鳥インフル 過去最多 85万羽処分 香川6、7例目
2020年11月21日

鳥インフルエンザの発生を受けて殺処分を進める県職員ら(20日、香川県三豊市で=県提供)
農水省と香川県は20日、今季6、7例目となる鳥インフルエンザの発生が確認されたと発表した。6例目は同じ従業員が出入りする関連農場が4カ所あり、計35万5000羽を飼育。7例目も49万5000羽を飼育しており、いずれも高病原性の可能性があるため、全て殺処分する。複数の農場で85万羽に及ぶ防疫措置はこれまで例がなく、県は陸上自衛隊に災害派遣要請をするなど、封じ込めに懸命だ。
6例目の殺処分は、20日午前6時25分から開始。1班70人が6交代で夜通し作業する。7例目は、21日以降に開始する予定。処分した鶏は2重のビニール袋に入れて保管。その後に埋却・消毒して防疫措置が終わる。「県として可能な限りの態勢」(浜田恵造知事)で当たるが、埋却まで10日程度かかる見通しだ。
県から派遣要請のあった陸上自衛隊は6、7例目だけで約1060人の隊員が殺処分に当たる。1、2、5例目の要請時には県内を中心に対応したが、今回は四国各県から隊員が参加する。県職員だけでなく、市、農政局職員も作業を応援し「一刻も早く、ウイルスを抑え込みたい」(県職員)と懸命だ。
香川県善通寺市の陸上自衛隊第14旅団によると7例目までに派遣する隊員は合計約2510人となる見込み。新型コロナウイルスの感染に注意しながらの作業となり、同旅団広報班は「移動する車両内でも密にならないような対策や、手指の消毒など衛生管理を徹底し迅速な殺処分をしている」と説明する。
7例のうち6例が発生した三豊市は、飼養羽数が県全体の5割を超す養鶏産地。発生した農場同士は市内の約3キロ圏内に集中し、1例目の同範囲には発生の5日時点で26戸が189万羽を飼養していた。
感染拡大の防止に向け県は、県内全88戸約200農場に書面での聞き取り調査を実施。20日に発送し、27日をめどに回収する。農場入り口の消毒や家禽(かきん)舎専用の靴を使っているかなどの質問に回答してもらう。
三豊市では、発生農場周辺の県道で16日から行っていた殺ウイルス・殺菌消毒剤の散布を強化。散水車による約35キロの消毒を毎日1回から2回に増やした。
農水省によると、今季6、7例目の高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認した農場は、三豊市内の発生農場から半径3キロ以内にある。1例目と3~5例目発生後の遺伝子検査と抗体検査で陰性を確認していたが、19日に死んだ鶏の増加を受けて通報。同日の県の簡易検査で陽性を確認し、20日の遺伝子検査で高病原性の疑似患畜と判定した。
6例目の農場は、関連する4農場との間で従業員や車両の出入りがあった。同省はウイルスに感染している恐れがあるとみて、防疫指針に基づき「疫学関連農場」と認め、飼養する全ての鶏の殺処分を決めた。6例目の農場を経営する会社は3・4例目の会社や、5例目の別の会社と関連があるという。
今年、香川県で発生した鳥インフルエンザでは20日までに1、2、4例目の防疫措置は完了。県によると、11日に判明した3例目は、ふんや敷料などの処理方法を埋却処分から発酵処分に変えたため、長引いているという。15日判明の5例目は埋却作業が続く。
短期間で相次いで発生を確認していることを受け、農水省は改めて飼養衛生管理基準の順守を訴える。特に衛生管理区域では、原則、他の畜産関係施設に入った者を立ち入らせない、資材の受け渡しを区域外で行うなど、車両や人、物の出入りをできる限り制限するよう呼び掛けている。
封じ込め 自衛隊・県一体
6例目の殺処分は、20日午前6時25分から開始。1班70人が6交代で夜通し作業する。7例目は、21日以降に開始する予定。処分した鶏は2重のビニール袋に入れて保管。その後に埋却・消毒して防疫措置が終わる。「県として可能な限りの態勢」(浜田恵造知事)で当たるが、埋却まで10日程度かかる見通しだ。
県から派遣要請のあった陸上自衛隊は6、7例目だけで約1060人の隊員が殺処分に当たる。1、2、5例目の要請時には県内を中心に対応したが、今回は四国各県から隊員が参加する。県職員だけでなく、市、農政局職員も作業を応援し「一刻も早く、ウイルスを抑え込みたい」(県職員)と懸命だ。
香川県善通寺市の陸上自衛隊第14旅団によると7例目までに派遣する隊員は合計約2510人となる見込み。新型コロナウイルスの感染に注意しながらの作業となり、同旅団広報班は「移動する車両内でも密にならないような対策や、手指の消毒など衛生管理を徹底し迅速な殺処分をしている」と説明する。
