農地減少止まらず 20年437万ヘクタール 荒廃防止が急務
2020年11月30日
農地面積の減少が止まらない。農水省によると、2020年の農地面積(田畑計、7月15日現在)は437万2000ヘクタールで、前年比2万5000ヘクタール減。1962年以降、約60年間にわたり減り続けている。農地を維持するため、荒廃化を防ぐ対策が急務だ。
この1年間の農地面積の変化は、開墾などによる増加が8240ヘクタール、荒廃化などによる減少が3万3000ヘクタールだった。同省によると、比較的再生利用しやすい荒廃農地の引き受け手はいるが、全体では担い手不足などで荒廃化が進んでいる。
そこで、農地の維持に個人でなく地域全体で取り組めるよう、支援を拡充。農地・農道の保全活動を支援する多面的機能支払交付金制度は19年度から、農家以外の人材を活動組織内に4割以上確保すれば、通常の交付単価に10アール当たり400円(都府県の田の場合)を上乗せして交付する。
集落内で協定を結び、5年間の営農継続を要件に農地の維持管理などに助成する中山間地域等直接支払交付金制度も、20年度から拡充。農家が複数の集落で農地を維持する協定を結べば、通常の交付単価に同3000円を上乗せして支払う。
21年度予算の概算要求では、農山漁村振興交付金のうち最適土地利用対策として新規で5億円を要求。農家や地域住民らのグループを対象に、専門家を入れた話し合いなどの経費を支援する。
今年3月に策定した食料・農業・農村基本計画では何の施策も行わなければ農地面積は30年に392万ヘクタールに減ると見通す。同省は荒廃農地の発生防止・解消策を行い、414万ヘクタールを維持することを目指している。
この1年間の農地面積の変化は、開墾などによる増加が8240ヘクタール、荒廃化などによる減少が3万3000ヘクタールだった。同省によると、比較的再生利用しやすい荒廃農地の引き受け手はいるが、全体では担い手不足などで荒廃化が進んでいる。
そこで、農地の維持に個人でなく地域全体で取り組めるよう、支援を拡充。農地・農道の保全活動を支援する多面的機能支払交付金制度は19年度から、農家以外の人材を活動組織内に4割以上確保すれば、通常の交付単価に10アール当たり400円(都府県の田の場合)を上乗せして交付する。
集落内で協定を結び、5年間の営農継続を要件に農地の維持管理などに助成する中山間地域等直接支払交付金制度も、20年度から拡充。農家が複数の集落で農地を維持する協定を結べば、通常の交付単価に同3000円を上乗せして支払う。
21年度予算の概算要求では、農山漁村振興交付金のうち最適土地利用対策として新規で5億円を要求。農家や地域住民らのグループを対象に、専門家を入れた話し合いなどの経費を支援する。
今年3月に策定した食料・農業・農村基本計画では何の施策も行わなければ農地面積は30年に392万ヘクタールに減ると見通す。同省は荒廃農地の発生防止・解消策を行い、414万ヘクタールを維持することを目指している。
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農水省は1月から、農業の生産基盤強化と環境負荷の軽減を両立する技術・生産体系「みどりの食料システム戦略」の策定に向け、農家や団体などとの意見交換会を進めている。14日に行ったオンライン会合には、JA全中の中家徹会長が出席。……
2021年01月15日
外国人材の確保 通年雇用と環境整備を
農繁期の異なる産地間での人材リレーなど、外国人の新たな活用の仕方が農業分野で広がってきた。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年、外国人技能実習生らが来日できなかった状況に対応するものだ。継続して働いてもらえるように受け入れ側は、通年雇用の体制と労働環境などの整備・改善を進めたい。
農村の人口減少や高齢化、規模拡大などによる労働力不足で、農業分野で働く外国人が増えてきた。技能実習生は2019年10月末で3万1900人、同年に始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人も20年9月末で1306人になった。特定技能は、農業や介護など14業種が受け入れ対象で、労働者と法的に位置付け、同一業種なら雇用先を変更できる。
