[活写] 黄金の実り 見納め

最後の収穫が進む「金山棚田」。金山さんが一人で手刈りしている(5日、岩手県一関市で)

 岩手県一関市の山中にある「金山棚田」で、金山孝喜さん(82)が最後の稲刈りに取り組んでいる。

 棚田の総面積は42アールで、江戸時代後期に開墾されたと伝わる。魚のうろこ状に並ぶ約70枚の小さな水田と周囲の杉林が織り成す景観は「一関の原風景」とも呼ばれる。あぜが崩れやすく農機が使えないため、ここでの米作りは重労働だ。2013年からは、市民中心のボランティア組織が棚田存続を目指して農作業に協力。だが、腰を痛めるなど限界を感じた金山さんは、「今年限り」と決断した。

 9月下旬から金山さん一人で「ひとめぼれ」などを手刈りし、5日までに半分ほどを終えた。6日にボランティアと一緒に刈り終え、棚田は11月から休耕地になる予定。金山さんは「60年以上耕した棚田の実りも見納め。残念だが仕方がない。ここで、米を作る人が現れることを願っている」と話す。(富永健太郎)

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