アジア果実貿易夏以降に“復調” オンライン販売急成長
2020年11月29日
新型コロナ禍によるアジアの果実貿易の混乱は、収束に向かっている。17日に開かれたアジア果実会議で、中国や東南アジアなどの青果業界関係者は「不透明な環境が残るものの、オンライン販売の急成長など変化の兆しが生まれている」と報告した。
同会議は、ドイツの見本市企業などが主催して20年前からアジア各地で開かれてきたが、今回は初めてインターネットを使った仮想(バーチャル)会議となった。アジア市場の貿易・輸出団体、輸入業者、マーケティング企業関係者が参加した。
報告によると、成長を続けていたアジアの果実市場は、コロナ禍で急ブレーキがかかった。貿易統計を基にアナリストは「アジアの果実輸入額は過去10年間、年率12%の成長を続けてきたが、今年6月までの1年間に限定すると3、4%のマイナスになった」と指摘する。高級品である海外産果実の需要減少や物流の混乱が原因だ。
新型コロナの感染状況は国や地域で異なるものの、夏以降に再び成長軌道に乗り始めたという報告が目立った。「健康への関心が高まり、長い目で見れば果実消費には追い風」「自宅で調理する場面が増え、果実の消費パターンが変わった。有機や地元産に再び関心が集まっている」などの報告があった。
タイの輸入業者は「人が密接する伝統的市場は打撃が大きく、売り上げが半分に減ったところもあるが、大手の量販店を中心に、オンライン販売が急拡大した」と指摘。別の業者も「東南アジアのオンライン食品販売は着実に成長していた。ニーズがあったところにコロナ禍で急加速した」と説明した。
アジア諸国にブドウやサクランボ、キウイフルーツなどを大量販売するチリの輸出団体担当者は「国や地域によってコロナ禍の程度が大きく異なる。オンラインのPRや会議を駆使して、きめ細かく販売促進を進めるしかない」と語り、人の移動が規制される中、「バーチャル販促」を重視する考えを表明した。(特別編集委員・山田優)
同会議は、ドイツの見本市企業などが主催して20年前からアジア各地で開かれてきたが、今回は初めてインターネットを使った仮想(バーチャル)会議となった。アジア市場の貿易・輸出団体、輸入業者、マーケティング企業関係者が参加した。
報告によると、成長を続けていたアジアの果実市場は、コロナ禍で急ブレーキがかかった。貿易統計を基にアナリストは「アジアの果実輸入額は過去10年間、年率12%の成長を続けてきたが、今年6月までの1年間に限定すると3、4%のマイナスになった」と指摘する。高級品である海外産果実の需要減少や物流の混乱が原因だ。
新型コロナの感染状況は国や地域で異なるものの、夏以降に再び成長軌道に乗り始めたという報告が目立った。「健康への関心が高まり、長い目で見れば果実消費には追い風」「自宅で調理する場面が増え、果実の消費パターンが変わった。有機や地元産に再び関心が集まっている」などの報告があった。
タイの輸入業者は「人が密接する伝統的市場は打撃が大きく、売り上げが半分に減ったところもあるが、大手の量販店を中心に、オンライン販売が急拡大した」と指摘。別の業者も「東南アジアのオンライン食品販売は着実に成長していた。ニーズがあったところにコロナ禍で急加速した」と説明した。
アジア諸国にブドウやサクランボ、キウイフルーツなどを大量販売するチリの輸出団体担当者は「国や地域によってコロナ禍の程度が大きく異なる。オンラインのPRや会議を駆使して、きめ細かく販売促進を進めるしかない」と語り、人の移動が規制される中、「バーチャル販促」を重視する考えを表明した。(特別編集委員・山田優)
おすすめ記事

キャラクターでグループ討議 コロナ下も情報交換密に 中金ローン担当者会合
新型コロナウイルス下でも、参加者同士が気軽に会話できる情報交換会を──。農林中央金庫は26、27の両日、デジタル技術を活用したローン専任担当者情報交換会をオンラインで開く。映像配信ではなく、参加者それぞれが画面上で人型のキャラクターとなって動ける機能を用意。交流したい他の参加者に近づき話し掛けるなど、集合開催に近い体験を追求する。
JAグループではコロナ対策として、多くの会議をオンライン化。……
2021年01月25日

