米の産地表示 未検査でも一部可能 直接取引を効率化 農水省

 米の農産物検査の見直しを巡り、農水省が品種や産地、年産の表示を未検査米の一部に認める方向で検討していることが7日、分かった。産地と実需が直接取引する米が対象。現状、米に表示するには原則、同検査の受検が義務付けられているが、検査の効率化を目的に、表示要件を緩和する。銘柄などの偽装が発生しやすくなる懸念もあり、米の表示内容や適正な流通が確実に担保されるよう、慎重な議論が必要だ。
 

適正流通実効担保を


 農産物検査を巡っては、農業競争力強化支援法で来年8月ごろまでの見直し着手を明記した。今年6月には、日本農業法人協会が農産物検査の廃止を提起。生産現場では、同法廃止も含めた抜本見直しへの懸念を抱く声があった。今回、同省は法律に基づいた制度自体は維持する姿勢。その上で、一部規定の見直しの検討に入った。

 焦点は、未検査米への品種や産地、年産の表示の規制緩和だ。現状、食品表示法で、販売時にこれらの情報を表示するには原則、農産物検査が必須となる。

 政府が掲げる需要に応じた米生産の一環で、産地と実需の直接取引は拡大する方向だ。検査費用や体制などの効率化を目的に、検査の見直しを求める声が上がっていた。

 一方、未検査米については、偽装表示をいかに防ぐかが課題となる。表示の証明には、米トレーサビリティ法に基づく証明やDNA検査などの利用が考えられる。だが、内閣府の消費者委員会は2013年に、「農産物検査法に基づく検査証明書以外の方法で(品種などの)証明を行うことについては、実効性のある方法が見込まれない」としている。これらを踏まえ、慎重な議論が求められる。

 その他、1等、2等といった等級は原則、維持する方向。等級が産地の生産指標となっている他、統一の品位規格が円滑な取引に寄与していること、各流通段階での価格形成に一定の役割を果たしていることを踏まえたとみられる。

 また、JAなど生産現場の検査員確保に課題がある実態を踏まえ、穀粒鑑定では従来の原則、検査員による目視から、機器による計測に移行することも検討する。


<ことば> 農産物検査


 米や麦など10品目を対象に、品種や年産、産地、等級に″お墨付き″を与える制度。農産物検査法に基づく。米では、受検が販売時の表示根拠になり、収入減少影響緩和対策(ナラシ)や政府備蓄米など施策参加の要件にもなっている。 
 

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