動画ニュース
日本農業新聞に掲載したニュースをいち早く動画で公開します。営農技術を中心に最新の話題を紙面だけではなく、映像でわかりやすくお伝えします。

疑似グルーミング装置使用 子牛の体重2割増 農研機構
農研機構は、母牛の毛繕いを再現できる電動回転ブラシ「子牛用疑似グルーミング装置」を使うと、使わなかった子牛に比べて体重の増加率が2割高かったと明らかにした。群飼育移行時の生存率も高かった。同機構は「乳用牛に比べて誕生時の体重が軽い黒毛和種は肺炎や下痢などの影響が大きい」として、肉用牛の繁殖農家でのメリットを説明する。
ナイロン製のブラシは長さが40センチ、直径17センチの円柱状で、牛舎の柱などへ子牛の体高に合わせた位置に取り付ける。牛がブラシに体を押し付けるとスイッチが入ってモーターが毎分30回転し、体を離すと止まる。
農研機構が開発し、2016年から農家での実証を続ける。同機構畜産研究部門の矢用健一主席研究員によると、これまでの実証で黒毛和種の生後3カ月間12頭1群で飼った場合、ブラシを使用した牛は、使用しなかった牛と比べて体重の増加率が23%向上。群飼育移行時にブラシを使わなかった牛は10頭残存したが、ブラシを使うと11頭残った。試験では子牛1頭が1回約1分で、1日20分ほど装置を使っていた。
養牛農家では、母牛の発情を早く促すために生後1週間ほどで子牛を母牛から離して飼育する。子牛は母牛に体を毛繕いしてもらう「グルーミング」を受ける機会が減ると、ストレスになる恐れがあるという。
装置は富士平工業が受注生産し、1台25万円ほどで販売する。矢用主席研究員は、肉用牛の繁殖農家こそ導入メリットがあるとし「和子牛が60万円前後で取引される中、1頭だけでも農家の損害は大きい。機械代は1年で元が取れる」と話す。
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2021年04月14日

農家から店舗へ イチゴ積み公道走る ロボ2台リレー自動配送 任せて 茨城県で初実験
新型コロナウイルス下、高齢化が進む農村部での新たな物流技術の開発へ──。農家から集荷した農産物をロボットが公道を走行して店舗まで自動で配送する実証実験が、茨城県筑西市の道の駅「グランテラス筑西」で始まった。自動運転技術と配送ルートを最適化する技術を組み合わせた2台が、公道を利用して作業を行うのは国内初という。担い手不足対策や高齢化などで運転免許を返納しても農産物を出荷でき、コロナ禍での接触感染防止にも期待がかかる。実験は13日まで。(木村泰之)
労力減、感染予防も
実験では、原動機付き自転車の扱いでナンバープレートを付けた公道走行用と、道の駅の敷地内を走るロボットを組み合わせて、農園前から店舗まで届ける。初日、道の駅近くの90アールでイチゴを栽培する石川正吾さん(46)が、公道走行用ロボットにイチゴ約2キロを積み入れた。ロボットは農園前から道の駅へ出発し、無人で走行した。道の駅に着くと、関係者の手で構内用ロボットに積みかえた。安全を確認する随行者と店舗までの合計約200メートルを時速3キロで走った。
石川さんは「直売所には1日7、8キロのイチゴを出荷する。忙しくなると人手もままならない。コロナ禍で人との接触を避けたい農家が、道の駅まで出向かなくても出荷できるようになる」と新たな相棒を歓迎した。
13日までに石川さんの他、片道1キロ圏内の農家から小玉スイカやミニトマトなどを集荷したり、道の駅の商品を近隣の民家に届けたりする。
このロボットは、電動車椅子を改造したものだ。ベンチャー企業のティアフォーなどが開発した。三次元地図を記憶させてセンサーで感知した周りの状況を、人工知能が選んだ最適なルートで重さ10キロまでの荷物を運ぶ。人が遠隔監視をするが、障害物があれば自動で止まる。
実験の事務局を務める東京海上日動営業企画部の松下雄担当課長は「1台で作業を完結できることが目標だ。農家からJAの集荷場など基地までの1、2キロを自動配送ロボットが出荷を担い、免許がなくても農業を続けてもらえる社会にしたい」と力を込めた。
須藤茂市長も「自動配送ロボットは、高齢化など農業を取り巻く課題の解決だけでなく、コロナ禍で求められる非接触物流システムの可能性も検証できる」と期待した。
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2021年04月06日