ところが昨年、新型コロナの感染拡大を防ぐために政府が入国を規制。2900人の技能実習生が来日できず、受け入れ予定だった産地は人手不足に陥った。こうした中で始まったのが外国人のリレーである。繁忙期が重ならない産地間で人材を共有。外国人は通年で働くことができ、農家には毎年同じ人に来てもらえるメリットがある。
先行事例とされるのが長野と長崎での県間リレーだ。長野県では冬に、長崎県では夏に農作業が減少。外国人は、夏を中心に長野のJA木曽やJA洗馬でリンゴやキャベツなどの収穫に当たる。その後、JAながさき県央に移動し、ニンジンやジャガイモの収穫などを行う。熊本県では平場が中心のJA熊本市と高冷地のJA阿蘇で、青果の出荷繁忙期が異なることに着目。熊本市ではナスやトマト、阿蘇ではアスパラガス、イチゴの選果などに従事する。
産地リレーを担えるのは特定技能か「特定活動」の外国人だ。特定活動はコロナ禍で解雇されるなどした技能実習生に、一度に限り職種変更と滞在期間の延長を認める在留資格。昨年11月時点で職種を変更したのは約1300人で、うち農業が約400人だった。
コロナ禍の収束後を見据えても、外国人は日本農業の働き手として重要である。しかし人手不足は国内外で生じており、人材確保を巡って競争が激しくなるとみられる。日本農業が選ばれるには、受け入れる農業者やJAなどが労働環境や労働条件の点検と整備・改善に不断に取り組むことが欠かせない。
それには外国人の声を聞くことも重要だ。外国人にとっては母国語で相談できる人がいると心強いだろう。JA熊本うきは、日本語、英語、ベトナム語、中国語に堪能なベトナム人を正職員に採用している。選果場などで働く特定技能外国人の管理の円滑化などを期待する。
技能実習生や農業分野の特定技能外国人は滞在期間が決まっており、帰国が前提だ。地域農業の持続的な発展には、担い手の確保・育成が必要である。外国人材の活用と両輪で進めなければならない。
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2021年01月14日

「BUZZ MAFF」開設1年 若者に“刺さる”動画発信 自由な発想 総再生数610万回
動画投稿サイト「ユーチューブ」の農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」が、初投稿から1年を迎えた。農林水産業の魅力を伝えるためなら“何でもあり”の動画を、ほぼ1日1本のペースで投稿。1年間の総再生回数は610万回を超えた。農業への関心が薄かった若者を含め、広く情報を発信している。
サツマイモの魅力を語り尽くす、堅い制度をラップで歌って説明、農業について学ぶアニメを一人で作成──。農林水産業の魅力を伝えるため、まずは興味を持ってもらおうとの考えから、2020年1月7日に開始。職員が企画や撮影、編集まで自ら行い、従来では考えられなかったような自由な発想の動画を1年間で364本投稿した。
日本初の「官僚系ユーチューバー」と話題を集めるだけでなく、新型コロナウイルス禍で売り上げが減った花きの購入を呼び掛ける動画は86万回以上も再生され、需要の拡大にもつながった。同省は、記者会見動画などを投稿するチャンネルも08年から運営するが、1年当たりの平均再生回数は約130万回で、「ばずまふ」が大きく上回る。
「お気に入り」に当たるチャンネル登録者数も5万8000人を超えた。今後はチャンネル登録者数10万人を目標として活動に力を入れる他、全国の自治体などと連携したPRにも取り組む予定だ。同省は「(ばずまふで)普段なら届かない層にも政策を届けられた」(広報評価課)とする。
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2021年01月14日

緊急事態下、切り花低迷 葬儀縮小し輪菊平年の半値
政府の緊急事態宣言再発令を受け、業務や仏花で使う切り花の相場が大きく下落している。主力の輪菊は平年の半値近くで、カーネーションやスターチスなど他の仏花商材も低迷する。都内卸は「葬儀の縮小が加速して業者からの引き合いが弱く、小売店の荷動きも鈍い」とし、販売苦戦の長期化を警戒する。
