師走も半ばになるとそわそわとし出すが、追い詰められないと筆が進まない

 師走も半ばになるとそわそわとし出すが、追い詰められないと筆が進まない▼毎年恒例の年賀状である。日頃会えない旧友、お世話になった恩人への新年のあいさつだから、印刷文字だけでなく、何か一言書き加えたい。その作業に結構手間がかかる。最近は高齢を理由に「今年限り」を伝える「終活年賀状」が増えているという。絶縁状にしないためのポイントを本紙「くらし」面が紹介していた。皆に出したことを明記することが肝心だと▼長寿社会である。失礼にならないように元旦に届く期限日ぎりぎりまで賀状を出すのを控える人も増えたと聞く。当方に届く喪中はがきも80、90代がめっきり多くなった。それぞれの精いっぱいに生きた人生と大切な人を失った家族の悲しみを思う▼アフガニスタンで灌漑(かんがい)や農業指導に尽力しながら同国東部で殺害された医師中村哲さん(73)の遺体が帰国し、故郷福岡で告別式があった。深刻な干ばつと紛争で荒れた大地に井戸を掘り、命の水を引いた。「私たちの事業は確かに、水や食糧、最低限の医療という、単純に『生きるための戦い』である」(『医者井戸を掘る』)。その地道な取り組みが、すさんだ人々の心に信頼の種をまいた▼〈緑の大地計画〉は、きっと根付くだろう。せめてそう思いたい。
 

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