県産米の魅力PR アイドルとコラボ 全農ひろしま
2019年11月14日

STU48メンバーがPRする県産米「恋の予感」(広島市で)
【広島・全農】JA全農ひろしまは、瀬戸内エリアの7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と広島県産米「恋の予感」のコラボレーションオリジナルパッケージを数量限定で販売している。秋元康氏がプロデュースする地元アイドルとのコラボで、県産米の認知度の向上、消費拡大を狙う。
2019年産米を使い、STU48メンバーをプリントした4・8キロ入り袋と1キロ入り袋を販売。今月上旬には広島市で開かれたSTU48のイベントで30袋限定で販売し、すぐに完売した。商品を購入したファンは「一人暮らしで、今まで米を自分で買う機会が少なかった。STU48とのパッケージなので買った」と話した。
全農ひろしま米穀販売課は「16年に品種登録された恋の予感を広く知ってもらい、瀬戸内エリアを中心とした販売の拡大や生産振興につなげたい」と期待する。
2019年産米を使い、STU48メンバーをプリントした4・8キロ入り袋と1キロ入り袋を販売。今月上旬には広島市で開かれたSTU48のイベントで30袋限定で販売し、すぐに完売した。商品を購入したファンは「一人暮らしで、今まで米を自分で買う機会が少なかった。STU48とのパッケージなので買った」と話した。
全農ひろしま米穀販売課は「16年に品種登録された恋の予感を広く知ってもらい、瀬戸内エリアを中心とした販売の拡大や生産振興につなげたい」と期待する。
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傷あっても味は抜群 イオン300店応援セール
イオンリテールは13日から、全国の「イオン」「イオンリテール」約300店舗で、今秋の台風で被災した地域の農産物を販売する応援セールを始めた。15日までの3日間、台風被害のあった長野産、岩手産リンゴを中心に、各地の特産品を販売する。「傷など外観はわけありでも、味は抜群」とPRし、消費拡大につなげる。
消費者が買って応援できる「がんばろう 生産地応援セール」と題し、被災地などの農産物を販売。イオン新浦安店(千葉県浦安市)では、傷などがある各地の「理由(わけ)ありリンゴ」が並んだ。
長野産サンふじ1袋(1・2キロ)537円、「ぐんま名月」同645円、岩手産サンふじ(4個入り)429円で販売している。千葉産のレモンやキャベツなども扱う。リンゴを試食した60代女性は「傷はあるが、実際に食べてみるとおいしかった」と購入していた。
リンゴ産地のJA全農長野生産販売部の長谷川孝治専任部長は「傷みがあり市場では売れない商品を提供できる。生産者にとってありがたい」と話す。イベントを主催するイオンリテール農産商品部の石井友和統括マネジャーは「生産地応援として、多くの農産物を販売していきたい」と意気込む。
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2019年12月14日
世界の都市農業事情 経済より共感と協働 農業ジャーナリスト 小谷あゆみ氏
ニューヨーク、ロンドン、ソウル、ジャカルタ、トロントの5都市が参加した「世界都市農業サミット」が、東京・練馬区で開かれ、先進事例から都市農業の未来までが熱く語られました。
ニューヨーク市では、550のコミュニティ農園(40ヘクタール)に2万人のボランティアが関わり、低所得者層の多い公営住宅では、農園管理を若者の職業訓練につなげて成果を上げています。屋上菜園も盛んで、NY産野菜はブランドになっています。
ロンドンでは、2012オリンピックを前に2012の市民農園が作られ、今では3000を超えています。ジャカルタでは、路地を活用した垂直農業で、人口密集地の食を支えていました。
どの都市にも共通していたのは、「コミュニティ農園」という切り口です。住民が生産と消費の両方に関わることで、絆や意欲が強まり、貧困、心身の不健康、教育、雇用など、あらゆる格差の解消につなげています。行政やNPOも大きく関わっていました。
参加して感じたのは、なぜ世界中の都市はこんなにも「農」を求めるのか、という驚きと、もしかしたら今の「農業の多面的機能」という認識では表現しきれないのではないか、という農の可能性です。
練馬区は、練馬方式と呼ばれる体験農園や、大根引っこ抜き大会、農の学校や農のサポーターで、住民が農業を支えています。中でも、子ども食堂の野菜を体験農園と連携して作る仕組みは包括的で、全国展開を期待したいものでした。
各国でCSA(地域コミュニティの買い支え)が見直されている通り、近隣住民は、野菜を買う客であるだけでなく、一緒に考え、農地を活用する仲間なのです。
2015年に都市農業振興基本法が制定されましたが、世界の事例と比べると、国内の都市農業は、その使い道を、農家の判断に任せてきたように思えます。今こそ、JAが本領を発揮するときです。行政とも力を合わせ、都市の農地を街の資産として運用すれば、シビックプライド(街への愛着)も築けます。
作る人と買う人という経済の関係から、次の段階にあるのは、地域にある農業を、自分のこととして育んでいく「共感」と「協働」ではないでしょうか。
都市における農を教育の場、理解や心を養う場と考えれば、それは本格農業や農的な暮らしへの玄関口、出発点になります。都市に農があってよかったと、地方にも歓迎される発信拠点になれるはずです。
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2019年12月10日