日農平均価格(全国大手7卸のデータを集計)を見ると、年明けから軟調だった輪菊の相場は、東京など4都県で緊急事態宣言が発令された後の11日以降、一段と下げが進んだ。11都府県への拡大が決まった13日には1本当たり28円と、昨年4月の宣言発令時以来、9カ月ぶりに30円を割った。15日は35円とやや戻したが、平年(過去5年平均)比28円(45%)安と振るわない。
15日の市場ごとの相場も、前市から小幅に反発した東京こそ39円だったが、大阪と名古屋で27円となるなど、大消費地を抱える宣言発令地域での低迷が目立つ。
輪菊の主産地のJA愛知みなみは「上位等級の値が付かず、平均すると平年より1本当たり30~40円安い。需要の落ち込んだ状況が続けば、来年度は定期契約で販売できる量が減り、作型の変更も検討しなければならない」と訴える。
黄菊の主産県のJAおきなわも「直近まで冷え込みが強く、例年より出荷量が少ないのに相場は上向かない」と、白菊の低迷が黄菊にも影響していると実感する。
スーパーの加工束向けも低調だ。「花持ちする時季で、店の仕入れも進まない」(都内卸)。スターチスは平年比3割安、カーネーションやLAユリは同2割安など、仏花の相場低迷が深刻だ。切り花全体の平均価格も56円と過去5年で最安水準で推移。入荷量は平年以下だが、行事の中止や縮小で需要が減少し供給過多となっている。
別の都内卸は「輪菊は供給量が落ち着けば相場をやや戻す。しかし需要は当面戻らないので、安値の展開は避けられない」と、苦しい販売環境を見通す。
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2021年01月16日

コロナ禍で業務用卸苦境 家庭向けに販路転換
ドライブスルーネット予約販売
新型コロナウイルスの感染拡大で業務用卸が苦境に立たされている。時短営業や来店客の定員制限などで飲食店向け食材の需要が落ち込んでいるからだ。こうした状況を解決しようと家庭用に販路開拓する動きが進む。
東京都大田区の業務用野菜卸、フードサプライは、4月からキャベツなどの野菜約20種類が入った詰め合わせを1箱3500円からドライブスルー販売する。……
2021年01月12日
農政の新着記事
鳥インフル 移動制限全て解除 厳重警戒続く 香川県三豊市
香川県は16日、三豊市で集中発生した今季12事例の高病原性鳥インフルエンザについて、発生農場から半径3キロ圏内で設けた鶏などの移動制限を全て解除した。通常は防疫措置完了後、最短21日の経過で解除できるが、狭い範囲で続発して埋却などの作業も難航。制限解除は昨年11月5日の初発生から約2カ月ぶりになる。今後は感染防止とともに、養鶏場の経営再建が課題となる。
今季の高病原性鳥インフルエンザは発生が15県に広がり、殺処分の羽数は36事例(48農場)で約600万羽となった。1シーズンの被害としては過去に例がない事態。直近でも全国屈指の養鶏産地、千葉県や鹿児島県で発生している。
香川県内の制限区域の解消により、今季発生した36事例のうち31例目まで(全体の86%)は鶏などの移動制限が全て解除された。現時点で制限区域が残るのは32~36事例の発生農場がある千葉、岐阜、宮崎、鹿児島の4県となる。
三豊市内では、県によると、12事例で約179万羽を殺処分した。鶏などの移動が制限された半径3キロ圏内では今も33農場が、約129万羽を飼養。制限が長期化したことで、県は「一部の農場では、ブロイラーが出荷できる日齢を超えたため処分された」と説明する。
移動制限の解除を受け県養鶏協会の志渡節雄会長は「(感染源とみられる)渡り鳥は、まだ周辺にいる。気を緩めず、感染防止に取り組む」と強調。その上で、「発生農場は、経営再開のめどが全く立っていない。国や県には支援や補償を早く示し、農家の不安を払拭(ふっしょく)してもらいたい」と要望している。
ため池が多い香川県では、渡り鳥が飛来する時季に発生が集中した。今後は春に渡り鳥が北へ移動する時季にウイルスが拡散する可能性がある。
北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授は「渡り鳥がシベリアに帰っていく、5月の大型連休ごろまでは厳重な警戒が必要。人、物の消毒や野鳥、野生動物の侵入防止など飼養衛生管理を徹底すべきだ」と話す。
