TPP11 国会承認 関連法案審議で最終局面

TPP11承認案が参院本会議で可決され、一礼する河野太郎外相(左下)(13日、国会で)

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加国による新協定(TPP11)が13日、参院本会議で可決、承認された。政府・与党は今後、国内手続きの完了に必要な関連法案の成立を急ぐ。14日の参院内閣委員会で本格審議に入り、会期末(20日)までの成立を目指すが、野党側は審議時間の不足などを理由に徹底抗戦の構え。日本農業にとってかつてない市場開放を迫るTPPを巡る政府・与党と野党の攻防は最終局面を迎える。

 参院本会議の採決では自民、公明と日本維新の会、希望などが賛成。国民民主、立憲民主、共産、自由、社民などが反対した。

 TPP11は参加11カ国中6カ国が国内手続きを完了して60日後に発効する。日本の国内手続きの完了には、協定の承認と関連法の成立が必要になり、関連法案は14日の参院内閣委員会で本格審議に入る。

 衆院の関連法の審議では、安倍晋三首相の委員会出席による質疑や、農林水産委員会との合同審査、有識者出席の参考人質疑があった。参院でもこうした質疑が開かれる見通しだ。

 既にメキシコが国内手続きを終え、ニュージーランドやオーストラリアは議会での手続きを進める。政府は交渉を主導した立場から、早期発効の機運を高めるため、国内手続きの完了を急ぎ、20日の会期末までに関連法を成立させたい考え。

 一方の野党は、審議時間が短いと強く反発。米国を含む元のTPPでは衆参両院に特別委員会を設けて計130時間以上審議した。今回は承認案が6時間、関連法案が17時間余りで衆院を通過。参院の承認案の審議は5時間35分だった。参院本会議で反対討論した野党からは「疑問点を解明するための審議時間が確保されたとは到底言えない」などと批判が出た。

 米国復帰が見込まれない場合に乳製品の低関税輸入枠などを見直す規定の実効性や、農林水産物の影響試算の妥当性などの論点で、曖昧な政府答弁も目立ち、懸念が払拭(ふっしょく)されたとは言えない。

 7月に日米の新たな貿易協議が行われる。「2国間ディール(取引)」に固執し、強硬路線に走る米国にどう対峙(たいじ)するか、といった新たな論点もあり、慎重な国会審議が必要になる。

 政府・与党は、「働き方改革」法案などの成立を目指し、会期延長を検討。延長に反対する野党との綱引きが激化する中で、TPP11の議論が深まるかが課題だ。

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