豚コレラ 9府県養豚協会長 ワクチンの是非 説明を 本紙緊急調査
2019年07月12日

豚コレラの感染農場が相次ぎ、感染した野生イノシシの分布が広がっていることを受け、日本農業新聞は、発生や隣接する9府県の養豚協会の会長らに現状や政府への訴えなどを聞き取る緊急調査をした。豚へのワクチン投与を求める意見の他、共通して農水省にワクチン投与によるメリットやデメリットなど丁寧な説明を要望する声が出た。感染の恐怖と戦いながら衛生管理を徹底しても発生に歯止めがかからず、現場には焦燥感が高まっている。
半数の豚が殺処分された岐阜県養豚協会の吉野毅会長は「日本最高レベルの衛生対策をしている自信はあるが、防げない。限界だ。今にも大粒の涙が出るほど心が壊れている」と疲労する。最初に感染が分かってから10カ月が過ぎた。終息の兆しは見えず、県内全農家が精神的に追い詰められている。
近隣県にも緊張感がみなぎっている。感染したイノシシが11日時点で4頭発覚した三重県養豚協会の小林政弘会長は「衛生管理基準を守れと指示する国と、恐怖におののく現場との溝が大き過ぎる。衛生管理をやり尽くしても発生する岐阜や愛知の実態を見て皆、びくびくしている」と明かす。7月に感染イノシシが見つかった福井県養豚協会の相馬秀夫会長は「殺処分した農家の思いを考えると言葉がなく、自分たちも切羽詰まっている」と窮状を訴える。
吉野会長は「国の水際対策が甘い中、なぜ岐阜に責任をなすり付け、ワクチンを打たないのか」と水際対策の徹底やワクチン投与を求める。吉野会長の他、複数の会長が豚へのワクチン投与を切望する。
感染したイノシシが広がる中で同省が提唱する早期出荷に疑問の声も相次ぐ。静岡県養豚協会の中嶋克巳会長は「早期出荷してもイノシシを考えると一歩踏み出せない。今、発生したら終わり。発生していない静岡でも農家は疲弊している」と語気を強める。全大阪養豚農業協同組合の川上幸男組合長は「早期出荷を現場に求めるなら再開対策をセットで考えなければ農家は守れない」と訴える。中嶋会長も川上組合長も、2010年に宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫は4カ月で終息したことを踏まえ「豚コレラで初動を誤った農水省の責任は大きい」と感じる。
各県から共通して挙がるのが、同省に丁寧な説明を求める声だ。愛知県養豚協会の小林功理事長は「全国で順次、説明会を行う必要がある」と強調。豚へのワクチン投与では、科学的な根拠に基づくメリットやデメリットなどを丁寧に説明してほしいと指摘する。滋賀県養豚推進協議会の森本雄一会長は、相次いで感染イノシシが見つかっていることから「危機のステージは大きく変わった。明日はわが身」とした上で「農水省の説明不足が際立つ。衛生管理の不備を言うなら発生農場の課題点を各地にフィードバックしなければ教訓は生かせない」とみる。
各県とも、消毒の徹底や畜舎への出入りの厳重管理、畜舎へのフェンス設置など衛生対策に時間と費用を投資し、厳重な対策を急ぐ。ただ、費用や作業時間がかさむ一方で対策に終わりが見えず、複数の会長から「このままでは養豚業が消える」と悲痛な声が出る。
見えぬ終息…現場は「切望」
半数の豚が殺処分された岐阜県養豚協会の吉野毅会長は「日本最高レベルの衛生対策をしている自信はあるが、防げない。限界だ。今にも大粒の涙が出るほど心が壊れている」と疲労する。最初に感染が分かってから10カ月が過ぎた。終息の兆しは見えず、県内全農家が精神的に追い詰められている。
近隣県にも緊張感がみなぎっている。感染したイノシシが11日時点で4頭発覚した三重県養豚協会の小林政弘会長は「衛生管理基準を守れと指示する国と、恐怖におののく現場との溝が大き過ぎる。衛生管理をやり尽くしても発生する岐阜や愛知の実態を見て皆、びくびくしている」と明かす。7月に感染イノシシが見つかった福井県養豚協会の相馬秀夫会長は「殺処分した農家の思いを考えると言葉がなく、自分たちも切羽詰まっている」と窮状を訴える。
吉野会長は「国の水際対策が甘い中、なぜ岐阜に責任をなすり付け、ワクチンを打たないのか」と水際対策の徹底やワクチン投与を求める。吉野会長の他、複数の会長が豚へのワクチン投与を切望する。
感染したイノシシが広がる中で同省が提唱する早期出荷に疑問の声も相次ぐ。静岡県養豚協会の中嶋克巳会長は「早期出荷してもイノシシを考えると一歩踏み出せない。今、発生したら終わり。発生していない静岡でも農家は疲弊している」と語気を強める。全大阪養豚農業協同組合の川上幸男組合長は「早期出荷を現場に求めるなら再開対策をセットで考えなければ農家は守れない」と訴える。中嶋会長も川上組合長も、2010年に宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫は4カ月で終息したことを踏まえ「豚コレラで初動を誤った農水省の責任は大きい」と感じる。
