラス筑西」で始まった。自動運転技術と配送ルートを最適化する技術を組み合わせた2台が、公道を利用して作業を行うのは国内初という。担い手不足対策や高齢化などで運転免許を返納しても農産物を出荷でき、コロナ禍での接触感染防止にも期待がかかる。実験は13日まで。(木村泰之)
労力減、感染予防も
実験では、原動機付き自転車の扱いでナンバープレートを付けた公道走行用と、道の駅の敷地内を走るロボットを組み合わせて、農園前から店舗まで届ける。初日、道の駅近くの90アールでイチゴを栽培する石川正吾さん(46)が、公道走行用ロボットにイチゴ約2キロを積み入れた。ロボットは農園前から道の駅へ出発し、無人で走行した。道の駅に着くと、関係者の手で構内用ロボットに積みかえた。安全を確認する随行者と店舗までの合計約200メートルを時速3キロで走った。
石川さんは「直売所には1日7、8キロのイチゴを出荷する。忙しくなると人手もままならない。コロナ禍で人との接触を避けたい農家が、道の駅まで出向かなくても出荷できるようになる」と新たな相棒を歓迎した。
13日までに石川さんの他、片道1キロ圏内の農家から小玉スイカやミニトマトなどを集荷したり、道の駅の商品を近隣の民家に届けたりする。
このロボットは、電動車椅子を改造したものだ。ベンチャー企業のティアフォーなどが開発した。三次元地図を記憶させてセンサーで感知した周りの状況を、人工知能が選んだ最適なルートで重さ10キロまでの荷物を運ぶ。人が遠隔監視をするが、障害物があれば自動で止まる。
実験の事務局を務める東京海上日動営業企画部の松下雄担当課長は「1台で作業を完結できることが目標だ。農家からJAの集荷場など基地までの1、2キロを自動配送ロボットが出荷を担い、免許がなくても農業を続けてもらえる社会にしたい」と力を込めた。
須藤茂市長も「自動配送ロボットは、高齢化など農業を取り巻く課題の解決だけでなく、コロナ禍で求められる非接触物流システムの可能性も検証できる」と期待した。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=yswKRrjaVxs
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2021年04月06日

無角牛の精液発売 事故軽減、乳量も豊富 ジェネティクス北海道が国内初
ジェネティクス北海道は1日、生まれつき角が生えない無角遺伝子を持つホルスタイン種の種雄牛2頭の精液を発売した。同法人によると、無角遺伝子を持つ種雄牛の精液販売は国内初。無角の牛は管理作業中に人がけがなどをするリスクが減り、除角で牛にかかるストレスをなくすことができるという。……
2021年04月02日

家畜改良センター 共同利用の新種雄牛公表 「美津福重」など10頭
家畜改良センターは、広域後代検定に参加した各県の黒毛和種種雄牛から、新たに10頭が共同利用種雄牛に選定されたと発表した。選ばれた種雄牛は全国で精液が利用できる。同センターによると今年はロース芯面積に優れる牛が多いという。
次ページに「共同利用種雄牛の血統」(表)があります
2021年04月02日

堆肥だけで野菜栽培 畜ふんをブレンド 化学肥料使わずに 畜産環境技研が実証
化学肥料を一切使わず、畜ふん堆肥だけで野菜が栽培できることを、畜産環境技術研究所が実証した。窒素が主体の鶏ふん、リン酸が豊富な豚ぷん、カリが多い牛ふんそれぞれの堆肥の特性を生かし、野菜に合わせた比率でブレンドする。粒状に加工し、追肥はせず元肥だけで栽培する。安価に堆肥を粒状にする造粒技術、造粒堆肥向けの施肥設計用ソフトも開発した。
有機農産物への需要増に応えるとともに、家畜ふん堆肥の利用拡大を狙ったもの。……
2021年04月01日

イチゴのアブラムシ防除 天敵集まる大麦活用 農研機構、資材化へ
農研機構・中央農業研究センターなどはイチゴのアブラムシ対策で、大麦に集まる天敵を使った効率的な防除を実証する。天敵のアブラバチ類とすみかの大麦、餌をセットにして資材化し、従来より導入しやすく、安定した効果を狙う。実証に参加する農家の評価も高い。2021年度中に製品化を目指す。
大麦には、イチゴに無害で天敵の餌となる昆虫(トウモロコシアブラムシなど)がすみ付く。……
2021年03月31日

起源品種の遺伝追跡 リンゴで手法開発 東京大など
東京大学などの研究グループは、国内のリンゴ品種について、起源となる品種の染色体断片(ハプロタイプ)の遺伝を追跡する方法を開発した。ゲノム選抜に活用すれば、効率的な品種改良が期待できる。
国内のリンゴは主に7品種をもとに育種されてきた。多くのリンゴは母と父から1組ずつ染色体を受け継ぐ二倍体で、七つの起源品種は14種類の染色体で表せる。
研究チームは、農研機構が保有する659個体を使い、1万カ所以上のDNAの違いから、起源品種の染色体断片を追跡する手法を開発した。使用した全個体の92%を起源品種の14の染色体断片で示せた。各個体の染色体を14色で塗り分けるもので、どの品種が育種に使われたか把握できる。
染色体断片の情報と果皮色の関連を調べたところ、起源品種「ウースターペアメイン」の染色体断片が強く関連すると分かった。近年開発された品種には、この染色体断片が含まれる頻度が高いため、着色に優れるリンゴの育成に利用されてきた可能性がある。
ゲノム選抜にも活用できるとみる。酸含量が高い品種の予測では、従来のDNAマーカーを使った手法よりも精度が高かった。日本学術振興会の南川舞特別研究員は「特性の種類によって精度は異なるが、新たなゲノム選抜の手法として期待できる」と説明する。
開発技術は他の作物に応用が可能で、生産者や消費者ニーズに対応した品種開発に役立つとみる。
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2021年03月31日