地上散布ロボット実演会 多用途活用に期待 XAG製で神奈川県
神奈川県農業技術センターは、同県海老名市でXAG社の農業用ロボット「R150」の実演会を開いた。野外での実施は初めて。JA関係者や生産者が参加。農地で液剤に見立てた水を散布し、性能を確かめた。
「R150」はバッテリーで走行する無人車。液剤散布用の100リットルタンクと二つのスプレーシステムを搭載する。噴射は左右に最大290度、上下に同200度まで回転。散布幅は最大12メートルで、散布量は1分当たり最大4・8リットル。ドローン(小型無人飛行機)と異なり、横や上に散布できるため果樹栽培にも活躍するとみる。アタッチメント変更で粒剤散布や草刈り、運搬にも対応できる。
実演会では、水をさまざまな角度で散布した。キャベツの苗に貼り付けた感水試験紙で十分な散布を確認。同センターは「都市近郊はドローンの活用が難しい。ロボットの地上散布に期待する」とした。
リモコン操作と追随モードによる走行も披露した。ルートを設定し、地上に基地局を置けば自動散布ができる。バッテリーは同社のドローンと共有でき、急速充電器を使えば15分でフル充電できる。散布は1・5時間、走行は4時間可能。
4月に200万円台前半での発売を予定。XAG JAPANの住田靖浩社長は「用途に合わせて使え、日本の農業にマッチする」と説明。導入予定という長野県の果樹農家は「授粉作業に活用できそうだ」と期待する。
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2021年03月26日

高温の泡で雑草を枯死 小泉製麻が新型機
繊維資材メーカーの小泉製麻は、高温の泡を吹き付けて雑草を枯死させる新型除草機を2022年にも扱い始める。でんぷんや菜種油など植物由来の専用液を溶かした水を加熱し、泡状にして出す仕組み。農薬を含まず、泡は20~30分で消える。環境への負荷を抑えた雑草管理ができる。
商品名は「Foamstream(フォームストリーム)」。タンクの水を本体で専用液と混ぜて加熱し、泡をノズルから出す。泡は熱湯や蒸気に比べて高温が維持され、効率的に雑草にダメージを与える。熱は根にも伝わり、雑草は一定期間生えにくくなるという。
17日、神戸市の西神中央公園で実演した。同社は「有機栽培の農地や観光農園など、除草剤を使いにくい現場を中心に売り込みたい」と話す。
作業効率は1時間で約4アールで、720リットルの水が必要となる。 専用液は別売りを検討中で、0・3%に希釈して使う。
本体の高さは107センチ、幅104センチ、奥行き98センチで、重さ280キロ。本体とノズル間には20メートルのホースがある。
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2021年03月18日

ニンジン葉切断機開発 1分で最大130本処理 千葉・八街洋らん園
千葉県八街市でニンジンなどを栽培する八街洋らん園は、ニンジンの葉の切断機「CHC─1」を開発した。ベルトコンベヤーにニンジンを載せるだけで自動で葉を切れる装置で、調製作業の省力化を見込む。同社の調べで、人手だけの作業に比べ約6倍速く調製できるという。霜や寒さに当たって葉が枯れたニンジンの調製作業を大幅に省力化できると期待する。
開発した切断機の大きさは、高さ1・1メートル、幅1・3メートル、奥行き60センチ。ベルトコンベヤーで運ばれたニンジンをローラーで押さえて、カッターで切る仕組みだ。
同社によると、1分間に最大130本を処理できるという。100ボルトの電源電圧で稼働する。
地域では、11月~翌年3月の5カ月間でニンジンを出荷する。葉を引っ張って地面から抜く専用のニンジン収穫機を使えば、葉が自動で切り取られるが、1月以降は霜に当たって葉が枯れ、機械が使えない。そのため手作業で枯れた葉を切る必要がある。
2020年に特許を取得した。葉だけでなく、ニンジンの先端から伸びた細い根も切れるよう改良を進める。ニンジン1ヘクタールを栽培する同社の井啓代表は「調製作業は時間がかかり、精神的に負担が大きい。省力化が強く求められている」と指摘する。
価格は38万円(税別)。問い合わせは八街洋らん園、(電)043(445)2214。
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https://www.youtube.com/watch?v=3x6lFYTYPto
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2021年02月23日

生育測定スマホで完結 データ蓄積管理に活用 IT企業アプリ開発
名古屋市のIT企業「ITAGE(アイテージ)」は、トマトやナス、キュウリの茎径や葉幅などの生育データをスマートフォンのカメラで測定するアプリを開発した。データをインターネット上に保存して生育の推移を把握でき、栽培管理などに生かせるとみる。2021年度の実用化を目指す。
開発したアプリ「生育ナビ」は、長さ15センチほどの測定マーカー板を測定する箇所にかざして、スマホで撮影する。定規や筆記具などを持ち歩かずに、省力的に測定と記録、グラフ化ができる。現在は試用版で、評価モニターを募っている。
測定できるのは茎径や葉幅の他、トマトの場合は頂点開花位置、茎伸長、着果数、葉色など。スマホで撮影した画像に画面上で簡単な操作をすれば、長さを測れる。葉数や段数は手入力できる。
測定データはアプリ上で確認できる。前年との比較も可能だ。データは共有でき、生産者部会やグループで使えば、自身と他の農家の生育データを比べられる。施設トマトの栽培試験で活用する愛知県農業総合試験場は「データを基にした普及・営農指導につなげられる可能性がある。収量予測に必要なデータとしても生かせるだろう」とみる。
同社によると、県内だけでなく関東や九州の産地で現在60人ほどが試用し、測定精度や使いやすさの向上を進めている。同社は「生産者同士が生育データの数値を参考にしながら、栽培の改善策などを話し合えるようになる」と見込む。
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https://www.youtube.com/watch?v=ytsQSjnr0yg
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2021年02月08日