暴風雪対策本部を設置 全職員が現地確認 青森・JA十和田おいらせ
JA十和田おいらせは、暴風雪被害対策本部を十和田市の本店に設置した。現在、全職員が農家組合員に園芸用や水稲育苗用ハウスの倒壊などの被害の聞き取りや現地確認を行っている。指導やさい部は、21日までに結果をまとめる。被害の詳細を把握し、農家が農産物生産の次期作に支障を来さないよう対策などを講じていく。
十和田の地域気象観測システム(アメダス)によると12月の最深積雪は54センチ。……
2021年01月21日

穀類の国際相場上昇 逼迫長期化する恐れ
小麦、トウモロコシ、大豆の国際相場が値上がりしている。年末から上昇基調にあったが、年明け以降も逼迫(ひっぱく)感が続く。予想以上に少ない米国の在庫、中国の盛んな買い付け、一部の輸出国による輸出規制の動きなどが相場を押し上げている。業界関係者によると長期化する可能性もある。(特別編集委員・山田優)
中国需要増、輸出規制も
米農務省が1月中旬に発表した世界食料需給予測によると、2020・21年度のトウモロコシ、大豆は消費量が生産量を上回り、いずれも期末在庫が減る見通しだ。特にトウモロコシ、大豆ともに業界の予想に比べ在庫が少ないことが判明した。
相場上昇の背景には中国のトウモロコシと大豆の活発な輸入がある。疾病で頭数が落ち込んだ肉豚の生産増強が続いているため、飼料需要が急増したといわれている。今後も穀類の大量輸入が続くとみられる。
小麦は世界で史上最高の生産量になり、消費量も増えるものの、期末在庫量が史上最高の多さになる見通しだ。ところが、年末になって世界最大の輸出国であるロシアが、突然小麦輸出に関税をかけると発表し波紋を広げた。その後、アルゼンチンやウクライナもトウモロコシや小麦の輸出を規制するというニュースが報じられ、小麦、トウモロコシ、大豆の需給に逼迫感が強まった。21世紀に入って2回あった食料価格の高騰は、いずれも輸出規制が引き金になった。
こうした国々は、自国通貨の下落で国内でインフレ懸念が高まったことから、輸出規制を導入して国内消費者を優先する方針を打ち出している。混乱の広がりを見越し、米シカゴや欧州の相場がいずれも6、7年ぶりの高値水準まで急上昇した。
現在生育中の南米の大豆やトウモロコシは、干ばつの影響で生育が遅れている。北半球で進む品薄を解消するには力不足という見方が支配的だ。急な値上がりが続いたことで国際相場は一進一退状態になっているものの、日本国内の商社関係者の多くは「当面需給が緩和する要素は見当たらない」と解説する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月24日
鳴き声で牛個体特定 健康状態把握に応用 愛知県立大と県農試
愛知県立大学と愛知県農業総合試験場は、複数の牛の鳴き声のデータを分析し、どの牛が鳴いているか特定することに成功した。成牛と育成牛の鳴き声を混ぜた状態でも90%以上の精度で識別できたという。人の声を分析して感情や健康状態を読み取る技術の開発が進んでいるが、将来は牛の鳴き声のデータを基に健康状態の把握や、繁殖管理への応用も検討していきたい考えだ。
同試験場のホルスタイン種の成牛4頭と育成牛6頭の計10頭を鳴き声を収集した。成牛と育成牛の群に分けて録音し、識別に使った発声データ数は、成牛は251、育成牛は446。集めた音声データを編集して混ぜて、改めて分析をすると、声の違いを聞き分けて識別することができたという。
人が子どもから大人にかけて声が変わるのは牛も同じだ。識別の結果、声帯の筋肉の付き方が成牛と育成牛で違い、牛も人と同じく成長に伴って声道が伸びることを確認した。成牛は声の高さや低さを表す基本周波数の値が育成牛より大きいことも確かめた。
愛知県立大学情報科学部の入部百合絵准教授は「牛も発声方法や声質が一頭一頭違った。声そのものの分析だけでなく、発声するタイミングや頻度なども分析していきたい」と見据える。
同試験場は「牛がどういう欲求を表現しているか分かるようになれば、病気の兆候や発情の早期発見にも役立つだろう」と期待する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月23日
人材集まれ地域で独自策 北海道40JAが着手 北農5連協事業
新型コロナウイルス禍で外国人技能実習生が来日できないことによる人手不足に対応し、北海道の約40のJAなどが地域の課題に応じて自ら発案した人材確保策に着手した。JAグループ北海道の連合会でつくる協議会が、今年度から始めた助成事業を活用。新規就農者の育成、雇用環境や労務管理の向上、農福連携や、農業の魅力PRといった幅広い取り組みが広がっている。(望月悠希)
雇用環境の整備や関係人口創出
JA北海道中央会やホクレンなどで組織する「北農5連JA営農サポート協議会」が、新型コロナウイルス感染症に係る農業人材確保特別対策事業として実施。今年度からJAや農協連を対象に、人材確保を目指すメニューにかかる費用の5割以内または3割以内を補助する。
中央会によると昨年、農業分野で技能実習生や特定技能の外国人375人が、コロナ禍で入国ができなかったり、遅れたりして人手不足が深刻化した。
そこで、主に①障害者や移住者ら多彩な新たな人材の活躍②求人サイトなど新たな募集③空き家の利活用などによる宿泊施設の整備など人材の定着化④労務管理向上⑤産地間連携⑥農作業支援──などを支援することにした。
新規就農者の宿泊施設確保や、関係人口創出につながる農作業体験、求人広告や産地間連携など各JAが独自に対策を展開。外国人技能実習生の入国が遅れたことによる掛かり増し経費なども助成した。即効性ある対策から、中長期的な視点での新規就農者育成までJAの自由な発案に対して補助し、助成額は総額8400万円(計画ベース)となった。
JAきたそらちは、道外の移住者や地域の若者らを呼び込むため、法人就農による人材確保に向けて農家の法人化を推進。事業を活用して今年度から毎月1回税理士を招き、無料の相談会を開く。法人化を目指す組合員から「専門家の意見を聞ける」と好評だ。
JA北オホーツクは農業後継者を確保するため、新規就農者の研修を行うJA出資型法人を立ち上げた。事業を新規就農者や従業員の居住施設の建設に活用。JAは「中長期的な視野で新規就農者を受け入れ、地域の後継者対策につなげたい」と話す。
JA今金町は、約40人のパート従業員らが働くジャガイモの共選施設の労働環境を整備。施設ではトイレが和式で、高齢の従業員には足腰の負担も大きかった。事業を活用し、簡易水洗の洋式に整備。今後は人材派遣なども活用し、人手確保に力を入れたい考えだ。
この他のJAでは、入国できなかった外国人技能実習生の入国前講習の費用や、空港での待機に対する宿泊や移動の補助など、実習生受け入れについて支援するケースもあった。
JA北海道中央会の小野寺俊幸会長は「JAによる技能実習生らの代替人材の確保、人材定着に向けたさまざまな環境整備など、国の事業では対応しきれない多様な取り組みを促すことにつながった」と話す。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月25日
経済の新着記事

