福島原発被災地に職員常駐 営農再開後押しへ 農水省

 農水省は、東京電力福島第1原子力発電所事故による被害を受けた福島県内の12市町村に職員を派遣した。営農再開を支援するのが目的で、4月から市町村に常駐。農家の意向調査をしたり、県やJAなどと連携して農業振興の方針をまとめたりする業務に携わる。原発事故後、営農休止した12市町村の農地面積のうち、再開したのは3割にとどまり、地域差も大きい。地域の営農再開をどれだけ後押しできるかが課題となる。
 

復旧に地域差ニーズに沿う


 原発事故から9年がたっても、12市町村では住民の帰還が進まず、農地の復旧や営農再開が遅れている地域もある。12市町村の農地面積は1万7298ヘクタールだが、2019年3月時点で営農再開した面積は5038ヘクタールにとどまる。

 こうした状況を踏まえて、同省は、営農再開支援に特化した常駐職員を4月から、12市町村に派遣することを決めた。各市町村に1人ずつ派遣。複数年にわたって、常駐させる予定だ。

 常駐職員とは別に、技術職員ら18人のサポートチームを編成。富岡町といわき市に拠点を置きながら、基盤整備や農地集積、畜産の導入などについて12市町村を支援する。

 12市町村では営農が再開していても避難指示が解除された時期が異なるため、進捗(しんちょく)に差がある。農地の再開率は最も高い広野町で77・7%だが、大熊、双葉両町では0%だ。

 同省は再開が進んでいる地域では高収益作物の導入や6次産業化、これから再開する地域では農地の造成などを推進することを想定する。

 浪江町と飯舘村では、作付け実証が一定に進んでいることを踏まえ、営農再開に向けて基盤整備などを支援する考えだ。常駐職員とは別に、農業土木の専門知識を持つ職員も1人ずつ派遣する。

 同省は「地域の実情に合わせて、現場のニーズに沿った営農ビジョンづくりを後押しし、営農再開につなげたい」(災害総合対策室)と話す。
 

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