[あんぐる] 今こそ冬の手仕事 豊穣祈る北欧の装飾「ヒンメリ」(山梨県北杜市)
長い冬が続く北欧フィンランドに伝わる、室内で光をめでる麦わらの装飾「ヒンメリ」が、近年日本でも注目を集めている。農閑期にヒンメリ作家として活動する山梨県北杜市の農家、佐藤享子さん(49)は、新型コロナウイルス禍でのおうち時間を楽しめるツールとして魅力を発信している。
ヒンメリという名前は、「天」を意味する単語に由来する。冬に夜が長いフィンランドでは、昔から冬至を「太陽が生まれる日」とし、麦わらでヒンメリを作って冬至から夏まで食卓の上につるして豊穣(ほうじょう)を祈った。
光が当たるとキラキラと反射し、室内に幾何学模様の影を描くヒンメリは、「麦わらのシャンデリア」とも呼ばれる。
12本の麦わらを組み合わせた正八面体が基本の形で、麦わらと糸さえあれば誰でも手軽に作れるのが特徴だ。近年日本でも子どもの知育教材やクリスマスの装飾として人気が高まっている。
ヒンメリ作家として活動する佐藤さん。古民家を改装した自宅のアトリエには、たくさんの作品が飾られている
佐藤さんは2010年に神奈川県から家族で移住し新規就農した。耕作放棄地だった棚田など約70アールを再生し、夏野菜を栽培している。16年に始めた小麦の出来が良く、麦わらを余すところなく使う方法を探し、ヒンメリと出合った。現在は棚田の約1アールで小麦を育て、わらを傷めないよう収穫などは手作業にこだわる。
麦わらは乾燥後に表皮をむき、節ごとにカット。脱色などせず、自然な風合いを生かして制作している。この麦わらの穴に糸を通して結び、立体に仕上げる。
以前は地元のマルシェなどでヒンメリのワークショップを開いていたが、新型コロナの感染拡大で全て中止に。インターネット上に活動の場を移し、動画での制作指導や、必要な材料をそろえた制作キットの販売を通じて魅力を全国に発信している。
佐藤さんは「フィンランドでは長く厳しい冬を楽しく過ごすために作られるヒンメリ。コロナ禍でおうち時間が増えた今こそぴったり」と話している。(釜江紗英)
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https://www.youtube.com/watch?v=fm3X3Gy242U
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2021年02月08日

[活写] “最辛”の熊対策
青森県中泊町で木炭の生産を手掛けるツリーワークは、インド原産の激辛トウガラシ「ブート・ジョロキア」と木酢液を使った熊の忌避剤を開発した。熊の出没が多い2020年は、全国から問い合わせが相次ぎ、受注が前年の10倍に増えたという。
商品名は「熊にげる」。ジョロキアから抽出した辛味成分と木酢液を混ぜた黒い液体だ。臭いが漏れ出るよう上部に穴を開けたペットボトルに入れ、畑の近くにつるして使う。
炭・木酢液を研究する谷田貝光克東京大学名誉教授の助言を受け16年に開発。青森や秋田、長野県などのトウモロコシ畑やリンゴ園で試験し、熊や猿に対する効果を確認した。
ジョロキアの施設栽培にも取り組み、製品のコストダウンに成功した。現在はハウス2棟で、製品2トン分の原料を収穫する。価格は1リットル入りで1万円。1ヘクタールの畑で約1年間使える量という。
同社代表の佐々木嘉幸さん(82)は「注文が増えている。原料が足りないので、栽培に協力してくれるよう農家に呼び掛けたい」と話す。
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https://www.youtube.com/watch?v=1MJ-IJGQgDc
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2021年01月17日