コロナで明暗分かれる 農畜産物販売内食がけん引 20年食品業界売上高
食料品を扱う各業界の2020年売上高が出そろってきた。新型コロナウイルス下でスーパーや宅配を手掛ける生協は家庭内の食事(内食)ニーズをつかみ好調だった。コンビニエンスストアや外食、百貨店は苦戦したが、生鮮品の扱いやテークアウト対応などで活路を探る。農畜産物の販売先は、引き続き内食向けがけん引する。(宗和知克)
各業界・団体が23日までに公表した20年の売上高(外食は11月まで)をみると、スーパー(食品スーパー3団体の販売統計)が、内食需要を捉えて大半の月で売り上げを伸ばした。宅配も、主力の日本生活協同組合連合会(日本生協連)の供給高が2月以降11カ月連続で前年を上回り好調が際立った。
一方、外食(日本フードサービス協会)は4月に底を打つも、前年を下回ったまま推移した。感染再拡大に伴う各地の時短要請で客足が遠のき、書き入れ時の12月も振るわない見通しだ。
百貨店(日本百貨店協会)は食料品の年間売上高が前年比16%減。4月は半減したが、6月以降は内食ニーズを踏まえた精肉や鮮魚、総菜の販売で回復に向かっている。
コンビニ(日本フランチャイズチェーン協会)は既存店ベースの年間売上高が5%減の約10兆円で、3年ぶりのマイナス。全店ベースでは比較可能な05年以降で初のマイナスとなった。
全体的にみると、新型コロナの影響が表面化したのは政府の臨時休校要請が出た3月からだ。スーパーでは消費者の巣ごもりから家庭調理ニーズが高まった。宅配も小麦粉や冷凍米飯など日持ちする食品を中心に注文が大きく伸びた。
4月に1度目の緊急事態宣言が発令されると、外出自粛や在宅勤務の増加でコンビニは客足が低迷。百貨店もインバウンド(訪日外国人)を含む観光客需要が止まり、果実など高級食材の苦戦が広がった。
6月以降も巣ごもり傾向が続き、各業界が対応を進めた。外食は生き残りへテークアウトやデリバリーなど事業を多角化した。しかし11月に、感染が再拡大すると外食などは再び鈍化し、現状も緊急事態宣言再発令による営業縮小などで、依然厳しい状況にある。
各業界は底堅い需要がある内食対応に注力する姿勢だ。コンビニ大手は野菜など生鮮食料品の扱いを強化している。食品スーパー3団体は「家庭内消費は引き続き堅調に推移する」、日本生協連は「今後、宅配の利用がさらに高まる想定が必要」とみている。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月24日

