[新型コロナ] PR戦略転換 コロナ禍で大型商談会中止

JA三原がアグリフードエキスポで販促しようと考えていた県産ハッサクなどを使った加工品(広島県尾道市で)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人が集まる国内外の食品展示商談会が相次いで中止となる中、インターネットを活用したオンライン商談会など新たな売り込み方法を模索する動きが活発化してきた。展示会などの中止で、PRの場を失ったJAや食品業者は、“ウィズコロナ”を意識した商品発表や宣伝で販路拡大につなげる。(鈴木薫子)
 

広島・JA三原 駅ナカ販促強化 露出高め巻き返し


 国産農畜産物に特化した展示商談会では国内最大級の「アグリフードエキスポ東京」。15回目となる今年は、11月に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催を予定していたが、中止となった。昨年8月の開催では、全国から700近いJAやメーカーなどが出展し、1万2000人が来場した。

 国内有数のレモン産地の広島県のJA三原は8年前から出展する常連だ。毎年、通販会社など5、6社と契約を結び、加工品や生果の売り上げに貢献した。県産レモンの認知度向上につながった。

 今年も出展予定で、初めて開発したハッサク加工品を売り込もうと考えていたが、商談会が中止となり、PRの場を失った。

 新たなPR方法として今年は、鉄道利用者への宣伝を強化。5月にJR西日本岡山支社と地域振興に関する協定を結んだ。これまで酎ハイ用に同社へ原料供給していたレモンだけでなく、他のかんきつも使った商品開発を共同で進め、駅ナカで販促する。

 コロナ禍で、同JAのかんきつ加工品は土産需要が落ち込み、5月の売り上げが前年同月を4割下回った。

 同JAせとだ直販センターの土井博典所長は「日常生活での露出度を高めて、新規客をつかみたい」と巻き返しを図る。
 

フーデックスジャパン、ジェトロ オンラインで商談


 首都圏では、今年3月のJAグループの商談会や、8万人が来場する食品展示商談会「フーデックスジャパン」などが中止。海外では、輸出向けに日本の業者が多く出展する8月の見本市「香港フードエキスポ」のトレードホールでの商談会も中止が決まった。

 相次ぐ商談会中止を受け、新しい販促方法を模索する動きが広がる。フーデックスジャパンを主催する日本能率協会は6月下旬、動画投稿サイト「YouTube」に専用チャンネルを立ち上げた。出展予定だったメーカーの商品紹介や調理実演などの動画を1カ所に集約する。

 「コロナ禍で、新商品の調達ができていないバイヤーが多い」(同協会)ことを踏まえ、情報をバイヤーに届け、マッチングさせる。

 輸出向けには、日本貿易振興機構(ジェトロ)が、オンライン商談会の開催を強化。6月22~26日には、国内業者とアジアの食品バイヤーをつなぐ「日本農水産物・食品輸出オンライン商談会」を初めて開いた。

 バイヤーは中国やベトナムなど5カ国・地域の9社。国内約200社から申し込みがあり、バイヤーから事前に選ばれた69社が商談に挑んだ。参加企業は、事前にバイヤーに送った商品サンプルについて、テレビ通話で説明。商談は1社40分でジェトロ職員も通訳でサポートする。

 「成約した事例もあった」と同機構食品事業推進課。出向く商談に比べコストや時間も大幅に削減され、好評だった。10月はタイ・バンコクのバイヤーと商談会を開く。海外での見本市へのオンライン出展も予定する。

 2021年は、延期になった東京五輪・パラリンピックの影響で、国内の商談会会場の使用が制限される。先行きが見通せない中、“ウィズコロナ”を意識した販促活動が活発化する。

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