イノシシ捕獲に手引 環境、農水省 ウイルス拡散を防止
環境省と農水省は、豚コレラ(CSF)、アフリカ豚コレラ(ASF)対策として野生イノシシの捕獲に関する防疫措置の手引を作成した。国がイノシシ捕獲の手引を作成するのは初めて。野生イノシシの捕獲を強化する必要がある一方で、捕獲でウイルス拡散の恐れがあることから、狩猟者に防疫の手法を徹底する。
手引では、これまで農水省がイノシシ捕獲に関して通知していた文言や特定家畜伝染病防疫指針などを踏まえ、捕獲作業の事前準備から帰宅後の対応までを写真と共に掲載した。
現地に到着し、わなの設置や見回りをする前に手袋や長靴を装着するなど、作業ごとのポイントを解説。手袋は二重に装着し、内側のゴム手袋は洋服の袖口を覆うように着用するなど詳細に注意を呼び掛けた。
防護服や靴底の泥落としに使うブラシなどの持ち物チェックリストも併記している。環境省は「イノシシを捕獲する中で、豚コレラが拡大してしまうことを防ぐため、あらゆる捕獲に関する防疫手法をまとめた。手引を参考に、各地域で必要な防疫対策をしっかり行ってほしい」(野生生物課)と呼び掛ける。
手引は、アフリカ豚コレラが発生した際にも活用できる。
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2019年12月13日
笑顔がはじけた
笑顔がはじけた。そして誇らしい。きのうの〈桜の戦士〉凱旋(がいせん)パレードは、多くの人の祝福と共にあった▼まず印象的だったのは、〈ぐーくん〉こと韓国出身の具智元選手の全身から伝わる喜び。大仕事を終えた充実感だろう。巨漢を生かしスクラムの最前線で戦い、強豪チームを相手に一歩も引かない。日本代表は外国人が半分近い。日韓関係が最悪の中で、具選手への温かな拍手と声援に、スポーツを通した友好復活の芽を見た▼ラグビーは体の大きさもさまざま。多様性こそこの競技の素晴らしさの一つ。小柄なだけに逆に目立ったのが、スクラムハーフを担った田中史朗と流大の2選手。攻守逆転を何度も演じ、ベスト8につながる。共に166センチと一般人と変わらない体格だが、パスの達人で敬称の〈小さな巨人〉に納得する▼感極まったのは、やはりリーチ・マイケル主将の勇姿である。ピンチを何度も救った切れ味鋭いタックルに多くの勇気をもらう。高速ウイングで〈ダブル・フェラーリ〉の異名を持つ福岡堅樹と松島幸太朗の両選手は華やかそのもの。俊足は“チータ”に例えられる▼合言葉はワンチーム。先日の会見で中家徹JA全中会長も連帯や多様性など「協同組合にも通じるものがある」と。〈桜の戦士〉よ、感動をありがとう。
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2019年12月12日
師走も半ばになるとそわそわとし出すが、追い詰められないと筆が進まない
師走も半ばになるとそわそわとし出すが、追い詰められないと筆が進まない▼毎年恒例の年賀状である。日頃会えない旧友、お世話になった恩人への新年のあいさつだから、印刷文字だけでなく、何か一言書き加えたい。その作業に結構手間がかかる。最近は高齢を理由に「今年限り」を伝える「終活年賀状」が増えているという。絶縁状にしないためのポイントを本紙「くらし」面が紹介していた。皆に出したことを明記することが肝心だと▼長寿社会である。失礼にならないように元旦に届く期限日ぎりぎりまで賀状を出すのを控える人も増えたと聞く。当方に届く喪中はがきも80、90代がめっきり多くなった。それぞれの精いっぱいに生きた人生と大切な人を失った家族の悲しみを思う▼アフガニスタンで灌漑(かんがい)や農業指導に尽力しながら同国東部で殺害された医師中村哲さん(73)の遺体が帰国し、故郷福岡で告別式があった。深刻な干ばつと紛争で荒れた大地に井戸を掘り、命の水を引いた。「私たちの事業は確かに、水や食糧、最低限の医療という、単純に『生きるための戦い』である」(『医者井戸を掘る』)。その地道な取り組みが、すさんだ人々の心に信頼の種をまいた▼〈緑の大地計画〉は、きっと根付くだろう。せめてそう思いたい。
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2019年12月15日
JAの新着記事

