農研機構、NTT東日本 施設環境一目で判別 システム実証 栽培手引データ化

 農研機構とNTT東日本などは19日、農業のIT化を進めるため、栽培ハウスの状況が作物に適正な状態かどうかが一目で分かるシステムの実証を、3月から5県12農場で始めると発表した。農研機構や各地の試験場が持つ作物の栽培マニュアルをデータ化し、栽培現場の温湿度などと組み合わせて、栽培に適しているかをタブレット端末の画面に示す。施設栽培のブドウ「シャインマスカット」で実証。経験が浅い生産者でも最適な環境の管理ができると見込む。

 農産物の栽培マニュアルは、これまで紙などの文字情報での活用が一般的で、生産者はマニュアルと環境データを照らし合わせながら作業する必要があった。

 開発したシステムは、栽培マニュアルのデータを読み込んで、栽培ステージや生育日数に応じて適した温湿度を表示。実際の測定値と自動的に連動するため、一目で分かる。農研機構などによると、こうしたシステムの開発は日本で初めて。

 自動連動できる環境データは、温度、湿度、照度、土壌温度、土壌水分の5項目。タブレット端末には1日ごとに各項目の最適な基準が表示される。上限値と下限値も表示され、栽培環境が最適値から外れそうになると、農家に自動でメールを送って注意を促す。

 「シャインマスカット」の実証は、岩手、群馬、山梨、長野の農家と果樹試験場、広島県の同機構研究拠点で1年間行う。今後は、生産者や地域の要望などを踏まえ、農作物の種類やエリアの拡大を検討する。

 情報通信技術(ICT)や農機などの農業データを共有・活用できる農業データ連携基盤「WAGRI(ワグリ)」などとも連携し栽培マニュアルを改良していく予定だ。

 実証に向け、農研機構とNTT東日本などは、農産物の栽培にデータを活用して作業を効率化する取り組みで連携する協定を結んだ。
 

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