[e農スマートアグリ] スマート農業プロジェクト 実証事業69件採択 技術、品目広く不利地も考慮

 農水省は20日、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)、ロボット農機などを活用したスマート農業の推進・普及のために2019年度から始める実証事業で、取り組み主体となる実証グループ69件を発表した。技術内容や品目、地域のバランスを勘案し、高い効果が見込まれるものを選んだ。総事業費は約47億円で、農機導入などにかかる経費を国が全額負担する。選ばれたグループは2年間かけて現場導入のけん引役を担う。

 全国の252件の応募の中から、生産性の向上や普及の可能性などで高い成果が期待できるものを選んだ。品目別では水稲の30件が最も多く、露地野菜の10件、果樹9件、施設園芸8件、畑作6件が続いた。畜産(3件)や茶(2件)、花き(1件)も選ばれた。地域別では、中山間地域30件、離島3件など条件不利地にも配慮した。同省農林水産技術会議事務局は「幅広い品目で導入・普及が進められるグループを選ぶことができた」と期待した。

 水稲の事業グループでは例えば、自動操舵付きトラクターやICT田植え機、食味・収量センサー付きコンバインなどを導入し、業務用や輸出用、高価格米など用途に応じた米生産の実証に取り組む。中山間地域では、ドローン(小型無人飛行機)や畦畔の上り下りが減らせる自動給水栓、傾斜地に対応した草刈り機などを導入し、作業の効率化・軽労化を目指す。生産コストや資材費の削減、労働時間削減の目標数値も設定する。

 茨城県では自動運転田植え機やロボットトラクターで省力化と高品質な米生産の両立を目指す事業などが選ばれた。施設園芸では、適期を自動判断する収穫ロボットの活用で、トマトの生産コスト削減を目指すパナソニックなどの事業を採択。愛媛県八幡浜市でAIによる選果、ドローンやアシストスーツ導入で省力化や多収化を目指すミカン栽培事業も選ばれた。

 事業は「スマート農業加速化実証プロジェクト」と「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」の二つ。個別グループの事業費は未定だが、それぞれ数千万~1億円超と事業ごとに異なる。同省は、今回採択した69件の取り組み内容をホームページで公開している。 
 

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