未活用の土地使い コインランドリー提案 地域の利便性向上へ JA三井リース
2021年03月02日

新たにオープンしたコインランドリー(1日、東京都町田市で)
JA三井リースは地域の利便性向上のため、JAや組合員に、未活用の土地でコインランドリーを設置・運営する提案を始めた。農家や高齢世帯の家事負担を軽減できる他、直売所などの施設に併設することによる相乗効果、遊休施設の有効利用が期待できる。初の店舗が1日、東京都のJA町田市管内でオープンした。
同社が提案するコインランドリーをJAなどが導入する際は、同社と機械のリース契約を締結する。……
同社が提案するコインランドリーをJAなどが導入する際は、同社と機械のリース契約を締結する。……
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台湾、56年ぶり干ばつ 農産物被害 日本産に期待高まる
台湾で昨年、1964年以来初めて台風が上陸せず、降雨量は、地域によっては例年の2~6割に減少した。その影響で、タマネギなどの農産物に被害が生じている。今後も干ばつ傾向が続くことが見込まれることから、有力な輸入国である日本に期待する見方も出ている。
日本の農水省に当たる農業委員会(農委会)によると、昨年、台風が上陸しなかったため降雨量は例年の2~6割に減り、56年間で最も少ない年となった。&
干ばつの影響で、8日現在、3715ヘクタールの農産物に被害が生じている。品目別では、マンゴーへの被害が2162ヘクタールと最も多く、次に茶、梅、タマネギの順となった。
今年1期作としてかんがいが必要な面積は、23万6000ヘクタール。しかし、75%に当たる17万8000ヘクタールで水不足が深刻になる恐れがある。農委会は、今後も干ばつ傾向が続くとみて、関連病害虫の防除を進め、農業被害を最小限に抑えるように呼び掛けている一方、干ばつによるタマネギなど野菜生産量の減少で日本産の需要が高まるとみられている。台湾は昨年、日本から前年の4・3倍に当たる3万7624トンのタマネギを輸入した。日本は、米国や韓国を抜いて初めて輸入量が1位となった。今年1~2月の輸入量も、前年同期の2・8倍の5269トンと1位を維持している。
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2021年04月11日
法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日