各県から共通して挙がるのが、同省に丁寧な説明を求める声だ。愛知県養豚協会の小林功理事長は「全国で順次、説明会を行う必要がある」と強調。豚へのワクチン投与では、科学的な根拠に基づくメリットやデメリットなどを丁寧に説明してほしいと指摘する。滋賀県養豚推進協議会の森本雄一会長は、相次いで感染イノシシが見つかっていることから「危機のステージは大きく変わった。明日はわが身」とした上で「農水省の説明不足が際立つ。衛生管理の不備を言うなら発生農場の課題点を各地にフィードバックしなければ教訓は生かせない」とみる。
各県とも、消毒の徹底や畜舎への出入りの厳重管理、畜舎へのフェンス設置など衛生対策に時間と費用を投資し、厳重な対策を急ぐ。ただ、費用や作業時間がかさむ一方で対策に終わりが見えず、複数の会長から「このままでは養豚業が消える」と悲痛な声が出る。
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「ごはん・お米とわたし」内閣総理大臣賞 作文・長町さん(香川) 図画・清和さん(静岡)
JA全中は9日、第44回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールの審査結果を発表した。最優秀賞の内閣総理大臣賞には、作文部門で香川県の長町そよかさん(高松市立栗林小6年)の「広がれ! お米の可能性」、図画部門で静岡県の清和羽音さん(長泉町立北中3年)の「おむすびは勉強のおとも」を選んだ。
文部科学・農水大臣賞に計12人、全中会長賞に6人を選んだ。受賞者は次の通り。
◇作文部門▽文科大臣賞=青木舞桂(山形県米沢市立北部小3年)山口哲平(茨城県小美玉市立羽鳥小6年)辻紗季(福井市足羽中3年)▽農水大臣賞=桂木花音(さいたま市立大谷場小3年)園部杏莉(山形県庄内町立余目第三小6年)大貫桜和(神奈川県厚木市立相川中1年)▽全中会長賞=小濱啓太(沖縄県石垣市立登野城小3年)野元理彩(長崎県壱岐市立霞翠小4年)麦倉惟月(栃木県宇都宮短期大学付属中1年)
◇図画部門▽文科大臣賞=今鹿倉由羽(大阪府堺市立野田小3年)菊永優介(同市立東百舌鳥小5年)皆川泉(宮城県涌谷町立涌谷中2年)▽農水大臣賞=川原田すみれ(佐賀県小城市立桜岡小2年)石松祐(松江市立乃木小6年)荒木音羽(佐賀県伊万里市立国見中2年)▽全中会長賞=右近敏明(高松市立古高松小2年)白浜早也花(佐賀市立鍋島小5年)桝本陸斗(広島市立井口台中1年)
コンクールは「みんなのよい食プロジェクト」の一環。子どもに農業の学びを深めてもらい、ご飯や米の重要性を周知する。全国の小中学生から、作文5万660点と図画6万767点の応募があった。
表彰式は2020年1月11日に東京・大手町のJAビルで開く。
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2019年12月10日
規模拡大に限界感 家族農業 生かす政策を
担い手の規模拡大に限界感が見え始めている。生産基盤を維持していく上で憂慮すべき事態だ。担い手の規模拡大によって農地を守るシナリオを描いてきた農政の再検討が欠かせない。多様な担い手として家族農業の育成方向を明確にするとともに、実態にそぐわない農地集積目標なども見直しが必要だ。
食料・農業・農村基本計画の見直し論議で、家族農業や中小規模農家への支援強化を求める声が広がっている。JAグループは政策提案の中で、基幹的農業従事者や農業法人だけでなく、多様な農業経営が持続的に維持・発展できる政策を強く求めた。与党からも「家族農業、中小農家を支えることが重要」「地域を守る家族農業の将来像もしっかり示すべきだ」などの意見が相次ぐ。
家族農業の現状は、2019年は経営体数115万で、この5年間に2割近い28万以上が減った。恐ろしい減少スピードであるにもかかわらず、いまの農政の中で家族農業は位置付けを落としている。
05年の基本計画と併せて策定された「農業構造の展望」では、担い手になり得る効率的で安定的な家族経営を10年後までに33万~37万戸育てる青写真を描いていた。民主党政権時代の10年の構造展望では「家族農業経営の活性化」を柱として打ち立て、販売農家の減少にブレーキをかける考えを示した。しかし政策効果は表れず、15年の現行構造展望には家族農業の記述すらなくなった。