食ロス減 買って貢献 都市住民向け全農マルシェ
JA全農は14日、規格外品や直売所の売れ残りなどの食品ロス削減へ、東京都江東区のマンションでマルシェを開いた。会場となったマンションでは3回目の取り組み。農産物は福島県郡山市にあるJA全農福島の直売所「愛情館」から運び、エントランスにはオープン前から住民らが列を作った。
マルシェに協力する三井不動産レジデンシャルのマンションで行った。当日はハクサイ、シイタケなど農産物10品を箱に並べた。「傷があるなどで、選別規格外」「大きさが不ぞろい」など、「訳あり」の理由をPOP(店内広告)で紹介。リンゴを購入した居住者は「試食させてもらったら、訳ありとは思えないほどおいしかった」と話した。
全農は、余剰食品を販売し食品ロス削減を目指す通販サイト「tabeloop(たべるーぷ)」などを運営するバリュードライバーズと連携し、都内で同様のマルシェを開いている。
バリュードライバーズの山本和真副社長は「マルシェでは、どんな人がどういう思いで作っているかなどのストーリーも届けたい」と話す。
全農営業開発部青果営業課の結城誠課長代理は「物流費など課題はあるが、市場に出せなくても実はおいしいものなどを少しでも多く食べてほしい」と取り組みの広がりに期待する。
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2019年12月15日

農業に遊び心注入 どやっ! JA鳥取西部青壮年部
JA鳥取西部青壮年部中山支部は、果樹の防除などに使うスピードスプレヤー(SS)を、3週間かけてカラフルなアート作品に仕上げた。部員らが協力してデザインから色付けまでを手掛けた作品は、鳥取県大山町のJA中山支所に展示されている。
SSの所有者でデザインなどを担当した同支部の鹿島竜太郎さん(35)は「小さい頃から見てきたなじみの機械。農業に遊び心を加えることでもっと楽しめるのではないかと思った。展示後もこのSSで作業したい」と話した。
同支部の林原正之部会長は「何か新しいことにチャレンジしたいと思った。農業の持つ自由さや多様性、魅力などを感じてほしい」と話した。作品はJA青年組織手づくり看板コンクールのアート部門にも出品。1月ごろまで展示する予定だ。
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2019年12月14日
全厚連 県段階支援で仕組み 経営早期改善へ
JA全厚連は、収支悪化が懸念される都道県郡厚生連の経営を早期に改善する仕組みを新たにつくり、支援強化に乗り出す。人口減などで経営悪化の厚生連が増える中、支援対象の基準を広げる。全厚連経営管理委員会会長が、収支が悪化する厚生連の会長に提言する仕組みを新設し、早期に警鐘を鳴らす。地域医療を提供し続けられる体制を整える。2020年度から実施する予定だ。……
2019年12月13日