栗山千明さん(女優) レンコン映画に悪戦苦闘
私が生まれ育った茨城県は、レンコンの生産日本一なんです。
でもそのことを知ったのは、大人になってから。私の住んでいたところに農地はなく、ちょっと遠出してレンコン畑があると、親から「落ちたらダメだよ」と言われたことを覚えています。
今回、加賀レンコンを題材にした映画『種まく旅人~華蓮のかがやき~』に出演させていただきました。レンコン農家の生き方を描く作品で、畑に入っての撮影シーンもありました。
覚悟はしていたんです。埋まってしまう、思うように動けない。事前に知っていましたので、これは大変だぞと思いながら入ったんですが、やっぱり。
このせりふを言う時にはこの動きを……と思って体を動かすんですが、いざやってもできないもどかしさが。
農家の苦労実感
畑の真ん中で、撮影のセッティングを待つこともありました。普通なら一回上がって待つのでしょうけど、端まで行くのが大変なんです。ですからスタッフの方に「私はここにいます」と言って残るんですが、どんどん足が埋まっていって動けなくなってしまうんです。それを防ぐため、たまにもじもじ動いてみたり。農家の方のご苦労に頭が下がりました。
私は初めて畑に入るという設定の役でしたから、慣れていなくても成立します。私のあたふたしている様子が、ナチュラルに映っていると思います。
金沢での撮影というと、夜はおいしい魚を食べたんだろうと思われるでしょうが、残念なことに違うんです。夜のシーンの撮影がたくさんありましたし、宿泊しているところから繁華街が遠い上、朝早くから撮影が始まりましたので、食べに行けませんでした。前に舞台で金沢に行った時は、いろいろ食べられたんですが。
地元野菜を堪能
その代わり今回は、地元の方々がレンコンをはじめ野菜を使った料理を振る舞ってくださいました。面白い上においしかったのは、レンコンをすりおろしてお好み焼きに入れたもの。他にも、言われないとレンコンだと分からない料理がいくつも出てきました。
子ども時代は、レンコンはきんぴらとか煮物とかでしか食べたことがなかったんです。おいしい食べ方がいろいろあるんだと、初めて知りました。
『種まく旅人』はシリーズ化され、今回が4作目。私が出演するのは2作目ですけど、おかげで食に対する探究心が強まりました。
もともと日本食派なんです。ご飯が大好き。おそば、うどんも好き。茨城生まれですから、納豆は常に冷蔵庫に入っています。あと、生ものが好きなんですよね。魚、貝、鶏のささ身。野菜もそのまま生で食べるのが好きです。セロリとかは、マヨネーズも何も付けずにバリバリと食べます。
生でいただくのが好きだから、料理が上達しないという欠点があるんですが。
仕事で海外に行くことはあっても、海外旅行には興味を持てません。観光は楽しめても、長くいられないんです。「あー和食を食べたい」という気持ちになるから。日本に帰ってきたら、真っ先に刺し身を食べたくなります。
以前、舞台の仕事で金沢に行った時は、おいしい刺し身に感動しました。今回は加賀野菜の素晴らしさを知ることができました。次に金沢に行くことがあったら。ゆっくりと魚と野菜をいただきたいと思っています。(聞き手=菊地武顕)
くりやま・ちあき 1984年茨城県生まれ。モデルを経て、99年に映画『死国』で女優デビュー。『バトル・ロワイヤル』(2000年)での演技がクエンティン・タランティーノ監督を魅了し、同監督の『キル・ビルVol.1』(03年)に出演した。『種まく旅人~華蓮のかがやき~』は3月26日石川県先行上映、4月2日公開。
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2021年03月06日
国土の将来像 食料の安定生産を柱に
2050年までの国土の将来像を検討する国土交通省の専門委員会が最終取りまとめの骨子案を示し、「真の豊かさを実感できる国土」を目標に掲げた。食料を安定供給できなければ豊かな国民生活は成り立たない。政府は地域の維持・振興を後押しし、食料の生産基盤を強化すべきだ。
骨子案は、同省の国土の長期展望専門委員会が提示。「真の豊かさ」の一つに「水・食料などの確保」を挙げた。委員から「カロリーベース食料自給率の問題の具体的なプロジェクトの積み上げ」(寺島実郎日本総合研究所会長)を求める意見もあり、食料安全保障の確立が国土形成の観点からも提起された。
カロリーベースの食料自給率は19年度が38%で、6割を海外に依存する。人口増加などで将来、世界的な食料需給の逼迫(ひっぱく)が懸念され、気候変動による自然災害のリスクも国内外で高まる。食料を国内で安定的に生産・供給し、自給率を引き上げ、国民の命と健康を支えることが「真の豊かさを実感できる国土」の基礎になる。
同委の最終取りまとめは、政府の国土政策の根幹となる国土形成計画の検討に反映される。国土の一部でもある農地を十分に活用し食料生産を維持・拡大することを、国民の共通課題として、農政だけでなく国土政策でも前面に打ち出すよう求める。農地を使う農業者はもちろん、保全に協力する地域住民がいなければ食料生産の継続は難しい。地域のコミュニティーの維持が食料安全保障に直結する。