家族農業軽視は、いまの農政が産業政策に過度にシフトしたことによる。担い手育成の政策目標として、農地利用の集積率を10年間に5割から8割に引き上げることを掲げたが、これは従来の集積スピードを一気に1・5倍に引き上げるというもの。だが現実は、中間年に当たる18年は56%にとどまった。利用が低調な農地中間管理機構(農地集積バンク)をてこ入れする法改正はしたものの、実現はほぼ不可能といっていい。
もはや、集積目標自体が妥当か考え直す時だろう。「構造政策が進み過ぎ、畦畔(けいはん)管理などが担い手の負担になっている」「農地を頼まれても、これ以上は増やせない」といった声が既に上がっている。この状況で無理に集積を加速すれば、担い手は受け止め切れず農地の遊休化につながる恐れすらある。受け手のない農地があふれないよう、中小規模の農家の離農をできるだけ食い止めることが先決だ。
家族農業を重視する流れは、国連が定めた「家族農業の10年」とも通じる。グローバリゼーションが進み、飢餓撲滅や食料安全保障の確保といった国際的な目標の実現に不安が増してきたことを受けた動きである。食料自給率が37%にとどまる日本にとってこそ切実な問題だ。国民の食を守るためにも、国内の生産基盤を支えてきた家族農業の支援策が強く求められる。
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2019年12月08日
ヨーグルト減速 多様な効能 消費反転へ
乳酸菌などの機能性と健康効果が広く知られ、急成長を続けてきたヨーグルトの消費がこの2、3年減っている。機能性をうたう食品が数多く登場し、需要の一部が流れているためだ。酪農振興のためにも、業界ぐるみでヨーグルトの多様な効能をアピールし、消費の定着と拡大につなげるべきだ。
ヨーグルトの生産量は、この10年で1・4倍以上に拡大した。乳業メーカーの推計では、ピーク時の2016年の市場規模は4000億円を超えた。総務省の家計調査(2人以上世帯)でも同年までは右肩上がりで、年間支出額は1万3495円と09年より6割以上増えた。
急成長の最大の要因は、乳酸菌やビフィズス菌の機能性と健康効果が広く知られたことだ。手軽なドリンクタイプが増えて消費増を後押しした。だが、市場規模は17年から減少に転じ、17、18年はいずれも前年比2%減。家計調査でも18年の支出額は1万3203円となった。
なぜ消費が頭打ちになったのか。機能性や健康効果をうたう食品が増えたためだ。同じ乳製品でも高い栄養価を売りにチーズが消費を伸ばした。乳酸菌市場で消費者の選択の幅も広がった。非乳業の大手食品メーカーも乳酸菌に注目し、飲料や菓子など乳製品以外の売り場に乳酸菌入り商品が増えた。
ヨーグルト消費の後退を食い止め、再び伸ばすことは可能だろう。この間、業界ぐるみで「人の健康に有益に働く生きた微生物(=プロバイオティクス)」の役割を広く発信し、腸内環境を「善玉菌」で整えることや、「腸活」の考え方を定着させてきた。健康管理の新たな知識を消費者に浸透させたのは画期的であり、ヨーグルト消費の土台をつくった。
民間調査会社の富士経済は乳酸菌・ビフィズス菌含有食品市場とのくくりで市場規模をまとめた。ヨーグルト消費が減少しても右肩上がりで、16年度の7400億円から18年度は7800億円に増加。20年度には8000億円に達する有望市場と捉える。その中にはヨーグルト以外の食品も含まれるが、腸活につながる消費行動が今後も活発化する可能性を示している。
大手乳業メーカーのヨーグルトの新たな提案にも注目したい。ビフィズス菌の効果を訴えるため森永乳業は、製薬会社や、大腸で同菌の餌となる水溶性食物繊維の製造会社と共同で「大腸活」の情報発信を始めた。雪印メグミルクは、目や鼻のアレルギー反応を緩和する「乳酸菌ヘルベ」入りヨーグルトを来年1月に発売する。機能性タイプで市場をけん引してきた乳業最大手の明治は、低カロリーのヨーグルトに商機を見る。
原料は近年、脱脂粉乳から風味の良い脱脂濃縮乳に移りつつある。だがパンや飲料など他の食品にも使われ需要に供給が追い付かない。ヨーグルト市場を拡大し酪農振興につなげるには、生乳の増産対策が不可欠だ。
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2019年12月10日
輸出3カ月前年割れ 10月農林水産物 目標達成遠く
10月の農林水産物・食品の輸出額は751億円で、前年同月比で5・9%減った。前年同月を下回るのは3カ月連続。2019年の累計(1~10月)は前年同期比0・8%増の7396億円。水産物が落ち込み、緑茶やリンゴなど主要果実も振るわず、伸びが鈍化している。「19年に1兆円」という政府目標の達成は厳しい。
財務省が発表した貿易統計を基に日本農業新聞が調べた。