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2021年01月17日

本紙モニター調査 米需給対策=4割「課題あり」 輸出5兆円=「対策次第」3割
日本農業新聞が12月中下旬に行った農政モニター調査で、主食用米の需給均衡に向けた農水省の対策について「課題がある」との回答が39%に達した。米政策の改善には「転作メリットの拡充」が必要との声が最多だった。農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする政府目標の達成の成否は「対策次第」とみる回答が33%で最も多かった。
農水省は昨年12月、輸出・加工用米や麦・大豆などへの転換に10アール当たり4万円を助成する「水田リノベーション事業」をはじめ、転作支援の拡充や米の需要喚起に向けた対策を発表。調査では「評価している」は12%にとどまり、「課題があり見直しが必要」が39%、「どちらともいえない」が47%だった。
「米政策を改善するとしたら、どういった視点が必要になるか」との質問には、回答を二つまで選んでもらった。最も多かったのは「転作推進のメリット拡充」で36%、「生産費を補う所得政策の確立」が35%で続いた。「資材価格の引き下げ」と「米の消費喚起」も30%の人が選んだ。
売上高が最も多い品目に「水田農業」を選んだ人に限ると、米対策については「評価」が14%、「課題がある」が44%、「どちらともいえない」が42%だった。米政策の改善については、「所得政策」が42%、「転作メリット」が36%、「資材価格」が35%の順だった。
農水省は21年産の米生産を「正念場」(野上浩太郎農相)とし、需給均衡には過去最大規模となる前年産比6・7万ヘクタールの作付け転換が必要とみる。対策の実効性確保には、こうした農家の意見も踏まえ、理解を求める必要がありそうだ。
輸出5兆円目標の達成については「対策次第」が33%だった一方、「達成できない」が27%、「過大だ」が16%で、「達成できる」の6%を上回った。経営品目別に見ると、「達成できる」と考える割合が最も高かったのは肉用牛肥育で14%、低かったのは畑作物と養鶏でゼロだった。水田農業や花きは5%、施設園芸は3%にとどまった。
政府は昨年11月、輸出目標達成に向けた実行戦略を策定したが、輸出の拡大には同戦略に沿った十分な支援策とともに、農家の意欲喚起も求められそうだ。
調査は、農業者を中心とした本紙の農政モニター1133人を対象に昨年12月中下旬、郵送で実施。756人から回答を得た。
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2021年01月17日
豪州と米国 市民農園ブーム コロナ禍契機に 食材自給 注目集める
新型コロナウイルス禍を契機に、海外で市民農園が注目されている。物流が混乱しても自給自足をすれば食材調達が可能だからだ。政府支援が加わり、今後はさらに拡大しそうだ。オーストラリアと米国の事例を紹介する。
オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州。広さ5000ヘクタールに上る自然保護地区ウエスタンシドニーパークランズで、市民農園が徐々に増えている。州の委託で保護地区を管理するウエスタンシドニーパークランズ財団がコロナ禍対策として推し進めていることが背景にある。
同財団は、2006年に地区内の13・2ヘクタールを農地に転用し始めた。16都市から訪れた市民がキュウリなどを栽培し、同州シドニー市内の直売所などで販売。コロナ禍の拡大以降はスーパーの品ぞろえが悪かったことがあり、近隣の消費者が直売所に殺到。売り上げは通常の20倍に増えた。同財団は今後、さらに52ヘクタール分を拡大する予定だ。
食品システムに詳しい同国メルボルン大学のレイチェル・キャリー教授は「自然災害や供給チェーンの混乱に備え、都市は保険政策として都市農業能力を高めるべきだ」と指摘する。
米国東部のシアトル市では、主に黒人と先住民族の間で都市農業が流行。失業者や生活困窮者にとっての自給自足手段として広がっている。