農地を含む国土の管理に向け骨子案は「地域管理構想」という考え方を示した。人口減がさらに進んで農地や道路などの管理が行き届かず、地域や国全体に悪影響が出る事態を避けなければならない。そのため、まず地域住民自らが管理方法などを検討・策定し、その取り組みを支援する方向だ。地域に人がいてこそ成り立つ構想だ。農村の人口減を食い止め、新たに人を呼び込むことが欠かせない。
地域に住み続けられる環境を整え、移住の動きを生み出すために骨子案は「地域生活圏」の形成を提示した。10万人前後を目安とした圏域で、生活の利便性や経済環境の向上、人材確保を推進する。
しかし中山間地域などが外れる可能性がある。「小さな拠点」を通じて生活サービスを維持する方向を示したが、地域条件で政策支援に格差があってはならない。同地域の農家数、農地面積、農業産出額はいずれも全国の約4割を占め、食料生産にとって重要だ。集落機能が弱っている地域にこそ、てこ入れが求められる。住民や移住者にとって魅力ある環境をつくり、農山漁村の維持と食料生産の継続・拡大につなげる必要がある。
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2021年04月09日
干し芋 うま~い アイデア 販売方法で“巣ごもり”消費者つかめ
サツマイモを蒸して乾燥させた干し芋が、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で売り上げを伸ばす。干し芋を手掛ける茨城や栃木の農家は、新たに接触を避ける消費者に向けて自動販売機を活用したり、筋トレ愛好者向けの独自商品を開発したりするなどして消費者の心をつかんでいる。(木村泰之)
自販機設置 売り上げ増 接触少ない買い物
飲み物と干し芋が買える自動販売機。黒澤さんが商品を整理していた(茨城県ひたちなか市で)
農水省によると、2019年産の茨城県の干し芋の生産量は3万2118トンで、全国の87%を占める。中でも400戸以上の干し芋農家がいるひたちなか市でサツマイモ「べにはるか」を約5ヘクタール作る黒澤太加志さん(43)は、国道245号沿いに1月から自動販売機で干し芋を売る。黒澤さんは「干し芋と飲み物が一緒に買える自動販売機は他にないだろう」と胸を張る。飲み物の缶やペットボトルの他、平干しと丸干しの2種類が選べる。透明なカップや箱に入った140グラム入りと170グラム入りが、1個650円で購入できる。
自販機を置いた国道沿いは、観光地の国営ひたち海浜公園に近い。黒澤さんは、店舗の営業時間外でも往来客が買うと見込んだ。赤と黒に塗られた目を引く自販機で売る干し芋は売り上げを伸ばし、観光客だけでなくコロナ禍で、人との接触を減らした買い物を望む客などが訪れる。3月中旬の時点で約90個売れて、1日に2回補充することもあった。
自販機設置を機に観光客が買うようになり、リピーターとなって通販でも購入したことで、20年は前年比1・5倍の3000万円を売り上げた。「茨城の人にとって干し芋は冬の食べ物。だが、全国では年中食べるものになってきた。以前は5月で加工を終えていたが、あまりの売れ行きに周年で加工したい」と話す。
筋トレの“相棒” 購買層絞り商品開発
購買層を限定した干し芋も生まれた。栃木県壬生町の約4ヘクタールで「べにはるか」を有機栽培する戸崎農園は、トレーニングをする人向けの干し芋「フィジーモ」を2月から販売する。農園の戸崎泰秀さん(46)は「干し芋フェアを開いた時、筋肉質な人が続々と買っていった。そんな人向けに売れるのでは」と企画の経緯を話す。干し芋は、糖の吸収が穏やかで血糖値の急上昇を抑えられるといわれる。
ダンベルを上げながら干し芋を口にする中川さん。「かみ応えがある干し芋はトレーニングに最高でもはや主食」と語る(栃木県壬生町で)
1袋50グラム入りを6袋1400円で販売する「フィジーモ」は、鍛えた肉体のバランスの美しさを競う競技のフィジークに由来する。購入した栃木市の中川博登さん(46)は「干し芋を筋トレの相棒にしてから便通が良くなり、100キロあった体重が78キロになった。糖質制限をしながら固形物が食べたいときに干し芋はぴったり」と勧める。
筋トレに励む人の声を踏まえたフィジーモは、かむ回数を増やそうと乾燥時間を長くした。カロリーコントロールや保存のしやすさを考え、チャック付きの小分け包装にした。
戸崎さんは、コロナ太りの解消でスイーツを自粛する層に受け入れられてきたとして、「20年は干し芋だけで年間2000万円を売り、昨年の2倍増だった。売り方を工夫すれば干し芋は挑戦しがいある品目だ」と力を込める。
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2021年04月08日
JAの新着記事

