台風19号 イチゴ施設のみ込む 栃木県佐野市

水没したハウス。一面農地だったが秋山川の堤防の決壊で全て濁流にのみ込まれた(13日、栃木県佐野市で=釜江紗英写す)

 台風19号の通過による記録的な大雨で、13日にかけ長野県などを流れる千曲川や、東京都などを流れる多摩川などが氾濫し、流域で浸水被害が相次いだ。田畑の冠水やハウスが損壊するなど農業関係の被害も出ている。

 栃木県佐野市では秋山川が氾濫し、同市大橋町付近などで堤防が決壊。周辺に濁流が押し寄せた。決壊した堤防から南に約2キロ離れた同市船津川町一帯が水に漬かった。周囲にはイチゴ栽培のビニールハウスや水田、住宅などがあった。

 15年前から同町で20アールの農地にハウス12棟を建てイチゴ「とちおとめ」を栽培する岡田憲一さん(63)は13日朝、太ももの高さまで水に漬かったハウスを見てぼうぜんとした。「昨日(12日)夜はハウス近くを車が走っていた。まさかこんなことになるとは」と嘆く。

 苗の定植を終えクリスマスに合わせて収穫予定だった。生育は順調だったが、台風で先行きが見えなくなった。栽培を再開するにも「水が引くまでハウス内を見ることもできない。営農再開はいつできるだろうか」と声を振り絞るように話す。

 秋山川の氾濫は、JA佐野の子会社、佐野観光農園が運営するイチゴ狩り農園にも被害を及ぼした。1・5ヘクタールに49棟のイチゴ栽培用ハウスが並ぶ。秋山川からは東に500メートル離れているが、13日朝に出勤した職員によると、くるぶしの高さまで水に漬かったという。

 ハウスに茶色い水が入り込み、畝を崩していた。ハウスでは「とちおとめ」「スカイベリー」の苗定植が終わり、12月の開園に向け準備を進めていた。同農園農場長の関哲夫さん(52)は「経験したことのない大雨。早く水を抜いて、畝を再建しないといけない」と話した。
 

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