豚ワクチン 10県「接種推奨地域」 月内にも開始へ 農政審家畜部会

 農水省は10日、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会を開き、豚への予防的ワクチンの接種を可能にする新たな防疫指針を決めた。群馬を加えた10県が「接種推奨地域」となり、知事の判断で接種ができる。接種地域や必要なワクチン数などの接種プログラムを作成し、国との協議の上で接種を判断する。早い県では月内にも接種が始まる見通しだ。

 「接種推奨地域」の10県は、群馬、埼玉、富山、石川、福井、長野、岐阜、愛知、三重、滋賀。野生イノシシでの感染が見つかった都道府県を基本とした。

 国民からの意見公募や都道府県知事からの意見では、要望する近隣県も加えるべきだとの声もあったが、同省は「感染リスクに応じて地域限定的に設定する」とし、感染イノシシの確認が前提とした。

 ワクチンを接種した豚は抗体ができ、ウイルスによる感染との区別ができなくなる。ワクチンを豚に接種しても、一部で抗体が不十分になる豚が出る場合があり、この豚はウイルスに感染する恐れがある。このため接種した地域の生きた豚や受精卵は原則、地域外に移動できない。

 と畜場に出荷する場合に限り、生きた豚を地域外へ移動することを認める。と畜場が車両消毒などの対策でウイルス拡散防止の措置を取ることが条件となる。

 種豚は広い範囲で取引される。だが、接種地域内で種豚にもワクチンを打つと、地域外に移動できなくなる。このため今後、接種をしないことを認める条件を同部会の牛豚等疾病小委員会で検討する。

 一方、豚の肉や加工品は流通を制限せず、接種地域外にも出荷できる。流通しても、食品残さ飼料などとして農場で利用する場合に十分な加熱処理がされていれば感染が広がるリスクは低いと判断した。と畜場が正当な理由なく接種豚の搬入を拒むことは禁止する。
 

家伝法改正次期国会で 自民PT設置


 豚コレラ・アフリカ豚コレラ対策を巡り、自民党は10日、来年の通常国会で家畜伝染病予防法を改正する方針を固めた。野生動物対策や水際検疫の強化、国と都道府県の役割の整理などを想定。党内にプロジェクトチーム(PT)を近く設置し、専門的な検討を始める。11月中にも改正項目をまとめる。

 野生イノシシへの感染を通じた国内での豚コレラの発生拡大、アジアでのアフリカ豚コレラの急拡大などを受け、農水省は同法に基づく防疫指針の改定を進める。

 一方、同法の大幅な改正は2011年が最後。「想定していなかった事態」(同党農林幹部)に対応するため、同法そのものの改正が必要と判断した。

 検討項目として、防護柵設置の義務付けなど野生動物対策の法律への位置付け、侵入防止に向けた水際検疫の強化などを想定する。

 現行法では農相が飼養衛生管理基準や防疫指針を策定し、それに基づいて都道府県知事が指導や発生・まん延防止策などを行うと規定されている。

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは