豪雨 岐阜、長野でも 飛騨川氾濫 九州は被害拡大

土砂の撤去に追われる熊崎さん(8日、岐阜県下呂市で)

 活発な梅雨前線による大雨は西日本から東日本に広がり、8日は岐阜県と長野県でも記録的な豪雨となった。両県には一時、大雨特別警報が出され、岐阜県下呂市では飛騨川が氾濫。水田への土砂の流入など農業被害も出ている。九州でも氾濫や浸水で、農地の冠水被害が広がった。
 

「経験ない雨」農地のむ 岐阜・下呂市


 岐阜県では7、8の両日、飛騨地域を中心に大雨が降った。24時間雨量では下呂市、高山市の4地点で観測史上最多を記録した。

 「70年以上、生きてきて最も強い雨だった」。下呂市羽根地区では飛騨川支流から水や土砂があふれ、家屋と農地をのみ込んだ。熊崎實さん(76)の自宅と水田も被害を受け、8日は土砂の撤去作業に追われた。

 

 熊崎さんによると、7日午後7~9時ごろに集中的に降った大雨で、水路の合流部分に石や流木が詰まり、あふれた。水は膝上に達し、作業場にあった米袋は移して無事だったが、自宅前の稲は土砂をかぶって倒れた。今は中干しの時期。「毎年のように各地で災害があり怖い。どうしようもない」と漏らす。

 さらに上流では、家屋の2階部分まで土砂で埋もれた場所もあった。

 下呂市を管内に持つJAひだでは、道路の通行止めで職員が各支店に行けず、23の支店やAコープ、営農センターなどが営業を休止した。(古田島知則)
 

冠水また… 収穫期直撃 福岡・JAくるめ


 梅雨前線による豪雨被害は九州北部にも広がった。福岡県のJAくるめ管内では、5日から降り続いた雨で多くの農地に冠水被害が発生した。水は8日午後になっても引いていない。水害に遭うのは3年連続で、立て続けの被害に、被災した農家は深く落胆する。

 久留米市のキュウリ農家・八尋義文さん(53)は8日、膝まで水にぬれて冠水したハウスに近づいた。2018年には西日本豪雨に、昨夏も豪雨や台風に見舞われた。だが被害は「今回が一番ひどい」と言う。50アールの畑は全て水に覆われ、被害額は1000万円近くと見積もる。

 無策ではなかった。雨が強まった5日午後、ハウス入り口に土のうを積み、水の侵入を防ごうとした。だが、6日も強い雨が降り、水は想定を上回ってあふれた。ハウスは70センチの高さまで水がたまり、キュウリは株ごと駄目になった。9月まで続くはずだった出荷は諦めるしかない。今後、土壌消毒・土壌診断をして10月に再定植するが、減収は避けられない。

 八尋さんの長男・正伸さん(26)は「就農して4、5年たつが、毎年のように豪雨がある」と嘆く。「作付けの仕方を変える必要がある。周辺のキュウリ農家は梅雨明けの8、9月定植に変えた人も多い」と話す。

 被害は筑後川流域を中心に久留米市の広範囲で起きた。レタス農家の秋山智彦さん(57)は自身の被害は免れたが、「ひどい状況だ」と悲しむ。一帯は、作物が見えなくなるまで冠水したキュウリや電照菊などのハウスが無残に並ぶ。秋山さんは「今が収穫時期だったろうに。本当に心配だ」と仲間を気遣った。(木村隼人)

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