農林水産物の輸出は例年、収穫期の秋以降、年末にかけて増える傾向にある。しかし、政府目標1兆円達成には残る2カ月で合計2600億円以上の実績が必要。単月で1000億円を超えたことは近年なく、このままのペースでは達成は難しい状況だ。
輸出額の1~10月の累計を品目別に見ると、水産物は、6%減の2313億円と落ち込んだ。輸出先で他国産と競合したり、サバなどで相場が良い国内向けに販売を振り向ける動きがあった。
日本食の人気を背景に、牛肉は25%増の235億円と好調が続いている。日本酒も8%増の192億円、サツマイモは23%増の13億円と伸び幅は大きい。リンゴは8%減の82億円、ブドウは4%減の28億円と落ち込んだ。緑茶も2%減の119億円となった。
輸出額が伸び悩む背景には、最大の輸出先・香港の政情不安定化や、韓国との関係悪化などもあるとみられる。
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2019年12月08日
直接支払い3制度 自治体負担軽減を 農水省が検討開始 根拠法20年度見直し
農水省は6日、中山間地域等直接支払制度と多面的機能支払交付金、環境保全型農業直接支払交付金から成る「日本型直接支払い」の検証を始めた。農業者団体からの意見聴取などを通じ制度の課題を洗い出し、2020年度に対応方針も取りまとめる。現場で制度を推進する自治体の事務負担の軽減などが検討事項となる見込みだ。
三つの制度は、政府が地域政策と位置付けており、条件不利地を含めた農地の保全、営農の継続などを後押ししている。各制度の根拠法として、農業の多面的機能発揮促進法が15年4月に施行され、施行5年後の20年度に見直すかどうか、検証するとしていた。今後、三つの関連制度の第三者委員会で検討を進める。
同日の会合で、委員長に就いた東京大学大学院の中嶋康博教授は「それぞれ(の直接支払いは)地域の農業農村に大きな役割を果たしている。改めて法制度、運用について課題を共有したい」と話した。同省は、自治体のアンケート結果を報告。三つの制度を同じ部署で担当している市町村は7割に上った。
宮城大学の三石誠司教授は、関連制度を推進するに当たり「市町村が忙しいため、(現場の要望を)聞くことができていないのではないか」と指摘。自治体の人手不足を課題として検討するよう提起した。
日本消費者協会の河野康子理事も自治体の人手不足を課題に挙げ、「コンサルティングなどの手当てが必要」と述べた。コンサルタント企業クニエの原誠マネージングディレクターは「事務と人材が課題の大きな柱になる」と指摘した。
市町村は同じ部署で3制度を担当するが、同省は制度ごとに担当部署を設けていることも論点になった。中嶋委員長は市町村の人手不足を念頭に「書類様式を可能な限り統一した方がいい」と指摘、同省に精査を求めた。
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2019年12月07日
農政の新着記事

農水補正予算5849億円 政府・与党 和牛倍増へ奨励金
政府、与党は12日、2019年度農林水産関係補正予算案を固めた。総額は5849億円で、18年度に比べ152億円(2・5%)減。このうち来年1月に発効する日米貿易協定などの国内対策費は3250億円。目玉となる和牛生産の倍増に向けた「増頭奨励金」は、中小規模の農家への支援を手厚くするため、飼養頭数が50頭未満の繁殖農家に1頭当たり24万6000円を交付する方針だ。
増頭奨励金の交付単価は、50頭以上の農家が同17万5000円、都府県の乳用後継牛が同27万5000円とする。
奨励金を含む和牛・乳用牛の増頭・増産対策には243億円を計上。日米協定での牛肉輸出枠の拡大や中国への輸出解禁をにらみ、35年までに和牛生産を30万トンに倍増させる計画だ。
畜産地帯での機械や施設の整備を支援する畜産クラスター事業には409億円を充てる。規模要件を緩和し、中小農家の規模拡大を後押しする。
産地生産基盤パワーアップ事業(旧・産地パワーアップ事業)は348億円。流通拠点やコールドチェーンの整備に加え、中小・家族経営の継承の円滑化や堆肥を使った全国的な土づくりにも支援する。
担い手育成対策などには64億円を計上。40歳前後の就職氷河期世代に就農準備交付金を支給する他、50代の就農研修にも助成する。
棚田地域振興法の制定を受け、棚田・中山間地域対策に282億円を盛り込む。
公共事業費は2991億円。うち農地の大区画化・汎用化に270億円、水田の畑地化などに566億円を計上する。台風19号などの復旧対策は公共、非公共合わせて2144億円。
危害分析重要管理点(HACCP)に対応した輸出施設整備などに108億円、豚コレラ(CSF)やアフリカ豚コレラ(ASF)などの家畜伝染病予防費に57億円、先端技術を活用したスマート農業技術の開発・実証プロジェクトに72億円を計上する。