7例のうち6例が発生した三豊市は、飼養羽数が県全体の5割を超す養鶏産地。発生した農場同士は市内の約3キロ圏内に集中し、1例目の同範囲には発生の5日時点で26戸が189万羽を飼養していた。
感染拡大の防止に向け県は、県内全88戸約200農場に書面での聞き取り調査を実施。20日に発送し、27日をめどに回収する。農場入り口の消毒や家禽(かきん)舎専用の靴を使っているかなどの質問に回答してもらう。
三豊市では、発生農場周辺の県道で16日から行っていた殺ウイルス・殺菌消毒剤の散布を強化。散水車による約35キロの消毒を毎日1回から2回に増やした。
関連農場3キロ圏で多発
農水省によると、今季6、7例目の高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認した農場は、三豊市内の発生農場から半径3キロ以内にある。1例目と3~5例目発生後の遺伝子検査と抗体検査で陰性を確認していたが、19日に死んだ鶏の増加を受けて通報。同日の県の簡易検査で陽性を確認し、20日の遺伝子検査で高病原性の疑似患畜と判定した。
6例目の農場は、関連する4農場との間で従業員や車両の出入りがあった。同省はウイルスに感染している恐れがあるとみて、防疫指針に基づき「疫学関連農場」と認め、飼養する全ての鶏の殺処分を決めた。6例目の農場を経営する会社は3・4例目の会社や、5例目の別の会社と関連があるという。
今年、香川県で発生した鳥インフルエンザでは20日までに1、2、4例目の防疫措置は完了。県によると、11日に判明した3例目は、ふんや敷料などの処理方法を埋却処分から発酵処分に変えたため、長引いているという。15日判明の5例目は埋却作業が続く。
短期間で相次いで発生を確認していることを受け、農水省は改めて飼養衛生管理基準の順守を訴える。特に衛生管理区域では、原則、他の畜産関係施設に入った者を立ち入らせない、資材の受け渡しを区域外で行うなど、車両や人、物の出入りをできる限り制限するよう呼び掛けている。
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2021年01月12日

実習生ら対象 外国人入国停止 人手不足深刻化も
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2021年01月15日
作業安全週間を設定 2月16日から11日間 農水省
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2021年01月16日

農業施設被害5000棟超 大雪で東北・北陸など
記録的な大雪で東北3県と新潟、北陸3県では13日までに、合わせて5000棟を超えるパイプハウスなど農業施設の損傷、損壊の被害が報告された。除雪が追い付かず全体を把握し切れていないため、被害はさらに拡大する恐れがある。
各県が12日時点で把握した被害状況によると、岩手県では県南部を中心にパイプハウス2346棟に被害が出た。秋田県ではパイプハウスなどの農業施設1019棟が被害を受け、農作物を含めた被害額は3億円を超えた。山形県はサクランボや西洋梨など約65ヘクタールで枝折れなどの樹体被害や、パイプハウス474棟の被害が報告された。
新潟県は13日、大雪・暴風雪による農業の被害状況を発表。昨年12月14日から今年1月12日までの被害を取りまとめ、22市町村でパイプハウス785棟が損傷・損壊した他、6市でライスセンターや育苗ハウスなどの共同利用施設35棟が被害を受けた。ハウスの被害は強風によるビニールの破損などが多い。
北陸3県でも13日正午現在の各県のまとめによると、富山県ではパイプハウスや畜舎、農作業場は、全壊244棟を含む336棟が被害を受けた。石川県は累計で農業用ハウス307棟などの被害を確認した。福井県では農業用ハウスの損壊が130棟に上った。
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2021年01月14日

施設キュウリで 葉面積指数を活用 収量予測めざす 愛知・JA西三河
施設キュウリを栽培する愛知県のJA西三河きゅうり部会は、40人の全部会員が圃場(ほじょう)に葉面積指数を計測するLAI計測センサーを設置した。施設キュウリの生産者が導入するのは全国でも珍しい。樹勢やかん水の目安に役立て、将来的には収量予測への活用を目指す。
LAI計測センサーは植物群落の上下に照度センサーを設置し、上下の散乱光を採光する装置。葉が繁茂する状態によって上下の散乱光の光量比が変わる原理を活用し、自動で継続的に葉面積指数を計測する。静岡県農林技術研究所のトマトでの研究成果を基に、キュウリの葉面積指数を計測できるようにした。