農業、仲間…動画に魅力凝縮 JA栃木青年部連盟が作成
JA栃木青年部連盟は、農業や青年部の魅力をおよそ1分間にまとめたPR動画を作成した。動画で自然や家族、部員への感謝や尊敬の気持ちを表すとともに、JA栃木青年部連盟の知名度を上げることが狙いだ。
動画は動画投稿サイト「ユーチューブ」のJA栃木青年部連盟公式チャンネル、インターネット交流サイト(SNS)の公式フェイスブックで公開している他、JAグループ栃木のホームページでも公開する予定だ。
「プロフェッショナル~俺たちJA栃木青年部連盟~」のタイトルで、JA栃木青年部連盟の役員14人が全員出演。一人一人が手作りのスケッチブックを使って農業の魅力や青年部活動への思いを伝えている。
撮影に当たっては、収穫期の農地や自慢の農機具をバックに、家族や家畜と共に出演するなど、工夫を凝らした。
自身も出演した船山和洋委員長は「動画を作る中で、連盟役員の新たな一面を見ることができた。われわれの思いが詰まった見応えのある動画になっているので、ぜひたくさんの人に見てもらいたい」と太鼓判を押す。
JA全国青年協議会では、その視覚的効果から動画を用いたPRを推進しており、同連盟も継続して作成し、県内の各JA青(壮)年部段階でも作っていく考えだ。
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2019年12月13日

「ごはん・お米とわたし」内閣総理大臣賞 作文・長町さん(香川) 図画・清和さん(静岡)
JA全中は9日、第44回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールの審査結果を発表した。最優秀賞の内閣総理大臣賞には、作文部門で香川県の長町そよかさん(高松市立栗林小6年)の「広がれ! お米の可能性」、図画部門で静岡県の清和羽音さん(長泉町立北中3年)の「おむすびは勉強のおとも」を選んだ。
文部科学・農水大臣賞に計12人、全中会長賞に6人を選んだ。受賞者は次の通り。
◇作文部門▽文科大臣賞=青木舞桂(山形県米沢市立北部小3年)山口哲平(茨城県小美玉市立羽鳥小6年)辻紗季(福井市足羽中3年)▽農水大臣賞=桂木花音(さいたま市立大谷場小3年)園部杏莉(山形県庄内町立余目第三小6年)大貫桜和(神奈川県厚木市立相川中1年)▽全中会長賞=小濱啓太(沖縄県石垣市立登野城小3年)野元理彩(長崎県壱岐市立霞翠小4年)麦倉惟月(栃木県宇都宮短期大学付属中1年)
◇図画部門▽文科大臣賞=今鹿倉由羽(大阪府堺市立野田小3年)菊永優介(同市立東百舌鳥小5年)皆川泉(宮城県涌谷町立涌谷中2年)▽農水大臣賞=川原田すみれ(佐賀県小城市立桜岡小2年)石松祐(松江市立乃木小6年)荒木音羽(佐賀県伊万里市立国見中2年)▽全中会長賞=右近敏明(高松市立古高松小2年)白浜早也花(佐賀市立鍋島小5年)桝本陸斗(広島市立井口台中1年)
コンクールは「みんなのよい食プロジェクト」の一環。子どもに農業の学びを深めてもらい、ご飯や米の重要性を周知する。全国の小中学生から、作文5万660点と図画6万767点の応募があった。
表彰式は2020年1月11日に東京・大手町のJAビルで開く。
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2019年12月10日