きっかけは、黒人差別抗議運動(ブラック・ライブズ・マター=BLM)を主導する社会活動家のマーカス・ヘンダーソン氏が、小さな野菜畑を作ったことだ。畑は、20年6月に機動隊とデモ隊の衝突が頻発していたキャピトルヒル自治区(デモ隊が自治を宣言した地域)の公園内にある。同氏はBLM問題を巡り警察や機動隊と激しくぶつかり合う暴力的な日々を問題視し「殴り合いよりも、差別や失業で苦しむ黒人を助けるのが優先だ」と行動を起こした。
同氏に賛同する黒人農家らが「本格的に都市住民のための農業を興そう」と集まり、シアトル市からキング牧師記念センター敷地内の空き地を正式に借り入れた。農機具や資材はインターネットで市民から寄付を募って購入。「自分の食料を自分の手で作ろう」をスローガンに、人種差別やコロナ禍で失業した生活困窮者の参加を呼び掛けた。現在、約1ヘクタールの作業に430人以上が参加しているという。
収穫する農産物は、参加者の家族に加え、市内の生活困窮者にも配る予定だ。同氏は「シアトル市内では9人に1人が生活に困窮している。まず畑の周辺7000戸の困窮家庭のうち約半数の3500戸に提供できる量は収穫できるはずだ」とみている。
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2021年01月17日
農地特区 特例2年延長決定 「全国展開前提でない」 担当相
政府は15日の国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例について、8月末の期限を2年間延長する方針を決めた。2021年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否について調整する。坂本哲志地方創生担当相は同日の閣議後記者会見で、調査は「全国展開を前提にしたものではない」と述べた。期限の延長を盛り込んだ同特区法改正案は、18日召集の通常国会に提出する。
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
2021年01月16日
農業分野の技能実習生 1~3月2000人予定 人手不足を懸念 入国停止で農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、1~3月に来日を予定していた農業分野の外国人技能実習生らが約2000人に上ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、技能実習生を含む外国人の新規入国は停止中で、生産現場の人手不足が問題となる可能性がある。野上農相は影響を注視しつつ、代替人材の確保を後押しする考えを示した。
昨年12月末時点で今年1~3月に来日予定だった技能実習生らの数を、都道府県やJAなどに聞き取ってまとめた。……
2021年01月16日

「BUZZ MAFF」 Jリーグとコラボ動画 若者に農業PR 農水省
農水省は15日、公式ユーチューブチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、サッカーJリーグと連携した動画の投稿を始めた。地域の農業への理解や関心を深めてもらうため、Jリーグチームの行う農林水産業の取り組みを同省職員の「ユーチューバー」が発信する。第1弾としてJ2の松本山雅FC(長野県)、J3の福島ユナイテッドFC、ガイナーレ鳥取との動画を投稿した。
「ばずまふ」は、職員の個性や発想を生かした動画を投稿し、農業への関心が薄い若者を含めて広く情報を発信している。 現在、動画の総再生回数は620万回以上。スポーツチームと連携してPRに取り組むのは初めて。
松本山雅FCと連携した動画では、黒ずくめのばずまふユーチューバーが登場。休耕地で地域の住民と連携して1トンの青大豆を生産する取り組みを紹介し、青大豆を使った新しいスイーツの開発に挑戦する。
選手が生産した農産物を販売する「農業部」がある福島ユナイテッドFCとの動画では、選手が自ら作った米をPRする。東北農政局の職員が米を食べ、自作の応援ソングも披露する。ガイナーレ鳥取と連携した動画では、中国四国農政局の職員が、チームの職員と地域の休耕地を利用して芝生を生産・販売する取り組みについて語り合う。