原動機1台で内張り2層を同時展張 茨城・施設ピーマン栽培の須之内さん
茨城県神栖市でピーマンを施設栽培する須之内康至さん(66)は、内張りカーテン2枚をビニール巻き取り用の原動機1台で張る方法を取り入れ、省力化につなげている。2枚のカーテンの端を固定し、同時に展張する仕組みだ。
カーテンの端固定
須之内さんは、栽培面積95アールのうち、促成作型の30アールで10年ほど前から取り入れている。カーテンを展張する仕組みは、親戚に改良してもらったものだ。
ワイヤ巻き上げ式の内張りカーテンを、3重に被覆する。屋根側の2層のビニールの端を、直径約1センチの鉄パイプにパッカーで固定。下層のビニールは、たるむほどの余裕をもたせてある。
張ったカーテンを確実にしまうために、ビニールを固定した鉄パイプと、下層のビニールを支えるワイヤをひもでつないだ。
カーテンの操作は手で電動スイッチを押すタイプ。午前8、9時に下層のカーテンから開け、午後4時ごろにカーテンを閉める。
「カーテンの開閉は毎日の作業。電動だが操作が一つ減るだけでも、省力的に感じる」と須之内さんは実感する。
ビニールを巻き上げるワイヤが伸びて長くなり、巻き上げが不十分になることがあるため注意が必要という。
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https://www.youtube.com/watch?v=R_dqGEomQ4w
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2021年01月12日

リンゴ、梨収穫はロボにお任せ 速度は人と同等で適期も見極め 農研機構など開発
農研機構と立命館大学、デンソーは23日、リンゴや梨を自動で収穫するロボットを開発したと発表した。果実の認識、収穫、コンテナへの収納が自動でできる。収穫速度は人とほぼ同じ、果実1個当たり11秒。今後2年かけて実証試験を続け、実用化を目指す。
はさみを使わずに収穫できるリンゴ、梨、西洋梨が対象。樹形は着果面が平面になるV字樹形に対応する。
収穫ロボットは、自動走行車両がけん引する。人工知能を活用。アームの土台にある2個の高性能なカメラによって果実を認識し、着果位置を把握する。3本爪のハンドが果実をつかみ、回転させて収穫する。
リンゴと西洋梨は、カメラで認識した全ての果実を収穫する。高さ80~200センチに着果した果実に対応。梨は果頂部の色を認識し、収穫適期の果実だけを選んで取る。試験では夜間でも精度90%で熟度を判定できた。収穫する果実がなくなれば走行車両を動かし、自動で次の果実に移動する。
収穫後の果実は、走行車両の荷台にある、収納システムのベルトコンベヤーに優しく落とす。2本爪のハンドが運ばれた果実をつかみ、コンテナに置く。満杯になったら自動で荷台に移動。荷台には5段重ねのコンテナが4山置ける。
収穫スピードの1個当たり11秒は、1時間で300個を収穫できる速さだ。自動走行車両を使った薬剤散布や除草も含め年間の作業時間を50%削減できるという。
農研機構果樹茶業研究部門は「海外の吸引型の収穫機と異なり、果実に傷が付きにくく、収穫適期が見極められるのが特徴」と説明する。他の果樹への応用も検討する。
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2020年12月24日
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農家から店舗へ イチゴ積み公道走る ロボ2台リレー自動配送 任せて 茨城県で初実験
新型コロナウイルス下、高齢化が進む農村部での新たな物流技術の開発へ──。農家から集荷した農産物をロボットが公道を走行して店舗まで自動で配送する実証実験が、茨城県筑西市の道の駅「グランテラス筑西」で始まった。自動運転技術と配送ルートを最適化する技術を組み合わせた2台が、公道を利用して作業を行うのは国内初という。担い手不足対策や高齢化などで運転免許を返納しても農産物を出荷でき、コロナ禍での接触感染防止にも期待がかかる。実験は13日まで。(木村泰之)
労力減、感染予防も
実験では、原動機付き自転車の扱いでナンバープレートを付けた公道走行用と、道の駅の敷地内を走るロボットを組み合わせて、農園前から店舗まで届ける。初日、道の駅近くの90アールでイチゴを栽培する石川正吾さん(46)が、公道走行用ロボットにイチゴ約2キロを積み入れた。ロボットは農園前から道の駅へ出発し、無人で走行した。道の駅に着くと、関係者の手で構内用ロボットに積みかえた。安全を確認する随行者と店舗までの合計約200メートルを時速3キロで走った。
石川さんは「直売所には1日7、8キロのイチゴを出荷する。忙しくなると人手もままならない。コロナ禍で人との接触を避けたい農家が、道の駅まで出向かなくても出荷できるようになる」と新たな相棒を歓迎した。
13日までに石川さんの他、片道1キロ圏内の農家から小玉スイカやミニトマトなどを集荷したり、道の駅の商品を近隣の民家に届けたりする。
このロボットは、電動車椅子を改造したものだ。ベンチャー企業のティアフォーなどが開発した。三次元地図を記憶させてセンサーで感知した周りの状況を、人工知能が選んだ最適なルートで重さ10キロまでの荷物を運ぶ。人が遠隔監視をするが、障害物があれば自動で止まる。
実験の事務局を務める東京海上日動営業企画部の松下雄担当課長は「1台で作業を完結できることが目標だ。農家からJAの集荷場など基地までの1、2キロを自動配送ロボットが出荷を担い、免許がなくても農業を続けてもらえる社会にしたい」と力を込めた。
須藤茂市長も「自動配送ロボットは、高齢化など農業を取り巻く課題の解決だけでなく、コロナ禍で求められる非接触物流システムの可能性も検証できる」と期待した。
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2021年04月06日