渋野プロ地場産で応援 JAグループ岡山
JAグループ岡山は6日、岡山市で岡山県出身のプロゴルファー・渋野日向子選手に、同県産米「きぬむすめ」120キロと県産農産物を贈呈した。今年8月にAIG全英女子オープンで優勝し、日本人42年ぶりのメジャー制覇を成し遂げた渋野選手の快挙を祝い、来シーズンの一層の活躍を応援した。
「きぬむすめ」は、JAグループ岡山が新たなブランド米として生産拡大する瀬戸内海のカキ殻を使った資材で栽培する「里海米」。この他、県産ブドウ「紫苑」2房と、梨「愛宕」2玉、黄ニラ10束、ナス「千両」2キロなどを贈った。
渋野選手の父親は、JA岡山の正組合員で実家に畑があり、渋野選手は小さい頃から農作業を手伝っていたという。渋野さんは「農業には親近感がある。これからも、岡山の米や農産物を元気にモリモリ食べて、頑張りたい」と笑顔を見せた。
JA岡山中央会の青江伯夫会長は「岡山県人に勇気をくれたことに感謝したい。JAグループ岡山で、おいしいお米や野菜を作り、食べてもらい、さらに、パワーアップしてほしい」とエールを送った。
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2019年12月07日

[岡山・JA岡山西移動編集局] 受託田の水管理住民がサポート
JA岡山西は、JAの作業受託組織を住民が支援する「稲作りサポーター」制度を導入し、JAと地域住民で農地を守る体制を整えた。条件不利地や飛び地などの農地は受託が難しいが、日常的に必要な水管理をサポーターが担うことで、受託能力を高める。2019年は7人が、サポーターとして約5ヘクタール分の管理を担う。
サポーター制度を取り入れたのはJAの子会社として13年に設立した岡山西アグリサポート。19年度は水稲24ヘクタール、タマネギ1ヘクタールを栽培する。
倉敷市を中心に農地中間管理機構(農地バンク)を通じて、高齢で農作業が難しい生産者らから農地を預かるが、受託地は170カ所に分散され、面積拡大にも限界が出ていた。対策として16年から、地元農家から「稲作りサポーター」を募集。水管理の委託を始めた。
赤木稔さん(76)は、同市で水稲80アールを栽培しながらサポーターとして80アールの水管理を請け負う。6月の田植え時期が最も忙しく、地区によってはポンプで水路から水をくみ上げる水田も多く、機械を運搬するため体力もいる。赤木さんは「耕作放棄地を見るのは残念。みんなで助け合い農地を守りたい。体力が続く限り稲作りサポーターを続ける」と話す。
同社の阿部晃治生産部長は「サポーターのおかげでよく水管理ができ、草も生えにくいため、米の品質が上がった。協力して地域農業を守っていきたい」と頼りにする。
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2019年12月07日

[岡山・JA岡山西移動編集局] 就農者にバイト紹介 未収益期間の収入確保
岡山県のJA岡山西は、果樹の新規就農者に、JA施設のアルバイトを紹介し、未収益期間の収入確保につなげている。農作業の合間に勤められるよう、希望に応じて日数や時間を柔軟に対応。年間を通して新規就農者が働ける環境を整え、経営が軌道に乗るまでをサポートする。仕事を通じて新規就農者同士や住民、JA若手職員と交流もでき、喜ばれている。
「桃ができるまでの収入が一番不安。農業を理解し、自由に働かせてもらい助かる」。倉敷市のJAの加工場でタケノコ加工に従事する畑祐貴さん(33)は感謝する。2年間の研修を経て、総社市で11月に就農した。借りた30アールに桃「清水白桃」を定植し、放棄地1・7ヘクタールも開墾中だ。3年後の収穫までの収入が不安材料で、JAに相談したところ、仕事を紹介された。
加工場で働くのは週3日ほど。基本は午前9時~午後5時だが、農作業が忙しいときは午前中で終えるときもある。農作業の傍ら、自由な働き方ができることが利点だ。
JAではこの10年、国や県の事業を活用して新規就農者が増加。今では畑さんと同じ、新規就農者約10人が4、5、11、12月のタケノコ加工、6~9月の桃選果、9~12月のライスセンターなどJA施設で働く。他の期間では、春と夏に同じ果樹生産者の作業を手伝い、技術を学ぶ。
JA営農部の安井健次長は「JAも人手の確保につながり助かっている。若手職員と親交も深まり、融資などの相談もしやすくなる」と話す。
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2019年12月07日

