日欧EPA国内対策 政府 秋に取りまとめ 

 政府は14日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を受けて設置した「TPP等総合対策本部」の初会合を首相官邸で開き、国内対策の基本方針を決めた。本部長を務める安倍晋三首相は、日欧EPAと環太平洋連携協定(TPP)は成長戦略の切り札として「政府一体で総合的な対策を策定する」と表明。秋をめどに、TPP11の早期発効も視野に入れ、国内農業の体質強化策やEPAを活用した日本企業の海外展開の促進策などをとりまとめ、TPP関連政策大綱を改訂する。
 

首相 再生産確保を指示


 安倍首相は、日欧EPAの大枠合意を受け「アベノミクスの新たなエンジンが動きだす」と強調。国内の農業対策について「守る農業から攻める農業に転換し、意欲ある生産者が安心して再生産に取り組め、若い人が夢を持てるものにしていく。万全の対策を講じていく」と述べ、具体策の検討を指示した。

 会合では、対策の策定に向けての基本方針を決定。特に影響が想定される①チーズを中心とする乳製品②構造用集成材などの木材製品③パスタ・菓子④輸出環境の整備――などへの対応を柱に据えた。

 これを受け、農水省は同日、省内にTPP等対策本部を設置。今後、日欧EPAの影響試算と対策の検討を行う。山本有二農相は記者会見で「効果的な対策を打つことによって影響はむしろプラスになるようにしていきたい」と述べ、試算には対策の効果を織り込む考えを示した。

 一方、自民党は来週、日EU等経済協定対策本部(西川公也本部長)の会合を開き、党としての基本方針を決めて対策検討を本格化させる。

 日欧EPAでは、TPPで関税を維持したソフト系チーズに最大3万1000トンの低関税輸入枠(枠内税率は段階的に引き下げ、16年目に撤廃)を設定するなど、一部品目でTPPを超える譲歩を余儀なくされた。

 今後、酪農家向けに、チーズに適した生乳の品質向上を促す対策や、生乳の生産性向上・生産拡大対策を検討。チーズの製造設備の生産性向上なども支援する方向だ。

 牛豚の経営安定対策事業(マルキン)の拡充の早期実施や、パスタの関税撤廃に伴うデュラム小麦のマークアップ(輸入差益)の引き下げ、加糖調製品からの調整金の徴収なども検討課題となる。

 政府は大綱改訂を踏まえ、12月にも対策の裏付けとなる補正予算を編成する。TPPを巡っては、2016年度第2次補正予算に総額3400億円の農業対策費を計上していた。与党は日欧EPAが加わったことで一層の予算獲得を目指すが、財政事情が厳しい中で財務省との折衝は難航しそうだ。

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