穀類の国際相場上昇 逼迫長期化する恐れ
小麦、トウモロコシ、大豆の国際相場が値上がりしている。年末から上昇基調にあったが、年明け以降も逼迫(ひっぱく)感が続く。予想以上に少ない米国の在庫、中国の盛んな買い付け、一部の輸出国による輸出規制の動きなどが相場を押し上げている。業界関係者によると長期化する可能性もある。(特別編集委員・山田優)
中国需要増、輸出規制も
米農務省が1月中旬に発表した世界食料需給予測によると、2020・21年度のトウモロコシ、大豆は消費量が生産量を上回り、いずれも期末在庫が減る見通しだ。特にトウモロコシ、大豆ともに業界の予想に比べ在庫が少ないことが判明した。
相場上昇の背景には中国のトウモロコシと大豆の活発な輸入がある。疾病で頭数が落ち込んだ肉豚の生産増強が続いているため、飼料需要が急増したといわれている。今後も穀類の大量輸入が続くとみられる。
小麦は世界で史上最高の生産量になり、消費量も増えるものの、期末在庫量が史上最高の多さになる見通しだ。ところが、年末になって世界最大の輸出国であるロシアが、突然小麦輸出に関税をかけると発表し波紋を広げた。その後、アルゼンチンやウクライナもトウモロコシや小麦の輸出を規制するというニュースが報じられ、小麦、トウモロコシ、大豆の需給に逼迫感が強まった。21世紀に入って2回あった食料価格の高騰は、いずれも輸出規制が引き金になった。
こうした国々は、自国通貨の下落で国内でインフレ懸念が高まったことから、輸出規制を導入して国内消費者を優先する方針を打ち出している。混乱の広がりを見越し、米シカゴや欧州の相場がいずれも6、7年ぶりの高値水準まで急上昇した。
現在生育中の南米の大豆やトウモロコシは、干ばつの影響で生育が遅れている。北半球で進む品薄を解消するには力不足という見方が支配的だ。急な値上がりが続いたことで国際相場は一進一退状態になっているものの、日本国内の商社関係者の多くは「当面需給が緩和する要素は見当たらない」と解説する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月24日

米輸出拡大 弁当から、香港に炊飯設備 全農
JA全農の米輸出拡大の一環で、全農インターナショナル香港は、現地企業に設備投資して国産米専用の炊飯設備を設置し、2月から販売を本格化する。おいしく炊く技術や設備を整え、米の輸出を加速する狙いだ。これを活用して日本食の弁当を製造し1日当たり約300食まで販売が拡大。今後は、飲食店や給食用への炊飯米も販売し、販路を広げる計画だ。
全農は輸出拡大に向けた政府の関係閣僚会議などで、海外の小売りなどとの関係構築が重要と訴えている。今回の連携は自らこれを実践する。
現地の食品会社、四洲集団の食品工場内に昨年、日本メーカー製のガス炊飯設備や洗米機器を設置した。費用約5000万円は、2社で出し合った。香港ではタイ米などの利用が多く、国産米をおいしく炊くには専用設備が有効と判断した。四洲集団も、日本と同じレベルのものを提供したいと意欲的という。
設備は1時間に2000食(1食200グラム)を炊く能力がある。全農子会社で給食事業を手掛ける全国農協食品が協力し技術指導や衛生管理、メニューの選定などを支援。全農グループのバックアップで、四洲集団が製造、販売する。
工場では昨年10月から製造体制の試験を兼ね、から揚げや焼き魚、筑前煮など和食を盛り込んだ「和(なごみ)弁当」を製造する。現地の宅配サービスを通じ、香港中心部のオフィス街などに販売し、売れ行きを伸ばしている。
2月以降、さらに販売を強化する計画だ。弁当だけでなく炊飯米を飲食店やスーパー向け、小・中学校の給食で使ってもらえるよう働き掛ける。地価の高い香港は調理場の狭い飲食店が多く、炊飯米は需要がある。全農側は四洲集団を通した米の販売拡大をきっかけに、現地で人気の日本の鶏卵、和牛や青果なども併せてPRしていく。
全農インターナショナル香港の金築道弘社長は「米の輸出拡大は極めて重要な課題。日本で食べたご飯のおいしさを褒める現地の人は多く、炊く技術を広げて米の輸出を盛り上げたい」と説明する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月23日