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高温の泡で雑草を枯死 小泉製麻が新型機
繊維資材メーカーの小泉製麻は、高温の泡を吹き付けて雑草を枯死させる新型除草機を2022年にも扱い始める。でんぷんや菜種油など植物由来の専用液を溶かした水を加熱し、泡状にして出す仕組み。農薬を含まず、泡は20~30分で消える。環境への負荷を抑えた雑草管理ができる。
商品名は「Foamstream(フォームストリーム)」。タンクの水を本体で専用液と混ぜて加熱し、泡をノズルから出す。泡は熱湯や蒸気に比べて高温が維持され、効率的に雑草にダメージを与える。熱は根にも伝わり、雑草は一定期間生えにくくなるという。
17日、神戸市の西神中央公園で実演した。同社は「有機栽培の農地や観光農園など、除草剤を使いにくい現場を中心に売り込みたい」と話す。
作業効率は1時間で約4アールで、720リットルの水が必要となる。 専用液は別売りを検討中で、0・3%に希釈して使う。
本体の高さは107センチ、幅104センチ、奥行き98センチで、重さ280キロ。本体とノズル間には20メートルのホースがある。
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2021年03月18日

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疑似グルーミング装置使用 子牛の体重2割増 農研機構
農研機構は、母牛の毛繕いを再現できる電動回転ブラシ「子牛用疑似グルーミング装置」を使うと、使わなかった子牛に比べて体重の増加率が2割高かったと明らかにした。群飼育移行時の生存率も高かった。同機構は「乳用牛に比べて誕生時の体重が軽い黒毛和種は肺炎や下痢などの影響が大きい」として、肉用牛の繁殖農家でのメリットを説明する。
ナイロン製のブラシは長さが40センチ、直径17センチの円柱状で、牛舎の柱などへ子牛の体高に合わせた位置に取り付ける。牛がブラシに体を押し付けるとスイッチが入ってモーターが毎分30回転し、体を離すと止まる。
農研機構が開発し、2016年から農家での実証を続ける。同機構畜産研究部門の矢用健一主席研究員によると、これまでの実証で黒毛和種の生後3カ月間12頭1群で飼った場合、ブラシを使用した牛は、使用しなかった牛と比べて体重の増加率が23%向上。群飼育移行時にブラシを使わなかった牛は10頭残存したが、ブラシを使うと11頭残った。試験では子牛1頭が1回約1分で、1日20分ほど装置を使っていた。
養牛農家では、母牛の発情を早く促すために生後1週間ほどで子牛を母牛から離して飼育する。子牛は母牛に体を毛繕いしてもらう「グルーミング」を受ける機会が減ると、ストレスになる恐れがあるという。
装置は富士平工業が受注生産し、1台25万円ほどで販売する。矢用主席研究員は、肉用牛の繁殖農家こそ導入メリットがあるとし「和子牛が60万円前後で取引される中、1頭だけでも農家の損害は大きい。機械代は1年で元が取れる」と話す。
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2021年04月14日

4
地上散布ロボット実演会 多用途活用に期待 XAG製で神奈川県
神奈川県農業技術センターは、同県海老名市でXAG社の農業用ロボット「R150」の実演会を開いた。野外での実施は初めて。JA関係者や生産者が参加。農地で液剤に見立てた水を散布し、性能を確かめた。
「R150」はバッテリーで走行する無人車。液剤散布用の100リットルタンクと二つのスプレーシステムを搭載する。噴射は左右に最大290度、上下に同200度まで回転。散布幅は最大12メートルで、散布量は1分当たり最大4・8リットル。ドローン(小型無人飛行機)と異なり、横や上に散布できるため果樹栽培にも活躍するとみる。アタッチメント変更で粒剤散布や草刈り、運搬にも対応できる。
実演会では、水をさまざまな角度で散布した。キャベツの苗に貼り付けた感水試験紙で十分な散布を確認。同センターは「都市近郊はドローンの活用が難しい。ロボットの地上散布に期待する」とした。
リモコン操作と追随モードによる走行も披露した。ルートを設定し、地上に基地局を置けば自動散布ができる。バッテリーは同社のドローンと共有でき、急速充電器を使えば15分でフル充電できる。散布は1・5時間、走行は4時間可能。
4月に200万円台前半での発売を予定。XAG JAPANの住田靖浩社長は「用途に合わせて使え、日本の農業にマッチする」と説明。導入予定という長野県の果樹農家は「授粉作業に活用できそうだ」と期待する。
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2021年03月26日