[岡山・JA岡山西移動編集局] 冬まで高品質桃 10品種で長期リレー 労力分散贈答品に
JA岡山西吉備路もも出荷組合は、10品種の桃をリレー形式で長期間出荷し、ブランドを築いている。6月中旬から12月上旬までの長期出荷は全国的に珍しい。中元や歳暮の贈答需要に対応した所得安定や、労力分散を図っている。現在は、高糖度で日持ちが良いJA独自ブランド「冬桃がたり」を出荷。シーズン最後に高品質桃を出荷し、消費を取り込み、来季の販売につなげる。
同組合は、6月中旬の極早生品種「はなよめ」を皮切りに、12月上旬まで「冬桃がたり」を出荷する。
近年、力を入れているのが、シーズン終盤の「冬桃がたり」の生産、販売だ。極晩生種で、1玉約250グラム、平均糖度は15以上。品質や日持ちの良さから、歳暮やクリスマスの贈答需要が強い。卸売価格は、夏に出荷する主力「清水白桃」の2倍以上。今季は11月20日から出荷を始め、12月10日ごろまでを計画する。
「冬桃がたり」は2011年に栽培を始め、組合員94人のうち今は35人が1ヘクタールで生産している。生産量は増え、19年産は前年比4割増の3・5トン、販売額は5割増の1000万円を計画する。
栽培管理は4~11月まで8カ月を要する。一般的な剪定(せんてい)は夏と冬の2回だが、「冬桃がたり」は、夏も果実が樹上にあるため、冬の1回で作業を終わらせる必要がある。剪定場所の判断が重要で、組合内で研究を重ねている。収穫から出荷までは、室温7度に設定したJAの予冷庫で貯蔵。温度変化を抑え、品質を保持する。
1ヘクタールで10品種を栽培する組合長の板敷隆史さん(46)は「労力が分散され、安定収入につながる。増産して需要に応えたい」と意気込む。
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2019年12月06日

マルシェで復興PR 台風被害のかんきつ販売 千葉・JA安房
千葉県の館山市、鴨川市、南房総市、鋸南町を管内に持つJA安房は5日、東京・大手町のJAビルで、台風や大雨の被害を受けながらも頑張る農家を応援するため「安房みかん復興支援マルシェ」を開いた。同県の支援を受け、JAグループも協力。打撃を受けた産地の農産物をPRして、復興を後押しした。
台風の影響で傷ついたミカン17ケース(1ケース10キロ)やレモン400個、ユズ300個を用意。管内の生産者やJA職員が産地の情報を説明しながら販売した。被災した園地の現状や復興の取り組み、農産物の魅力を伝える動画を消費者が見ながら農産物を購入。用意したミカンなどは、販売開始から約2時間で完売した。
南房総市のミカン農家、井上栄一さん(70)は「応援を受けると、また頑張ろうという気持ちになる」と農産物や地域の魅力を消費者に話した。
JA管内は9、10月と相次ぐ台風と大雨の影響でハウスが倒壊し、果樹の落下や倒木など、大きな被害を受けた。JA調べでは、管内の農業施設や農産物の被害額は約50億円(11月30日現在)。
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2019年12月06日