センサーは昨年12月、開発したIT工房ZやJAあいち経済連、JAの担当者が圃場を巡回して設置作業に当たった。
農水省2019年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクトを通じて実用化した装置で、新型コロナウイルスの影響を克服するための「経営継続補助金」を活用して全部会員が導入。産地全体でスマート農業を加速化させる。
JA営農企画課の大島健一課長補佐は「産地全体の栽培技術の高度化を図ることができる。LAI計測データを使って収量を予測し、販売にもつなげていきたい。他品目への応用にも期待している」と話す。一部の部会員は、生育の最適化に向けて排液カウンターや流量センサーの取り付けも行った。
部会は15年から、他産地に先駆けて部会全体で農業用情報通信技術(ICT)ツールを積極的に活用。導入以後、10アール当たりの収量・販売金額は約15%向上した。技術力の高い農家による栽培環境・肥培管理のノウハウを共有し、産地のレベルアップを図っている。
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2021年01月15日
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鳥インフル 移動制限全て解除 厳重警戒続く 香川県三豊市
香川県は16日、三豊市で集中発生した今季12事例の高病原性鳥インフルエンザについて、発生農場から半径3キロ圏内で設けた鶏などの移動制限を全て解除した。通常は防疫措置完了後、最短21日の経過で解除できるが、狭い範囲で続発して埋却などの作業も難航。制限解除は昨年11月5日の初発生から約2カ月ぶりになる。今後は感染防止とともに、養鶏場の経営再建が課題となる。
今季の高病原性鳥インフルエンザは発生が15県に広がり、殺処分の羽数は36事例(48農場)で約600万羽となった。1シーズンの被害としては過去に例がない事態。直近でも全国屈指の養鶏産地、千葉県や鹿児島県で発生している。
香川県内の制限区域の解消により、今季発生した36事例のうち31例目まで(全体の86%)は鶏などの移動制限が全て解除された。現時点で制限区域が残るのは32~36事例の発生農場がある千葉、岐阜、宮崎、鹿児島の4県となる。
三豊市内では、県によると、12事例で約179万羽を殺処分した。鶏などの移動が制限された半径3キロ圏内では今も33農場が、約129万羽を飼養。制限が長期化したことで、県は「一部の農場では、ブロイラーが出荷できる日齢を超えたため処分された」と説明する。
移動制限の解除を受け県養鶏協会の志渡節雄会長は「(感染源とみられる)渡り鳥は、まだ周辺にいる。気を緩めず、感染防止に取り組む」と強調。その上で、「発生農場は、経営再開のめどが全く立っていない。国や県には支援や補償を早く示し、農家の不安を払拭(ふっしょく)してもらいたい」と要望している。
ため池が多い香川県では、渡り鳥が飛来する時季に発生が集中した。今後は春に渡り鳥が北へ移動する時季にウイルスが拡散する可能性がある。
北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授は「渡り鳥がシベリアに帰っていく、5月の大型連休ごろまでは厳重な警戒が必要。人、物の消毒や野鳥、野生動物の侵入防止など飼養衛生管理を徹底すべきだ」と話す。
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2021年01月17日

本紙モニター調査 米需給対策=4割「課題あり」 輸出5兆円=「対策次第」3割
日本農業新聞が12月中下旬に行った農政モニター調査で、主食用米の需給均衡に向けた農水省の対策について「課題がある」との回答が39%に達した。米政策の改善には「転作メリットの拡充」が必要との声が最多だった。農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする政府目標の達成の成否は「対策次第」とみる回答が33%で最も多かった。
農水省は昨年12月、輸出・加工用米や麦・大豆などへの転換に10アール当たり4万円を助成する「水田リノベーション事業」をはじめ、転作支援の拡充や米の需要喚起に向けた対策を発表。……
2021年01月17日
豪州と米国 市民農園ブーム コロナ禍契機に 食材自給 注目集める
新型コロナウイルス禍を契機に、海外で市民農園が注目されている。物流が混乱しても自給自足をすれば食材調達が可能だからだ。政府支援が加わり、今後はさらに拡大しそうだ。オーストラリアと米国の事例を紹介する。
オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州。広さ5000ヘクタールに上る自然保護地区ウエスタンシドニーパークランズで、市民農園が徐々に増えている。州の委託で保護地区を管理するウエスタンシドニーパークランズ財団がコロナ禍対策として推し進めていることが背景にある。
同財団は、2006年に地区内の13・2ヘクタールを農地に転用し始めた。16都市から訪れた市民がキュウリなどを栽培し、同州シドニー市内の直売所などで販売。コロナ禍の拡大以降はスーパーの品ぞろえが悪かったことがあり、近隣の消費者が直売所に殺到。売り上げは通常の20倍に増えた。同財団は今後、さらに52ヘクタール分を拡大する予定だ。
食品システムに詳しい同国メルボルン大学のレイチェル・キャリー教授は「自然災害や供給チェーンの混乱に備え、都市は保険政策として都市農業能力を高めるべきだ」と指摘する。
米国東部のシアトル市では、主に黒人と先住民族の間で都市農業が流行。失業者や生活困窮者にとっての自給自足手段として広がっている。
きっかけは、黒人差別抗議運動(ブラック・ライブズ・マター=BLM)を主導する社会活動家のマーカス・ヘンダーソン氏が、小さな野菜畑を作ったことだ。畑は、20年6月に機動隊とデモ隊の衝突が頻発していたキャピトルヒル自治区(デモ隊が自治を宣言した地域)の公園内にある。同氏はBLM問題を巡り警察や機動隊と激しくぶつかり合う暴力的な日々を問題視し「殴り合いよりも、差別や失業で苦しむ黒人を助けるのが優先だ」と行動を起こした。
同氏に賛同する黒人農家らが「本格的に都市住民のための農業を興そう」と集まり、シアトル市からキング牧師記念センター敷地内の空き地を正式に借り入れた。農機具や資材はインターネットで市民から寄付を募って購入。「自分の食料を自分の手で作ろう」をスローガンに、人種差別やコロナ禍で失業した生活困窮者の参加を呼び掛けた。現在、約1ヘクタールの作業に430人以上が参加しているという。
収穫する農産物は、参加者の家族に加え、市内の生活困窮者にも配る予定だ。同氏は「シアトル市内では9人に1人が生活に困窮している。まず畑の周辺7000戸の困窮家庭のうち約半数の3500戸に提供できる量は収穫できるはずだ」とみている。
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2021年01月17日
農地特区 特例2年延長決定 「全国展開前提でない」 担当相
政府は15日の国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例について、8月末の期限を2年間延長する方針を決めた。2021年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否について調整する。坂本哲志地方創生担当相は同日の閣議後記者会見で、調査は「全国展開を前提にしたものではない」と述べた。期限の延長を盛り込んだ同特区法改正案は、18日召集の通常国会に提出する。
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
2021年01月16日
農業分野の技能実習生 1~3月2000人予定 人手不足を懸念 入国停止で農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、1~3月に来日を予定していた農業分野の外国人技能実習生らが約2000人に上ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、技能実習生を含む外国人の新規入国は停止中で、生産現場の人手不足が問題となる可能性がある。野上農相は影響を注視しつつ、代替人材の確保を後押しする考えを示した。
昨年12月末時点で今年1~3月に来日予定だった技能実習生らの数を、都道府県やJAなどに聞き取ってまとめた。……
2021年01月16日

「BUZZ MAFF」 Jリーグとコラボ動画 若者に農業PR 農水省
農水省は15日、公式ユーチューブチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、サッカーJリーグと連携した動画の投稿を始めた。地域の農業への理解や関心を深めてもらうため、Jリーグチームの行う農林水産業の取り組みを同省職員の「ユーチューバー」が発信する。第1弾としてJ2の松本山雅FC(長野県)、J3の福島ユナイテッドFC、ガイナーレ鳥取との動画を投稿した。
「ばずまふ」は、職員の個性や発想を生かした動画を投稿し、農業への関心が薄い若者を含めて広く情報を発信している。 現在、動画の総再生回数は620万回以上。スポーツチームと連携してPRに取り組むのは初めて。