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リンゴ、梨収穫はロボにお任せ 速度は人と同等で適期も見極め 農研機構など開発
農研機構と立命館大学、デンソーは23日、リンゴや梨を自動で収穫するロボットを開発したと発表した。果実の認識、収穫、コンテナへの収納が自動でできる。収穫速度は人とほぼ同じ、果実1個当たり11秒。今後2年かけて実証試験を続け、実用化を目指す。
はさみを使わずに収穫できるリンゴ、梨、西洋梨が対象。樹形は着果面が平面になるV字樹形に対応する。
収穫ロボットは、自動走行車両がけん引する。人工知能を活用。アームの土台にある2個の高性能なカメラによって果実を認識し、着果位置を把握する。3本爪のハンドが果実をつかみ、回転させて収穫する。
リンゴと西洋梨は、カメラで認識した全ての果実を収穫する。高さ80~200センチに着果した果実に対応。梨は果頂部の色を認識し、収穫適期の果実だけを選んで取る。試験では夜間でも精度90%で熟度を判定できた。収穫する果実がなくなれば走行車両を動かし、自動で次の果実に移動する。
収穫後の果実は、走行車両の荷台にある、収納システムのベルトコンベヤーに優しく落とす。2本爪のハンドが運ばれた果実をつかみ、コンテナに置く。満杯になったら自動で荷台に移動。荷台には5段重ねのコンテナが4山置ける。
収穫スピードの1個当たり11秒は、1時間で300個を収穫できる速さだ。自動走行車両を使った薬剤散布や除草も含め年間の作業時間を50%削減できるという。
農研機構果樹茶業研究部門は「海外の吸引型の収穫機と異なり、果実に傷が付きにくく、収穫適期が見極められるのが特徴」と説明する。他の果樹への応用も検討する。
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2020年12月24日

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ニンジン葉切断機開発 1分で最大130本処理 千葉・八街洋らん園
千葉県八街市でニンジンなどを栽培する八街洋らん園は、ニンジンの葉の切断機「CHC─1」を開発した。ベルトコンベヤーにニンジンを載せるだけで自動で葉を切れる装置で、調製作業の省力化を見込む。同社の調べで、人手だけの作業に比べ約6倍速く調製できるという。霜や寒さに当たって葉が枯れたニンジンの調製作業を大幅に省力化できると期待する。
開発した切断機の大きさは、高さ1・1メートル、幅1・3メートル、奥行き60センチ。ベルトコンベヤーで運ばれたニンジンをローラーで押さえて、カッターで切る仕組みだ。
同社によると、1分間に最大130本を処理できるという。100ボルトの電源電圧で稼働する。
地域では、11月~翌年3月の5カ月間でニンジンを出荷する。葉を引っ張って地面から抜く専用のニンジン収穫機を使えば、葉が自動で切り取られるが、1月以降は霜に当たって葉が枯れ、機械が使えない。そのため手作業で枯れた葉を切る必要がある。
2020年に特許を取得した。葉だけでなく、ニンジンの先端から伸びた細い根も切れるよう改良を進める。ニンジン1ヘクタールを栽培する同社の井啓代表は「調製作業は時間がかかり、精神的に負担が大きい。省力化が強く求められている」と指摘する。
価格は38万円(税別)。問い合わせは八街洋らん園、(電)043(445)2214。
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2021年02月23日

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熊手型除草機(ホウキング)が自走式に 農家の発明を商品化 福岡・古野さんとオーレック
1時間の作業1分で
福岡県桂川町の農家、古野隆雄さん(69)が自作したアイデア農機具「ホウキング」の仕組みを応用した「株間除草セット」を、農機メーカーのオーレックが商品化した。同社の自走式小型管理機「ACE ROTOR(エースローター)」に取り付けて使う。野菜や乾田直播(ちょくは)の水稲など、幅広い品目で草取りの労力を減らせる。青ネギを栽培する100メートル畝での試用では、くわの手作業で1時間かかる除草が1、2分でできた。
古野さんの元祖「ホウキング」は、針金製の熊手を改造して作る。畝の上で引くと針金の先が雑草だけを根ごと抜く。雑草の根は作物よりも細く浅く張るため、土をひっかくだけで取り除ける。作物は針金の間をすり抜け、傷まない。新商品も原理は同じだ。熊手型で、1連で20センチ幅をカバーできる。
「ホウキング」は針金の数を増やすときは縦に取り付けないとバランスが取れないのに対し、株間除草セットは、横に針金の数を増やしても安定する。同社開発部が麦畑で実証したところ、最大で4条を一度に除草できた。除草する幅や針金が入り込む深さなどは苗や雑草の生育状況に応じて変えられる。
同社は、作物の根がしっかり張ってから使うのを勧める。発芽後1、2週間が目安だ。苗定植の場合も同様。再び雑草が生えるので7~10日置きに除草する。
古野さんは「複数の条での除草や速度を踏まえると、大規模の有機農家は特に導入する価値がある」と評価。ただ、「ホウキングに比べコストはかかる」とも指摘する。
「株間除草セット」の価格は、2連型が5万2800円、4連型が9万6800円。取り付ける作業機のエースローターは、2連用の「AR650」が24万2000円、4連用の「AR300」は20万6800円。農機具店で購入できる。
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2020年10月20日