今後も、全国のチームと連携した動画を配信していく。同省は「農業に取り組むクラブは他にもある。地域の農業への理解が深まれば」(広報評価課)と期待を寄せる。
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2021年01月16日
作業安全週間を設定 2月16日から11日間 農水省
農水省は15日、2月16日から26日までを「農林水産業・食品産業 作業安全推進Week」にすると発表した。期間中に安全対策に関するシンポジウムや情報交換の会議などを集中して企画。農業者らに、作業の安全対策は人ごとではなく自分事と捉え、安全・人命が全てに優先することを認識してもらう。同省が短期間に作業安全に関するイベントを集中させて続けるのは初めて。
農林水産業と食品産業の業界全体で安全対策を進めてもらう狙い。……
2021年01月16日
雪被害、20道府県6766件 支援「適切に対応」 農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、大雪によって岩手、秋田、新潟など20道府県から、農業用ハウスなどの施設6766件の被害報告を受けていると明らかにした。農相は「引き続き現地との連絡を密にしながら被害状況を把握し、農林水産業への影響を最小限にするよう、適切に対応したい」と述べた。
農水省によると、15日午前7時半現在で、ハウス6359件、農業用倉庫215件、畜産用施設192件の被害報告を受けた。……
2021年01月16日

実習生ら対象 外国人入国停止 人手不足深刻化も
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は14日、ビジネス関係者らに例外的に認めていた外国人の新規入国を一時停止した。この例外措置の対象には技能実習生も含まれており、昨年11月から今月10日までにベトナム、中国などから実習生約4万人が入国していた。入国制限で生産現場の人手不足に拍車がかかる可能性があり、農水省は影響を注視している。
農水省 支援活用促す
政府は、コロナの水際対策の入国制限を昨年10月に緩和し、全世界からのビジネス関係者らの入国を再開。感染再拡大を受けて12月28日には一時停止したが、中国や韓国、ベトナム、ミャンマーなど11カ国・地域のビジネス関係者らの入国は例外的に認めていた。だがこの措置も14日から、宣言解除予定の2月7日まで停止した。……
2021年01月15日

鳥インフル対策徹底を リーフ作成 農水省
農水省は高病原性鳥インフルエンザの多発を受け、養鶏農家に注意喚起するリーフレットを作成した。今季は渡り鳥の飛来地の他、道路や公園、森などにもウイルスが多量に存在するとし、飼養衛生管理の徹底など、対策への意識を高めてもらうのが狙い。都道府県を通じて配布し、同省のホームページなども活用して周知する。
今季は昨年11月以降、過去最多の15県36例の高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、殺処分羽数は合計で約600万羽に上る。また死亡野鳥や、池・ダム湖の水など10道県27件の環境試料からも高病原性のウイルスが検出されている。
リーフレットでは、今季は「多量に鳥インフルエンザウイルスがあちこちに存在」すると指摘した。特にハヤブサやフクロウの死亡個体からもウイルスを検出。鳥や小動物を捕食する猛禽(もうきん)類の感染は、環境中のウイルス濃度が高まっている指標になるという。また、今季のウイルスは感染してから死亡するまでの期間が長い傾向がある。リーフレットでは養鶏農家が早期発見できるよう症状も紹介。とさかのチアノーゼや顔面の浮腫性腫脹(しゅちょう)、突然死などを写真で示した。
対策では、ウイルスを農場内に入れないことを強調。手指消毒や車両消毒、防鳥ネットの管理など全従業員による飼養衛生管理の徹底を促した。同省は「国の支援も活用し、防疫対策をより強化してほしい」(動物衛生課)と話す。
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2021年01月15日