雪解け水+温泉熱でマンゴー 12月出荷 防除回数3分の1 北海道の法人

雪解け水と温泉熱を利用する地中パイプ。4層の内張りフィルムで保温する(北海道音更町で)

 北海道音更町の農業生産法人・ノラワークスジャパンは、雪解け水と温泉熱を利用し、マンゴーを12月に出荷する栽培体系を開発した。地中のパイプに流す不凍液の温度を調節し、地温をコントロールする。果実肥大期の秋冬は病害虫が少なく、防除回数は慣行の3分の1となる12回に減らせた。

 ハウス3棟、計80アールでマンゴー「アーウィン」を320本栽培する。ハウスは外張りが2層、内張りが4層フィルムの計6層で、保温性を高める。
 
 敷地内に「バンカーサイロ型雪氷庫」を設け、冬に約5700立方メートルの雪を運び入れる。雪に木くずを掛けて保存する。解け出した約1度の水を熱交換器に通し、冷やした不凍液を地中パイプに流して土壌とハウス温度を下げる。開花を促すため5月中旬~7月までハウス内を10度前後に冷却する。

 7月の開花期は樹上のノズルからミストを発生させ、湿度を50%まで高める。代表の中川裕之さん(59)は「乾燥していると花芽が動かない。宮崎や沖縄は十分な湿度があるが、北海道は加湿が必要」と説明する。

 10~3月は温泉熱で加温する。温泉は敷地内で採取。熱交換器を通して温めた不凍液を、地中パイプに流す。11月以降はハウス温度を25度に保つ。補助暖房として、道内のてんぷら油の廃油を燃焼して加温。12月に収穫を迎える。

 果実肥大期の9~11月は、屋外に害虫が少なく、農薬の散布回数を減らせた。開花期以外は湿度が低く、病害の発生も少ない。中川さんは「低湿度で栽培すると、果実の繊維が細く食感が滑らか。マンゴー独特のやに臭さもない」と品質の良さを実感する。

 開発した技術で他の果樹も収穫時期をずらして出荷できるとみる。中川さんは「冬の北海道の農業収入になり、雇用も畑作と組み合わせて周年にできる」と期待する。

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