8
生育測定スマホで完結 データ蓄積管理に活用 IT企業アプリ開発
名古屋市のIT企業「ITAGE(アイテージ)」は、トマトやナス、キュウリの茎径や葉幅などの生育データをスマートフォンのカメラで測定するアプリを開発した。データをインターネット上に保存して生育の推移を把握でき、栽培管理などに生かせるとみる。2021年度の実用化を目指す。
開発したアプリ「生育ナビ」は、長さ15センチほどの測定マーカー板を測定する箇所にかざして、スマホで撮影する。定規や筆記具などを持ち歩かずに、省力的に測定と記録、グラフ化ができる。現在は試用版で、評価モニターを募っている。
測定できるのは茎径や葉幅の他、トマトの場合は頂点開花位置、茎伸長、着果数、葉色など。スマホで撮影した画像に画面上で簡単な操作をすれば、長さを測れる。葉数や段数は手入力できる。
測定データはアプリ上で確認できる。前年との比較も可能だ。データは共有でき、生産者部会やグループで使えば、自身と他の農家の生育データを比べられる。施設トマトの栽培試験で活用する愛知県農業総合試験場は「データを基にした普及・営農指導につなげられる可能性がある。収量予測に必要なデータとしても生かせるだろう」とみる。
同社によると、県内だけでなく関東や九州の産地で現在60人ほどが試用し、測定精度や使いやすさの向上を進めている。同社は「生産者同士が生育データの数値を参考にしながら、栽培の改善策などを話し合えるようになる」と見込む。
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2021年02月08日

