アジア果実貿易夏以降に“復調” オンライン販売急成長

 新型コロナ禍によるアジアの果実貿易の混乱は、収束に向かっている。17日に開かれたアジア果実会議で、中国や東南アジアなどの青果業界関係者は「不透明な環境が残るものの、オンライン販売の急成長など変化の兆しが生まれている」と報告した。

 同会議は、ドイツの見本市企業などが主催して20年前からアジア各地で開かれてきたが、今回は初めてインターネットを使った仮想(バーチャル)会議となった。アジア市場の貿易・輸出団体、輸入業者、マーケティング企業関係者が参加した。

 報告によると、成長を続けていたアジアの果実市場は、コロナ禍で急ブレーキがかかった。貿易統計を基にアナリストは「アジアの果実輸入額は過去10年間、年率12%の成長を続けてきたが、今年6月までの1年間に限定すると3、4%のマイナスになった」と指摘する。高級品である海外産果実の需要減少や物流の混乱が原因だ。

 新型コロナの感染状況は国や地域で異なるものの、夏以降に再び成長軌道に乗り始めたという報告が目立った。「健康への関心が高まり、長い目で見れば果実消費には追い風」「自宅で調理する場面が増え、果実の消費パターンが変わった。有機や地元産に再び関心が集まっている」などの報告があった。

 タイの輸入業者は「人が密接する伝統的市場は打撃が大きく、売り上げが半分に減ったところもあるが、大手の量販店を中心に、オンライン販売が急拡大した」と指摘。別の業者も「東南アジアのオンライン食品販売は着実に成長していた。ニーズがあったところにコロナ禍で急加速した」と説明した。

 アジア諸国にブドウやサクランボ、キウイフルーツなどを大量販売するチリの輸出団体担当者は「国や地域によってコロナ禍の程度が大きく異なる。オンラインのPRや会議を駆使して、きめ細かく販売促進を進めるしかない」と語り、人の移動が規制される中、「バーチャル販促」を重視する考えを表明した。(特別編集委員・山田優)
 

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