ベルリン農相会合 食料安保へ宣言採択 中小農家支援を明記

 【ベルリン吉田朋記】世界各国・地域の農相らが集まるベルリン農相会合が18日、当地で開かれ、世界の食料安全保障の確立に向けて、貿易の促進や農業生産基盤の強化、小規模農家らへの支援などを盛り込んだ共同宣言を採択した。情報通信技術(ICT)を活用した農業分野の技術革新や、アフリカ豚コレラ(ASF)といった家畜疾病を制御するために、情報の共有を進めることも確認した。
 
 同会合は、ドイツ政府主催で2009年以降、毎年開いている。今回のテーマは「全ての人のための食料」。江藤拓農相ら71の国・地域の農相や政府幹部、12の国際組織の代表が出席した。

 江藤農相は会合で、世界の人口が増える中、飢餓などに対応するには「生産基盤を強化し、農業者の所得を増大する必要性」を提起した。日本政府によると、出席者から江藤農相の発言に賛同する意見が出たという。

 自然災害や家畜疾病など、農家を取り巻くリスク管理についても意見交換した。江藤農相は、昨年の台風被害を受けた農家への日本政府の支援を説明。アフリカ豚コレラなどの対策に向けて、国際協力を呼び掛けた。

 会合後の記者会見で、江藤農相は「農家の収入を増やすことが持続可能性につながる」と強調。規模を問わず農家を支援する考えを改めて示した。

 農相会合の共同宣言は、食料安全保障の確保に向け「気候変動が世界中で収量の損失と生産の低下を引き起こしていることを懸念する」と指摘した。貿易を促し、得た利益を農業開発に活用することも提起した。一方で、貿易促進に当たっては、農業生産基盤の強化、小規模農家や女性農業者への支援などを課題に挙げた。

 農家の経営多角化への支援、リスク管理への対応や情報通信技術(ICT)の利用などを進めていくことも確認した。病害虫や動物疾病の制御に向けた情報・技術を共有するプラットフォーム開発の支援、食品ロスの削減の推進にも取り組むとした。

 世界貿易機関(WTO)の役割を再確認し、カザフスタンで開かれる第12回WTO閣僚会合で、前向きな成果の達成を目指すことで一致した。


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