JA運営に准組の声を 実践の年 懇談会、総代選出広がる
JAの事業や運営に准組合員の声を反映する取り組みが広がってきた。懇談会や全戸訪問、総代選出など、JAごとに多様な方法を展開。集まった要望は事業計画に盛り込むなどして実現する。JAグループは2021年度を意思反映の“実践の年”とし、取り組みを加速させる。
水稲を中心とした農業が盛んな滋賀県のJAこうかでは、19年に運営参画を進めるための方針を定め、「准組合員懇談会」を開始。……
2021年04月11日

医師会と介護で連携 専門性生かし福祉強化 広島・JA三次
広島県のJA三次と一般社団法人三次地区医師会は8日、地域の高齢者福祉サービスの充実に向け、介護事業で連携協定を締結した。医療と介護でそれぞれの強みを生かし、人材交流や研修会の開催などで連携する。協定に先立ち5日から、同JAの通所介護施設に同医師会からリハビリテーション専門職を派遣。人材育成とサービス向上に役立てる。
JAと医師会が介護事業で連携するのは全国でも珍しく県内初。……
2021年04月09日

コロナ禍の減収農家応援 組合員4911人に支援金 JA山形おきたま
JA山形おきたまは、総額2億円の新型コロナウイルス感染症対策生産者支援を行った。コロナ禍による減収など、農業経営に打撃を受けた組合員の経営継続を支援する。支援対象者は、JAに継続的に販売している生産者で、正組合員のうち約26%に当たる4911人。販売高や販売手数料を基準に1億5000万円を支援した。
子会社も利用券配布
昨年6月に開いた第26回通常総代会で決議された積立金を原資にした。……
2021年04月07日

知床ブランドで新商品 JA名変更、「冠」を活用 北海道・JAしれとこ斜里
北海道JAしれとこ斜里は、JAの名称を変更したことに伴い、加工品を新発売した。世界遺産で知名度の高い「知床(しれとこ)」に改めたブランド化戦略の一環で、JAの商品を売り出していく。
JAは2月、「JA斜里町」から名称を変更した。……
2021年04月05日
JA内部監査共同化へ 来年度にも本格導入 福岡中央会
JA福岡中央会は2021年度、県内JAの内部監査の受託を試行する。監査の質を高めて事業の検証や改善をJAに提案。不祥事防止にも生かす。一定の能力が求められる監査担当者の育成負担の削減にもつなげる。22年度からの本格導入を視野に入れる。
県内20JAでは、それぞれ監査部に3、4人を配置している。……
2021年04月03日
JAに消毒マット イノシシわな助成 豚熱対策事業を継続 全国機関8団体
カ豚熱対策の独自事業を2021年度も続ける。JA職員らの移動で感染が広がるのを防ぐため、新たに要所のJA関係施設に消毒用のマットを配る。JA・県域で野生イノシシ対策に取り組む場合の、わなの購入費用なども支援する。
事業は19年度に始めた。……
2021年04月03日

職場内学習の動画制作 コロナ禍の人材育成 考案 先生は若手職員 JA岐阜中央会
農協改革やコロナ禍などJAを取り巻く環境が大きく変化する中、JA岐阜中央会は、JAの人材育成を支援する学習補助教材として動画を制作した。講師は中央会の20代~30代前半の若手職員が担当。農協運動者としての意識と、行動が改革できる職員の育成に取り組む。……
2021年04月03日

“農商工福”連携で展開 「唐辛子プロジェクト」 粉末1キロを初出荷 広島・JA三次青壮年連盟
JA三次青壮年連盟は、“農商工福”連携で取り組む「唐辛子プロジェクト」で、三次市の江草商店に栽培したトウガラシの粉末1キロを初出荷した。プロジェクトは、地元産農産物と三次産加工品とコラボした「農」と「商」の農商工に、地元大学のボランティアサークルや福祉施設も加わり、農商工福で垣根を越えた活動を展開。念願の初出荷で、新たな特産に期待が高まる。……
2021年04月02日

高齢農家のハウスを 生産拡大希望者へ 遊休資産の承継 仲介 県内1号が実現 JA山口中央会マッチング事業
円滑な経営承継を目的にJA山口中央会が2020年に創設した「リノベーション・マッチング推進事業」で県内第1号の承継が実現した。承継者は18年に兵庫県からIターンで就農した平生町の竹本彰太さん(64)。高齢のため生産を断念した同じJA山口県田布施イチジク部会の農業者からハウスを承継した。規模拡大に投資コストを抑えながら生産拡大とともに産地維持につなげる。
推進事業は、農業者の所有する遊休資産を掘り起こし、担い手に移譲する際、必要な改修や修繕にかかる費用の3分の2(500万円上限)を助成する。……
2021年04月01日

SNSの発信力実感 物流学ぶスマラさん 海外から対談依頼 和歌山・JA紀南直売所「紀菜柑」
きっかけはインスタグラムの投稿から──。和歌山県のJA紀南は、インドネシア大学の学生から、JA直売所の仕組みや役割などについてインタビュー依頼があり、販売担当者らが対応した。意図せず届いた海外からの反応に、担当者はインターネット交流サイト(SNS)の発信力を改めて実感、今後も活用に力を入れる考えだ。
JAに問い合わせをしたのは、同大学日本地域研究学科のデウィ・スマラさん(38)。……
2021年03月31日