9
[旬菜物語] リンゴ「ピンクレディー」 長野・JAあづみ
小ぶりでも輝く魅力
長野県は全国2位のリンゴ生産量を誇ります。県内有数の産地のJAあづみ管内で栽培される「ピンクレディー」は小ぶりで甘酸っぱさが特徴の希少なリンゴです。「ピンクレディー」の特徴と地域のご当地グルメ「安曇野林檎(りんご)ナポリタン」を紹介します。
色鮮やか 貯蔵に強み
リンゴ「ピンクレディー」は商標名で、正式な品種名は「クリプスピンク」です。オーストラリアの試験場で誕生したリンゴで、世界各国で栽培されています。栽培の権利はオーストラリアの組織が管理しており、苗木生産と商標使用に対して使用料を支払う必要があります。
日本で生産する場合は、農家がオーストラリアの組織と契約し、日本の「ピンクレディー」の生産者組織、日本ピンクレディー協会に所属することが必要です。
同協会は2006年に発足しました。当初は所属する生産農家は長野県内の9人でしたが、20年3月時点では県内外の44人まで増えました。19年度は同協会で年間130トンを生産しました。長野県のJAあづみ管内では7人の農家が生産。同協会で生産する「ピンクレディー」の半分以上を占め、生産量は全国トップです。
「ピンクレディー」の果皮はピンク色を帯びた鮮やかな赤色をしています。1個180グラム前後の小ぶりなリンゴで、強い酸味がありながら甘さもある濃厚な味で、食べるとしゃきっとした歯応えがあります。生食はもちろん、加熱しても煮崩れしにくい特徴を生かして、アップルパイやタルトなどの調理にも最適です。
収穫時期はJA管内で主力のサンふじとほぼ同じ、11月中・下旬です。収穫した「ピンクレディー」は1月末まで貯蔵することで強い酸味が和らぎ、香り高い風味が楽しめます。サンふじの出荷時期を避けることができるのも利点です。
葉摘み作業念入りに
同協会の会長を務める、安曇野市のリンゴ農家、中村隆宣さん(62)は「ピンクレディー」の貯蔵性の高さを「冷蔵庫で保存すれば収穫から1年ほどは食感や味を維持できる」と紹介します。
栽培時は「ピンクレディー」独特の鮮やかな色味が付くように葉摘み作業を念入りに行います。また、料理に使いやすいように、他の品種よりも摘果を少なくすることで小ぶりなサイズに仕上げます。
中村さんは自身の農園では「ピンクレディー」のドライフルーツやジャム、ジュースの販売などの6次産業化に取り組む他、「ピンクレディー」をPRする曲を作詞・作曲するなどして認知度の向上にも力を入れています。
中村さんは「日本は欧米に比べてリンゴの消費量が少ない。消費者が『ピンクレディー』のような新しいリンゴに出合うことで、リンゴ全体の消費が拡大してくれたらうれしい」と笑顔で話します。
<JAあづみ>
安曇野市と松本市の一部を管内に持ちます。降水量も少なく、豊富な日照量に加えて、600~700メートル前後の標高が生み出す寒暖差を生かしてリンゴを中心に栽培する果樹の産地。他にも、稲作や野菜、キノコ、花きの栽培も盛んです。
<ショッピングメモ>
JAあづみ管内の生産者はJAを通じて東京や大阪などの市場に出荷します。JA農産物直売所「安曇野スイス村ハイジの里」(長野県安曇野市豊科南穂高5566の1)などでも販売しています。
甘酸っぱさが隠し味 安曇野林檎ナポリタン
長野県安曇野市には、ご当地グルメ「安曇野林檎ナポリタン」があります。2011年に市が取り組んだ事業がきっかけとなり、調理師会や大学、商工会などと連携して開発しました。条件は具やソースに同市産のリンゴを使うことだけで、提供店舗ごとに個性があります。14年には市内の飲食店5店で提供を開始。20年には市内外の14店まで拡大し、ご当地グルメとして、浸透しつつあります。
「安曇野林檎ナポリタン」
同市の「食事処(どころ)美里」では、トッピングに千切りにした「ピンクレディー」を使います。同店のオーナーシェフの北林智紀さん(43)は「『ピンクレディー』は、酸味とうま味がナポリタンと相性が良い上に、保存が利くので通年で商品を提供できる。千切りにした時に色が変化しにくいので見栄えもいい」と魅力を語ります。
ソースには酸味が特徴の「紅玉」のジャムも使います。北林さんは「『ピンクレディー』や『紅玉』のジャムがない時は、酸味や香りが強い品種のリンゴやジャムで代用が可能」とアドバイスします。
<食事処美里>
1977年創業。長野自動車道安曇野インターチェンジから車で15分ほど。営業時間は昼が午前11時半~午後2時、夜は午後5時半~9時半。水曜日が定休日。長野県安曇野市堀金烏川5059の10。(電)0263(72)6952。
<レシピ>
■材料(1人分)
ピンクレディー4分の1個、紅玉のジャム30グラム、乾麺のスパゲティ100~120グラム、ブナシメジ30グラム、タマネギ40グラム、ベーコン45グラム、ニンニク3分の1かけ、ケチャップ90ミリリットル、オリーブ油・モッツァレラチーズ・パセリ・塩・こしょう・ナツメグ・シナモン・各適量
■作り方
①強火で熱したフライパンに多めのオリーブ油とスライスしたニンニクと短冊切りにしたベーコンを入れて炒める
②フライパンに入れたベーコンの外側がくびれてきたら①とタマネギとブナシメジを加え炒める
③具に火が通ったらケチャップを入れて油とよく絡ませる。焦がさないように気を付けながらケチャップの色につやが出るまで炒めたら火を止めて、好みでナツメグとこしょうを入れる
④スパゲティを5%の塩分濃度の塩水(分量外)に常温で5時間漬けておく。それを1分間ゆでる
⑤③のソースと「紅玉」のジャム、④のスパゲティをあえて、皿に盛り付ける
⑥⑤に溶かしたモッツァレラチーズとシナモンを掛ける。その上から千切りにした「ピンクレディー」を盛り付けて、仕上げにパセリを振り掛ける
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https://www.youtube.com/watch?v=-atIIwSQoOY
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2020年12月12日

10
[活写] “最辛”の熊対策
青森県中泊町で木炭の生産を手掛けるツリーワークは、インド原産の激辛トウガラシ「ブート・ジョロキア」と木酢液を使った熊の忌避剤を開発した。熊の出没が多い2020年は、全国から問い合わせが相次ぎ、受注が前年の10倍に増えたという。
商品名は「熊にげる」。ジョロキアから抽出した辛味成分と木酢液を混ぜた黒い液体だ。臭いが漏れ出るよう上部に穴を開けたペットボトルに入れ、畑の近くにつるして使う。
炭・木酢液を研究する谷田貝光克東京大学名誉教授の助言を受け16年に開発。青森や秋田、長野県などのトウモロコシ畑やリンゴ園で試験し、熊や猿に対する効果を確認した。
ジョロキアの施設栽培にも取り組み、製品のコストダウンに成功した。現在はハウス2棟で、製品2トン分の原料を収穫する。価格は1リットル入りで1万円。1ヘクタールの畑で約1年間使える量という。
同社代表の佐々木嘉幸さん(82)は「注文が増えている。原料が足りないので、栽培に協力してくれるよう農家に呼び掛けたい」と話す。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=1MJ-IJGQgDc
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2021年01月17日