消費者物価 生鮮野菜8・8%下落 1年10カ月ぶり低水準
総務省が22日発表した2020年12月の全国消費者物価指数(15年=100)によると、食料品は前年同月比で0・8%下落し、指数は104・3だった。2カ月連続の下落。好天続きで生育が良好だったことで、生鮮野菜が値下がりした。米も下落が続いた
生鮮野菜は8・8%下落と、19年2月以来1年10カ月ぶりの低水準。……
2021年01月23日

シャリの代わりに餅使用 いなり生餅発売へ 新しい食感提案 モチクリームジャパン
大手米卸・神明グループで餅事業を手掛けるモチクリームジャパン(神戸市)は、シャリの代わりに餅を油揚げで包んだ新商品「いなり生餅」を2月1日に発売する。そばやうどんの付け合わせや助六ずしなど、中・外食で定番のいなりずし。その“新形態”としてもちもち食感のいなり生餅を投入し、餅の新しい食べ方を提案する。
新商品には、同社が独自技術で製造する、常温でも軟らかい「生餅」を使う。……
2021年01月22日

ホテルがイチゴ企画 食べ放題や客室での「収穫」
ホテルがイチゴをテーマにした企画を相次いで展開している。佐賀県のブランドイチゴ「いちごさん」を使ったスイーツビュッフェや、客室でイチゴ狩りを楽しめるプランを売り込む。人気の果実で利用者の拡大に期待する。……
2021年01月22日

地場産使い乾燥野菜 食品卸や医薬向け拡大 愛知の農業法人
愛知県豊橋市の農業法人、ドリームフィールドは国産無添加の乾燥野菜の製造、販売に力を入れている。自社生産や地元農家の野菜を使い、産地と工場の近さを生かした高品質な商品を販売する。2019年から本格的に販売を始め、20年度は前年度比1・5倍の約1500万円を見込んでいる。今後も需要に合った製造で販路拡大に取り組む。
同社が主に販売する乾燥野菜はキャベツやハクサイ、ネギ、シイタケ、大葉など8種類。全国の食品卸や医薬品メーカーなどと取引する。
野菜はまず下処理室で検品、異物除去、洗浄を実施。その後、加工室でスライサーを使いカットする。消毒と洗浄し、野菜の特性に合わせた加工を行い乾燥機に入れ、食材によって温度調節して1・5日ほど乾燥する。その後、販売先の需要に応じて、粉砕機で2ミリ、7ミリ、粉末状に加工する。
乾燥ネギなど4品目を取引する食品メーカーのダイホク(札幌市)の大場啓二代表取締役は「野菜自体の鮮度が高く、乾燥した商品の品質も良い」と評価する。
ドリームフィールドは11年に設立し、栽培した野菜は市場や加工向けに出荷する。ただ、台風被害など天候リスクに対応するため、安定した販売方法を模索する中で、乾燥野菜に着目。取引先は全国で30社ほどに広がった。
同社の鈴木亮壱専務は「国産乾燥野菜への需要は広がっている。産地で新鮮な状態で加工できる強みを生かした品質の高い商品や、取引先の要望に応じた加工で今後も取引先を増やしていきたい」と話している。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月21日

