撤去したごみどうすれば… 千葉 農ビや資材行き場なく 台風15号から1カ月

敷地内にガラスの破片が入った土のう袋を積んで、回収の準備をする石塚さん

土のう袋に入ったガラスの破片(ともに千葉県袖ケ浦市で)

 台風15号が関東地方を直撃して、9日で1カ月。大規模停電や断水、家屋の破損など、インフラの復旧に長時間かかった千葉県では、被災したビニールハウスやガラス温室など、農業用施設の撤去作業が滞り、営農再開への支障になりつつある。営農再開への見通しが立っていない農家も少なくない。
 

自治体「量多すぎる」


 袖ケ浦市でフルーツトマトやミニトマトなどを水耕栽培する石塚康夫さん(68)は、66アールの農地にある5棟のガラスハウスのほとんどのガラスが割れ、周囲の道路や田畑に飛散した他、ハウス内にもガラスが散乱した。

 5日時点で田畑に飛散したガラスの回収は終えたものの、ハウス内のガラスの回収には「あと1カ月はかかりそうだ」とうつむく。

 石塚さんは同市がガラス片を受け入れてくれると聞き、ごみ処分場にガラスを運んだが、受け入れを断られた。せめて道路や田畑から回収したガラスは受け入れるよう求め、なんとか受け入れてもらったという。

 県内の他の地域でも、農業用資材の受け入れを断られている事例は多い。外房地域でメロンなどをビニールハウスで生産する農家の男性(72)も「行政がビニールを受け入れてくれず、途方に暮れている」と打ち明ける。

 県内の市町村などでは農業用ハウスのビニールやパイプ、暴風防じんネット、資材などを廃棄物として受け入れないとしているところが多くある。ある自治体の担当者は「台風で生じた一般家庭の粗大ごみの量が膨大で、ごみ置き場の確保すら大変な中、農業の廃棄物の受け入れを現時点では考えられない」と打ち明ける。

 千葉県は9月30日に市町村向けに災害等廃棄物処理事業費補助金に関するQ&A集を出した。この中で、「ビニールハウスについては原則事業者の責任で処理する必要があるので、環境省の補助金の対象外となる」などと記載。しかし、県はこのQ&A集を翌10月1日に破棄処分にし、対応を白紙に戻した。

 行政の対応が不明確な中、農家は自主的に復旧に向けた動きを進めている。石塚さんは今、ハウスのそばに肥料袋と土のう袋で二重にした袋にガラスの破片を入れて、回収への準備を進めている。これらを撤去しなければ、ハウスの復旧、営農再開への道筋は見えてこない。

 農水省と環境省は7日、茨城県鉾田市で開いた「農林水産関係被害への支援対策説明会」で連携して被災した農業用ハウスなどの処理を支援することを明らかにした。石塚さんは「被害が大き過ぎて、自力で復旧できるレベルではない。国の支援を早くお願いしたい」と強調する。
 

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