米国が生ジャガ解禁要請 検疫協議へ 国内産地は反発

 米国政府が日本に対し、生食用ジャガイモの輸入を解禁するよう要請し、今後協議に入ることが分かった。日本はジャガイモシストセンチュウ、ジャガイモシロシストセンチュウの侵入を防ぐため、米国を含め各国からの生食用の輸入を認めていない。病害虫侵入に加えて、ジャガイモ生産量が世界屈指の米国が国内シェアを奪う恐れもあり、国内産地からは「輸入解禁は断じて認められない」との声が上がる。

 農水省の公表資料によると、米国政府は3月31日、日本に対し輸入解禁を要請。植物検疫の対象となる病害虫を定め、それに応じた検疫措置を協議することになる。協議の進捗(しんちょく)は、ジェトロ(日本貿易振興機構)発行の「通商弘報」で公表する。

 両害虫はジャガイモなどに寄生し、枯死被害を引き起こす。シストセンチュウは現在、4道県の71市町村で発生が確認されている。同省はまん延防止に向けて、発生農地で使用した農機の洗浄などを推進している。

 シロシストセンチュウは北海道の3市町で発生中。同省は2016年以降、土壌消毒などによる緊急防除を講じてきたが根絶できていない。

 米国でも両害虫は発生しており、生食用の輸入が解禁されれば国内産地は両害虫の被害がさらに広がるリスクを抱え込む。その上、米国産との競合を強いられることになる。国連食糧農業機関(FAO)によると、米国のジャガイモ生産量(18年)は世界第5位で、2000万トンに上る。

 主産地のJA北海道中央会は、輸入解禁について「海外からの病害虫流入のリスクを高め、国内生産基盤の毀損(きそん)につながる恐れがあり、断じて容認できない」と反対している。

 米国産の加工用ジャガイモは、加工場までの輸送過程を完全に密閉することなどを条件に輸入を認めている。米国政府の要請を受け、2月に植物防疫法の細則を改定し、2~7月の輸入期間を撤廃。制度上、8月以降も輸入が可能になった。ただ、関係者によると加工用は輸入品の方が割高になるという。

 加工用ジャガイモの輸入期間の延長は、米通商代表部(USTR)が外国貿易障壁報告書で要求していた。
 

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