メロン・大葉 相場低迷 再発令 時短営業響く
緊急事態宣言の再発令に伴う飲食店の時短営業や休業を受け、一部青果物の相場低迷が加速している。メロン「アールス」の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は平年の3割安を付け、前回発令された4月上旬と同水準に落ち込む。刺し身のつま物に欠かせない大葉も、業務需要が減って平年の3割安に低迷。小売りでの販売にも勢いがなく、相場を下支えできていない。
小売りも勢い欠く
メロン「アールス」は12月、「GoToキャンペーン」の活況により、上位等級を中心に引き合いが強まり、歳暮需要も加わり高値で推移。だが、年が明けて環境は一変した。中旬(19日まで)の日農平均価格は1キロ799円と平年の32%安で、同4割安を付けた日もある。東京都中央卸売市場大田市場では、初市以降、静岡産の高値が1キロ4320円と止め市の半値に急落し、一時は同3240円まで下げた。
卸売会社は「正月に百貨店や果実専門店に客足が向かず弱含みとなる中、再発令が重なった。ホテルやレストランが営業縮小し、売り先がない。低価格帯を中心にスーパーに売り込むが、上位等級と下位等級の価格差が縮まっていく」と厳しい展開を見通す。
加温にコストがかさむ厳寒期の軟調相場に、産地からは嘆息が漏れる。主産地の静岡県温室農業協同組合によると、交配から収穫までは、 50日程度。収穫時期をずらすことができず、供給の調整は難しい。「コストをかけ、丹精したものに値段が付かないのはつらい。スーパーなどへの販売を通し、家庭での消費拡大に期待したい」と話す。
小物商材も厳しい販売を強いられている。大葉は、1月中旬の日農平均価格が1キロ1690円。元々需要が減る時期ではあるものの、平年の28%安と低迷が顕著だ。
産地は前回の宣言時、巣ごもり需要で好調だったスーパーに販路を切り替えた。ただ、「今回はスーパーからの注文は勢いを欠き、相場を下支えし切れない」(卸売会社)情勢だ。
主産地を抱えるJAあいち経済連は「業務筋が大半を占める契約取引分の販路を新たに確保しないといけない」と説明。春の需要期の販売も見据え、コロナの早期収束を望んでいる。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月20日

家庭用牛乳の販売拡大 生乳需給 逼迫基調に
昨年末から家庭用牛乳類の販売が拡大している。Jミルクによると、牛乳類(900ミリリットル~1リットル)の販売個数は12月28日の週から前年比5~10%増で推移。政府の外出自粛要請や、それに続く緊急事態宣言の再発令に伴い、巣ごもり需要が拡大した。生乳需給は緩和が懸念されていたが、現状はタイト感が出ている。
Jミルクの発表する牛乳類の販売速報(インテージSRI+データによる推計値)では、最新の4日からの1週間は、牛乳類全体で前年比9・2%増の4150万本。うち牛乳は10・8%増の3150万本と、この時期としては異例の多さとなった。それまで前年割れが続いていた加工乳(同2・4%増)は半年ぶりに、乳飲料(同3・6%増)も4カ月ぶりに前年超えに転じた。
クリスマスが終わり、生クリームなど乳製品需要が一段落する年末年始は、毎年生乳需給が大きく緩和し、都府県でも加工処理が進む。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府から外出自粛の要請が出たことで、スーパーから乳業への牛乳類の発注が増加。関東生乳販連の迫田孝常務は「年末年始の余乳処理がここまで少なかったのは覚えがない」と報告する。飲用需要の高さを受け、大消費地の関東や関西の生乳需給は逼迫(ひっぱく)気味に。北海道からの生乳移送が悪天候で滞りがちなことも影響する。直近では6、10、18日に日本海ルートが、7日と19日に太平洋ルートが低気圧のため欠航となった。
一方、業務用の牛乳・乳製品の需要は緊急事態宣言再発令以後、一層落ち込む。広域の需給調整を担うJA全農酪農部は「直近は家庭用と業務用合わせて緩和ではないが、生産がさらに増える2月以降は分からない。今後も新型コロナ禍による消費動向を注視していく」と警戒を緩めない。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年01月20日

イノシシ肉で四川風麺料理 ジビエ料理コン 最高賞に中西優花さん(大阪)
農水省は、ジビエ(野生鳥獣の肉)の需要拡大につながる料理のアイデアを競う「第5回ジビエ料理コンテスト」の結果を発表した。最高賞の農水大臣賞に、大阪府堺市の専門学校生・中西優花さんが考案した、イノシシ肉を使った麺料理「麻辣猪肉刀削麺(マーラーヂュウロウタオシャオミエン)」を選んだ。……
2021年01月20日