協同組合統計表 数字基に価値広めよう

 日本協同組合連携機構(JCA)が、日本の協同組合の事業状況をまとめた初の「協同組合統計表」を公表した。組合員は延べ1億人を超え、生活インフラとなる施設も多い。協同組合は国民に身近で必要な組織であることを裏付けている。JAをはじめ協同組合は統計表を生かし、その価値を広く伝えたい。

 統計表は、官公庁や各協同組合の統計資料などを基に集計した。統計資料の整備状況の制約から、対象となる協同組合を農協、森林組合、漁協、生協、労働金庫、信用金庫、信用協同組合の単組や連合会とし、対象期間は2017年度とした。

 それによると、国内の協同組合の組合員数は延べ1億561万人となった。また常勤の役職員数は約58万人。うち約21万人を農協が占め、地域の雇用を生み出している。

 協同組合が生み出す「付加価値額」も初めて算出した。政府は「経済センサス」で、企業の経済活動で新たに生み出された価値の総額(付加価値額)を国内全産業で289兆5355億円とする。売上高から費用総額を差し引くなどして算出する。JCAは同じ条件で協同組合の販売や購買、信用、共済などの各事業の付加価値額を集計、5兆5626億円となった。

 事業規模もまとめた。①協同組合の食料品・生活用品供給高は4兆円②農林水産業の生産資材供給高は2兆円③国内農林漁業産出額の半分超は、協同組合を通じて出荷・販売④国内保障市場での協同組合(共済事業)のシェアは14%⑤国内預貯金額の23%が協同組合に預けられている──といった状況だ。

 地域のインフラでも存在感は大きい。組合員の利用できる施設数は3万5949カ所。一つの小学校区に1・8カ所ある計算だ。購買店舗や直売所などの購買・販売施設が8132カ所、給油所や葬祭センターなど生活関連施設が3671カ所、病院や介護事業所など医療・福祉施設も4438カ所に上る。

 JCAは「協同組合のPRは事例紹介が主だったが、統計表では数字で客観的に存在意義を伝えられる。組合員数や事業規模などで存在感が改めて示せた」(基礎研究部)とみる。

 政府も、新たな「食料・農業・農村基本計画」で、農協系統組織が農村地域の生活のインフラを支えていることを評価し、その役割を引き続き果たすよう求めた。農山村で先行した高齢化と人口減少への対応は、今や日本全体の課題だ。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」が目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に、「一人は万人のために、万人は一人のために」の精神に基づく協同組合の事業・活動は貢献する。

 一人一人の利用の積み重ねが大きな存在感につながった。協同組合の役割発揮が一層求められており、自らの理念や価値、それに基づく事業・活動の認知度を高め、利用拡大につなげることが重要だ。

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