西日本豪雨 JA施設 被害甚大

肱川の氾濫で深刻な被害が出た。JAひがしうわの選果場も復旧の見通しが立っていない(10日、愛媛県西予市野村町で、富永健太郎写す)

 西日本豪雨は、JAの農業施設にも甚大な被害をもたらした。被災したJAでは10日、懸命な復旧作業が続いた。愛媛県では、JAひがしうわの選果場や、JA愛媛たいきの直売所に濁流が流入。岡山県のJAびほくでは、選果場が浸水した他、土石流が敷地内の道路を破壊した。これまでに経験のない災害に、被害の全容はまだ見えない中、JAは生産者のために、全力を尽くす。(丸草慶人、柳沼志帆)
 

愛媛 復旧めど立たず


 愛媛県西予市野村町のJAひがしうわの選果場。近くの肱川が氾濫し、濁流が押し寄せた。

 「見ての通りよ」。JA営農部の古本陽一部長はいまだに水がたまったままの選果場を前に、力なく話した。選果機には、濁流に押し流されてきたごみや段ボール箱が絡まりついていた。

 共選場の利用者は夏秋キュウリやナス、冬春のカボチャやキャベツなどで延べ約200人。夏秋野菜の販売金額は3億2000万円、冬春野菜は1億5000万円に上る。中村吉年組合長は「組合員と地域住民は甚大な被害を受けた。被害状況を把握し、迅速な復旧に努めたい」と話す。

 管内は夏秋キュウリの出荷ピークを迎えている。選果機利用は困難な見込みで、各生産者が個人選果で出荷に対応する。ただ、ピークは25日ごろまで続き、日量は約10トンと選果スピードが追い付かない。JA野菜生産出荷協議会の赤松俊計会長は「選果機の被害を知り、株を切った生産者もいる。大変な時期だからこそ、JAと共に一日でも早い復旧を目指す」と強調する。

 JA愛媛たいきでは、JA運営のたいき産直市「愛たい菜」(大洲市)などが浸水した。9日から3トントラックなどを使い、トマトやキュウリ、メロンなど、水に浸かった出荷物を運び出した。640平方メートルの売り場にたまった泥は、手作業で取り除いた。

 晴天と高温が、作業をする職員らの体力を奪う。駐車場はこびりついた泥がコンクリートに張り付き、清掃作業は難航した。宮岡寛樹店長は「再開のめどは立っていない。どこから、何から手を付ければよいのやら」と途方に暮れる。
 

岡山 場内浸水 一時10センチ


 岡山県のJAびほく管内では、栽培中の作物への影響はほとんどないものの、高梁市備中町のJA西部ぶどう選果場が浸水した。裏手を流れる成羽川から氾濫した水が流れ込んだ。濁流は敷地内の道路を破壊した他、一時は場内に深さ10センチほど水がたまった。

 8月下旬からは県内トップの生産量を誇るブドウ「ピオーネ」の出荷が始まる。職員が稼働に向けて清掃を開始。作業は急ピッチで進む。出荷には影響がない見込みだ。

 既に出荷が始まっているトマトの選果場では、通行止めによる影響が出ている。県内最多の出荷量を誇るが、選果場まで続く県道新見川上線が一時寸断され、8日は選果を中止せざるを得なかった。9日からは1時間ほどかかる迂回(うかい)路を使って出荷を再開した。10トン程度のトラックの進入が難しいため、2トン程度のトラックを往復して荷を積み、大阪や岡山市場に向けて出荷する。選果場の職員も交通状況の悪化で半数の15人ほどしかいないが、農家が出荷したトマトを市場に届けようと汗を流す。

 JAの平山薫組合長は「組合員の営農、生活支援に全力で取り組んでいく」と話し、復旧に全力を挙げる考えだ。

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