農林水産関係補正予算案は同日、農水省が自民党農林合同会議に示し、了承された。政府は13日にも補正予算案を閣議決定し、年明けの通常国会に提出する。
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2019年12月13日

「スマート」上積みへ 20年度予算 17日にも大臣折衝
政府・与党は12日、2020年度農林水産関係当初予算の詰めの調整に入った。転作助成や農地集積など重要施策の財源規模が固まる中、当初予算総額の前年度超えを目指し、「スマート農業実現」「輸出力強化の体制整備」の関連予算額を17日に予定する大臣折衝事項に設定した。予算の上積みに向けて、江藤拓農相の手腕が問われる。
農水省は同日、自民党農林合同会議で、20年度予算について、財務省との折衝状況を報告。転作助成金に当たる水田活用の直接支払交付金は当初予算比で165億円減の3050億円、人・農地プラン実質化や農地中間管理機構(農地集積バンク)による農地集積・集約の執行見込み額は212億円とした。
大臣折衝は、17日に江藤農相が麻生太郎財務相と面会する。会合に出席した江藤農相は「災害もあり、一連の経済連携協定も出そろう中、(農家に)希望を持ってもらえるよう先頭に立って頑張る」と決意表明した。
党農林・食料戦略調査会の塩谷立会長は当初予算案の内報額を「枝ぶりのいい内容」とした上で、大臣折衝事項について江藤農相に「しっかり交渉していただきたい。激励を申し上げたい」とエールを送った。JA全中の中家徹会長は「現場実態に合ったスマート農業、輸出拡大の加速化を実現してほしい」と期待を寄せた。
大臣折衝事項のうち、「スマート農業実現」については、中山間地域など条件不利地の担い手、労働力不足解消に向けて、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの先端技術を現場で導入・実証するための予算獲得を重視する。
輸出力強化に向けて同省は、農林水産物・食品輸出促進法に基づき、今後設置される政府の司令塔組織による輸出証明書の申請・交付システムの構築などを進めたい考え。欧米への牛肉輸出には危害分析重要管理点(HACCP)の認定が必要なことを踏まえ、HACCPに対応した施設など輸出拠点の整備も課題に挙げ、予算の確保を目指す。
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2019年12月13日

イノシシ捕獲に手引 環境、農水省 ウイルス拡散を防止
環境省と農水省は、豚コレラ(CSF)、アフリカ豚コレラ(ASF)対策として野生イノシシの捕獲に関する防疫措置の手引を作成した。国がイノシシ捕獲の手引を作成するのは初めて。野生イノシシの捕獲を強化する必要がある一方で、捕獲でウイルス拡散の恐れがあることから、狩猟者に防疫の手法を徹底する。
手引では、これまで農水省がイノシシ捕獲に関して通知していた文言や特定家畜伝染病防疫指針などを踏まえ、捕獲作業の事前準備から帰宅後の対応までを写真と共に掲載した。
現地に到着し、わなの設置や見回りをする前に手袋や長靴を装着するなど、作業ごとのポイントを解説。手袋は二重に装着し、内側のゴム手袋は洋服の袖口を覆うように着用するなど詳細に注意を呼び掛けた。
防護服や靴底の泥落としに使うブラシなどの持ち物チェックリストも併記している。環境省は「イノシシを捕獲する中で、豚コレラが拡大してしまうことを防ぐため、あらゆる捕獲に関する防疫手法をまとめた。手引を参考に、各地域で必要な防疫対策をしっかり行ってほしい」(野生生物課)と呼び掛ける。
手引は、アフリカ豚コレラが発生した際にも活用できる。
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2019年12月13日
来年度予算 農水2・3兆円台で調整 閣僚折衝で上積みへ
政府は11日、2020年度の農林水産関係予算を、19年度と同水準の2兆3000億円台とする方向で調整に入った。農水省は閣僚折衝で上積みし、総額の前年度超えを目指す。転作助成金に当たる水田活用の直接支払交付金は、当初予算比で165億円減の3050億円の方向。一方、19年度農林水産関係補正予算の総額は5849億円とする方針が固まった。……
2019年12月12日

集送乳調整金5銭上げ 畜酪対策 増頭へ関連事業拡充
政府・自民党は11日、2020年度畜産・酪農対策を決めた。焦点の加工原料乳生産者補給金は、1キロ当たり8円31銭で19年度と同額に据え置き、輸送コストの上昇を受け、集送乳調整金は同5銭上げの2円54銭とした。合計も同5銭増の10円85銭で決着。増頭といった生産基盤の強化などに向け、農畜産業振興機構(ALIC)事業の関連対策も同25億円増の320億6000万円に拡充した。
