[新型コロナ] 特定技能制度1年 政府想定の1割以下 農業686人 許認可遅れコロナ受難

 法務省出入国在留管理庁は29日、外国人の就労を拡大する新たな在留資格「特定技能」の制度が始まって1年がたった在留外国人数が3987人で、このうち農業分野は686人だったと公表した。ともに政府の当初の受け入れ想定数から1割にも満たず低調に推移。手続きの煩雑さや許認可の遅さ、新型コロナウイルス禍の出入国制限などが響いた。事務手続きの簡素化など課題への対応が急がれる。

 同庁によると、2020年3月末の特定技能在留外国人数は3987人で、最多はベトナムの2316人。次いでインドネシア456人、中国331人、フィリピン235人、ミャンマー216人。技能実習からの移行が3663人と9割以上を占め、試験に合格したのは281人だった。

 分野別では、飲食料品製造業で1402人(35%)と最も多く、次いで農業が686人(17%)だった。政府は制度設計時に、初年度の農業は14分野で最多の7300人と想定していたが1割以下にとどまった。農業は耕種が541人と8割で、畜産は145人だった。

 農業分野は36道府県が受け入れ、茨城70人、北海道67人、熊本66人が目立った。この他、千葉と長崎45人、沖縄39人、栃木33人、愛知28人、福岡27人、群馬と長野が26人と続いた。出入国の手続きや生活をサポートする「登録支援機関」は各地のJAなど4125件だった。

 政府は5年間の累計として、全体で最大34万5150人、農業分野で最大3万6500人の受け入れを想定し、受け入れ元の直接雇用に加え、派遣形態での雇用も認めた。初年度は当初から相手国との調整ができていないことや、書類の煩雑さや許認可の遅れなどで低調に推移。昨年末の時点で同庁は「試験も始まり、加速度的に増える」と見通していた。

 しかし、現在はコロナ禍で日本への来日が難しくなり、試験が中止になっている国が多い。同庁は「特定技能の許可を受けた外国人が来日できるかは見通せず、コロナが終息するまでは、国内にいる技能実習生から特定技能への移行が中心となる」と見ている。
 

<ことば> 特定技能


 2019年4月施行の改正出入国管理法に伴い始まった。人手不足が深刻な農業など14分野で一定の技能や日本語能力基準を満たした外国人が「特定技能1号」として許可されれば、日本で就労できる。通算5年働くことができ、家族の帯同は基本的に認めない。技能実習生とは異なり、同じ分野であれば転職もできる。


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