松本山雅FCと連携した動画では、黒ずくめのばずまふユーチューバーが登場。休耕地で地域の住民と連携して1トンの青大豆を生産する取り組みを紹介し、青大豆を使った新しいスイーツの開発に挑戦する。
選手が生産した農産物を販売する「農業部」がある福島ユナイテッドFCとの動画では、選手が自ら作った米をPRする。東北農政局の職員が米を食べ、自作の応援ソングも披露する。ガイナーレ鳥取と連携した動画では、中国四国農政局の職員が、チームの職員と地域の休耕地を利用して芝生を生産・販売する取り組みについて語り合う。
今後も、全国のチームと連携した動画を配信していく。同省は「農業に取り組むクラブは他にもある。地域の農業への理解が深まれば」(広報評価課)と期待を寄せる。
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2021年01月16日
作業安全週間を設定 2月16日から11日間 農水省
農水省は15日、2月16日から26日までを「農林水産業・食品産業 作業安全推進Week」にすると発表した。期間中に安全対策に関するシンポジウムや情報交換の会議などを集中して企画。農業者らに、作業の安全対策は人ごとではなく自分事と捉え、安全・人命が全てに優先することを認識してもらう。同省が短期間に作業安全に関するイベントを集中させて続けるのは初めて。
農林水産業と食品産業の業界全体で安全対策を進めてもらう狙い。……
2021年01月16日
雪被害、20道府県6766件 支援「適切に対応」 農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、大雪によって岩手、秋田、新潟など20道府県から、農業用ハウスなどの施設6766件の被害報告を受けていると明らかにした。農相は「引き続き現地との連絡を密にしながら被害状況を把握し、農林水産業への影響を最小限にするよう、適切に対応したい」と述べた。
農水省によると、15日午前7時半現在で、ハウス6359件、農業用倉庫215件、畜産用施設192件の被害報告を受けた。……
2021年01月16日

実習生ら対象 外国人入国停止 人手不足深刻化も
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は14日、ビジネス関係者らに例外的に認めていた外国人の新規入国を一時停止した。この例外措置の対象には技能実習生も含まれており、昨年11月から今月10日までにベトナム、中国などから実習生約4万人が入国していた。入国制限で生産現場の人手不足に拍車がかかる可能性があり、農水省は影響を注視している。
農水省 支援活用促す
政府は、コロナの水際対策の入国制限を昨年10月に緩和し、全世界からのビジネス関係者らの入国を再開。感染再拡大を受けて12月28日には一時停止したが、中国や韓国、ベトナム、ミャンマーなど11カ国・地域のビジネス関係者らの入国は例外的に認めていた。だがこの措置も14日から、宣言解除予定の2月7日まで停止した。……
2021年01月15日

鳥インフル対策徹底を リーフ作成 農水省
農水省は高病原性鳥インフルエンザの多発を受け、養鶏農家に注意喚起するリーフレットを作成した。今季は渡り鳥の飛来地の他、道路や公園、森などにもウイルスが多量に存在するとし、飼養衛生管理の徹底など、対策への意識を高めてもらうのが狙い。都道府県を通じて配布し、同省のホームページなども活用して周知する。
今季は昨年11月以降、過去最多の15県36例の高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、殺処分羽数は合計で約600万羽に上る。また死亡野鳥や、池・ダム湖の水など10道県27件の環境試料からも高病原性のウイルスが検出されている。
リーフレットでは、今季は「多量に鳥インフルエンザウイルスがあちこちに存在」すると指摘した。特にハヤブサやフクロウの死亡個体からもウイルスを検出。鳥や小動物を捕食する猛禽(もうきん)類の感染は、環境中のウイルス濃度が高まっている指標になるという。また、今季のウイルスは感染してから死亡するまでの期間が長い傾向がある。リーフレットでは養鶏農家が早期発見できるよう症状も紹介。とさかのチアノーゼや顔面の浮腫性腫脹(しゅちょう)、突然死などを写真で示した。
対策では、ウイルスを農場内に入れないことを強調。手指消毒や車両消毒、防鳥ネットの管理など全従業員による飼養衛生管理の徹底を促した。同省は「国の支援も活用し、防疫対策をより強化してほしい」(動物衛生課)と話す。
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2021年01月15日