主に北海道向けの補給金は、加工に仕向けた量に応じて支払う。……
2019年12月12日

基盤強化プログラム 生産拡大へ数値目標
政府は10日、安倍晋三首相をトップとする農林水産業・地域の活力創造本部の会合を開き、輸出向けの産地形成や担い手不足などに対応する「農業生産基盤強化プログラム」を決定した。輸出拡大をにらんだ和牛生産の倍増や水田農業の高収益作物産地500カ所創設などの新たな数値目標を設定。2019年度補正予算や20年度予算に達成に向けた経費を計上するが、万全の財源が確保できるかが問われる。
和牛倍増 加工野菜の需要奪還
安倍首相は会合で「安心で安全な日本の農林水産物が世界に羽ばたくチャンスは今後ますます広がっていく」と強調。輸出拡大や先端技術を活用したスマート農業の推進には「しっかりとした生産基盤が欠かせない」との認識を示した。
江藤拓農相は、同日の閣議後会見で「最重要課題の生産基盤強化を目的に取りまとめた」と説明。現在検討している補正予算を含め「切れ目のない対策を講じていく」との考えを示した。
プログラムは11本の柱で構成。日米貿易協定による牛肉輸出枠の拡大などを念頭に「さらなる輸出拡大」を真っ先に掲げた。来年4月に農水省に輸出の司令塔組織を設置し、輸出拡大に向けた新戦略を定める。
和牛生産は、米国や中国への輸出拡大を見込み18年の14万9000トンから35年に30万トンまで増やす目標を設定。具体策として繁殖雌牛の増頭奨励金や和牛受精卵の利用促進などを打ち出した。
水田農業対策では、輸入品が多い加工・業務用野菜の国産化や輸出向けの果樹栽培を念頭に、主食用米から高収益作物への転換を促し、25年度までに500産地の創出を目指す。高収益作物を導入する産地に水田の基盤整備や機械・施設の導入、販路開拓などを一体的に支援する方針だ。
「中山間地域や中小・家族経営も含め、幅広く生産基盤の強化を図る」とも明記。24年度までに地域資源を活用して中山間地域の所得向上などに取り組む250地区を創出することも盛り込んだ。
他に、加工・業務用野菜の出荷量(直接取引分、18年度は98万トン)を30年度までに145万トンに拡大することや、25年までに担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践することなども目標に据えた。
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2019年12月11日

畜酪対策 補給金単価上げ重視 中小支援が課題 自民
自民党は10日、2020年度の畜産酪農対策の決定に向けて、詰めの議論をした。加工原料乳生産者補給金の単価引き上げに加えて、都府県酪農の抜本的な強化策を求める意見が相次いだ。生産基盤の維持、強化に向けて、中小規模や家族経営への支援を重視。畜産クラスターの要件緩和や営農継続に向けた関連対策の充実を課題に挙げた。
畜産・酪農対策委員会(赤澤亮正委員長)の他、農林合同会議でも議論を重ねた。
補給金は、集送乳経費を支援する集送乳調整金と合わせ、19年度は1キロ当たり計10円80銭。北海道選出の議員らは再生産の確保に向けて、流通コストの高騰などを考慮し、相次いで単価の引き上げを求めた。
関連対策を巡っては、畜産クラスター事業の要件緩和や、家畜ふん尿処理対策、労働力確保に向けた酪農ヘルパー確保など課題は多い。政府は畜産・酪農の基盤強化に向け、繁殖雌牛や乳用後継牛への「増頭奨励金」の交付など、増頭・増産を柱に掲げている。
葉梨康弘氏は、畜産クラスター事業などの支援策について、「増頭できる家族経営ばかりじゃなくなっている」と指摘。規模拡大を目指す農家だけでなく、柔軟な要件にするよう求めた。
生産量減少が進む都府県酪農では、大規模化が難しい中小経営の基盤維持が課題。簗和生氏は「現状維持でも継続できるよう支援するというメッセージが生産回復の一歩だ」と訴えた。
坂本哲志氏は、後継牛やヘルパーの確保、ふん尿処理などを個別に解決しても効果は限定的と指摘。「総合パッケージ型の酪農対策をやらないといけない」と提起した。
ブランド和牛生産の実態を踏まえ、小寺裕雄氏は「規模拡大ばかりに向かわず、現状を維持する経営にも手を差し伸べる施策を充実してもらいたい」と訴えた。
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2019年12月11日

事業協同組合 各地で設立へ 農業、飲食店、介護業…人口急減地域に働き手 若者定住受け皿に
過疎地や離島など人口が急減する地域のさまざまな職場や作業場に、事業協同組合が若者を“人材供給”できる新法が成立した。集落営農組織、飲食店、介護業者、農家など、若者は組合に出資した多様な組織や個人事業主に出向いて通年雇用され、行政が運営費を補助する。新法の活用では若者がやりがいを持って働ける環境づくりや地域内の連携が鍵になる。
複数の仕事通年で提供
新たな法律は「特定地域づくり事業推進法」。先の臨時国会で11月27日に成立した。都道府県知事が認定し、人口が急減している各地域に、特定地域づくり事業協同組合を設立するものだ。
組合は、地域の四つ以上の会社や個人事業主などが出資して発足。出資できる組織は資本金や従業員数などの上限がある。同組合では社会保障や給与を保障して若者らを通年雇用し、基本的に出資先の組織や個人事業主に人材を供給する。
総務省によると、山間部の一つの中小企業で雇用を1年間継続するのは難しくても、地域の企業や個人が連携し同組合を設立すれば人材を確保できる。同省は「夏場だけ忙しい農業、冬場だけ忙しいスキー場など、年間の需要の変動を、組合でうまく調整すれば年間通じた仕事が確保できる」と説明する。
政府・与党は組合運営費の2分の1を基本的に公費から支援する方針だが、特別交付税措置も含めて国がそのうちの4分の3を財政支援をする見通し。来年6月の施行までに同省が詳細を決める。
組合が雇用する従業員は若者を想定するが、法律には年齢制限を明記していない。厚生労働省の労働局に労働者派遣の届け出をして、各職場に出向くことになる。
JAの場合、資本金や従業員数の上限があるため、事業協同組合に出資できない組織が多い見通し。ただ、同組合の事務局になり地域の連携を後押しするなど、関わる手立ては多い。事務局は公務員やNPOなど多様な主体を想定する。
環境づくり話し合いを
同法に、既に大きな関心を示す地域もある。農山村に移住したい若者はいても、安定した仕事の確保が移住や定住の壁の一つ。同法の運用次第では若者の定住対策も見込める。今後は、雇用される若者がやりがいを持って出向く環境づくりが問われる。
島根県邑南町の石橋良治町長は「田舎で豊かに暮らしたい若者の活躍の場を作りたくても、難しい面があった。地域にも若者にも貴重な法となり得る。受け入れる側の責任が問われる法律」と認識する。今後は地域で時間をかけて話し合い、出資をしてもらう会社や組織を募り、若者を受け入れる考えだ。
子育て支援に力を入れる新潟県出雲崎町も関心を示す。小林則幸町長は「若い人を呼び込める起爆剤としたい」と強調する。一方、西日本のある県は「労働の穴埋めという考えではうまく機能しない。人手不足だからと安易に組合発足を(自治体に)促さず、話し合っていく」とする。
地域の“宝”呼び込む
法律の作成を主導した人口急減地域対策議員連盟会長、細田博之衆院議員の話
かつては田舎には仕事がなく都会に若者が向かっていた。しかし、働く環境や子育てする環境などを見ると、現代は都会が過疎地域に比べて豊かとは決して言えなくなった。ただ、農村に住みたい若者はたくさんいても仕事の確保が課題だ。
一方、農村では、農業や林業、雪かき、介護、草刈りなど仕事はたくさんあり、人手不足に悩む。ただ、何か専業では食べていけなかったり、一つの企業で雇用は難しかったりと課題がある。
新法はこの二つの課題を結びつけるもの。雇用保険や年金など社会保障も確保して通年雇用し、多業で働いてもらう。
法律に「派遣」との言葉があるので都会の派遣業のイメージを持つ人もいるが、全く異なる。来て働く若者は地域の宝。新法は地域の中核となる人材を安定雇用するものだ。派遣というより、人材供給と捉えてほしい。
国は財政支援をする。ただ、まずはJAや地域の中小企業などみんなで将来の地域の在り方も含めて話し合ってほしい。山間地の集落営農組織に活用してもらいたい。
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2019年12月11日

アフリカ豚コレラ 予防的殺処分 迅速に 議員立法も視野 通常国会で先行改正
政府・与党が1月召集の通常国会の冒頭で、アフリカ豚コレラ(ASF)を予防的殺処分の対象とするため部分的な法改正を検討していることが9日、分かった。同国会で家畜伝染病予防法全般の改正を予定しているが、同病の国内侵入に早急に備えるため、この部分だけを先行する。与党は通常より手続きを早められる議員立法を念頭に野党とも調整する。
通常国会は来年1月に召集されるが、2019年度補正予算案や20年度当初予算案の審議を優先し、家伝法を含む一般の法案の審議は4月以降となる見通しだ。
だが、アフリカ豚コレラはアジア各国で発生が拡大し、国内侵入の危険性が高まっている。「予防的殺処分に関する条文だけでも、一刻も早く改正しなければならない」(自民党農林幹部)と判断した。
アフリカ豚コレラは伝染力や致死率が高いが、有効なワクチンが存在しない。このため政府・与党はこの通常国会で家伝法を改正し、一定地域内で、感染していない家畜も含めて殺処分する「予防的殺処分」の対象にする方針を固めている。現行法では、口蹄疫だけがその対象だ。
一方、政府・与党が予定する家伝法改正には、豚コレラ(CSF)対策の強化のため、①国の関与の強化②野生動物対策の法定化③検疫担当職員の権限強化──なども含まれる。政府・与党は、このうちアフリカ豚コレラの予防的殺処分に関する条文だけを先行改正し、補正・当初予算などの成立後、残る部分も改正する方針だ。
法改正について政府・与党は「委員長提案」による議員立法を念頭に置く。事前の与野党合意を前提に、衆参委員会での審議を省略し、手続きを迅速化できる手法だ。豚コレラやアフリカ豚コレラ対策を巡っては、野党も独自に家伝法の改正を検討している。別の自民党農林幹部は、予防的殺処分については与野党で一致できるとみて「今後、野党にも協力を呼び掛けたい」とする。
59カ国・地域で確認 水際に警戒感
アフリカ豚コレラは2005年以降、世界で59の国と地域で発生が確認されている(11月10日現在、農水省調べ)。国際獣疫事務局(OIE)の報告によると、発生件数は飼養豚と野生のイノシシを合わせ、少なくとも3万件を超える。日本では、飛行機で来日した外国人が持ち込もうとした肉製品から、ウイルスの遺伝子が検出された例はこの1年間で80件を超え、水際での警戒が強まっている。
アジアでは18年8月に中国で感染が確認されて以来、11の国と地域に拡大した。OIEには12月8日時点で、豚の飼養施設と野生イノシシの発生を合わせて約6500件の報告があった。直近では韓国で9月中旬に拡大。飼養豚は10月上旬で発生は止まっているが、12月に入っても野生イノシシでの発見が続いている状況だ。
アジアから日本への航空便では、旅客の持っていた肉製品からアフリカ豚コレラのウイルス遺伝子が見つかる事例が増加している。当初、摘発が多かった中国やベトナムの他、ラオスやカンボジア、フィリピンから持ち込もうとした例も出てきた。
欧州では今年、スロバキアやセルビアで新たに感染を確認した。野生のイノシシでは11月だけでもポーランドやベルギー、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアで陽性の報告があった。ロシアでは12月にも野生イノシシで陽性が出た。
アフリカ豚コレラは、国内で発生している豚コレラと症状が似ているが、全く別のウイルスによって感染する豚やイノシシの病気。有効なワクチンがなく、発生した場合は早期の殺処分による封じ込めしか対処法がない。
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2019年12月10日
温暖化で植物適地移動 VoCCで分析 果樹転換参考に 長野県など研究
地球温暖化が現在のペースで進むと、国内の高山帯に生息する野生動植物は、21世紀末に生息適地がなくなる可能性がある──。長野県環境保全研究所などでつくる研究グループが発表した。全国1キロ四方ごとに温暖化の影響を推計したのは初めて。影響は市町村ごとに閲覧できるようにし、農業分野では作物転換の検討に使ってもらう。
推計には、気候変動速度(VoCC)という指標を用いた。現在のペースで温暖化が進むと、VoCCの全国平均は1年当たり249メートルとなる。樹木の移動は、最大で同40メートルといわれており、気候変動に追い付けない。これは、身近な自然が将来、緯度の高い所や標高の高い所でしか見られなくなるということを示唆する。
都道府県ごとに影響を見ると、沖縄が同2174・3メートルで、最も速度が速かった。次いで千葉、長崎となった。自治体ごとの影響は、環境省のホームページ内で確認できるよう準備を進めている。
農業分野では、将来の地域の気候がどの地域と同じになるのか判断でき、転換する品目・品種や転換のスケジュールの検討で参考になる。同研究所の高野宏平研究員は「果樹などの永年作物は栽培や転換に時間がかかる。苗木の準備計画に役立ててもらいたい」と話す。
<ことば> VoCC
ある地点で気候が変化した場合、将来同じ気温になる場所の最短距離を、変化した時間で割った速度のこと。例えば、年平均気温15度の場所が100年間で100キロ北上したら、VoCCは1年当たり1キロとなる。
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2019年12月10日