「人生100年」が冠に付く長寿社会の到来に、戸惑う人が増えてきた

 「人生100年」が冠に付く長寿社会の到来に、戸惑う人が増えてきた▼65歳で定年を迎えても、それから35年もの“余生”がある。無芸無趣味で、先細りの年金に頼って暮らすだけでは、きっと持て余す。かといって、一念発起して起業するには、気力、体力、財力に欠ける。人生の「収穫期」ともいわれる、この時期の過ごし方は思いの外難しいのかもしれない▼心身は多少衰えても、そこそこに元気で楽しく、自分らしい生き方ができたらどんなに素晴らしいだろう。そのコツを外山滋比古さんの『老いの練習帳』(朝日新書)に学ぶ。「ゆっくり急ぐ」だそうである。むやみに急ぐことなく、かといって、だらだらでもない。そんな生き方で外山さんは、96歳まで好きな執筆を続けた▼厚労省の調べで、100歳以上の長寿者が初めて8万人を上回った。50年連続での増加である。少し前の国連の推計では、2007年に日本で生まれた子どもの半分が、107歳以上生きるという。〈40、50は、鼻たれ小僧。60、70は、働き盛り、90になって迎えが来たら、100まで待てと追い返せ〉。明治の実業家渋沢栄一が残したとされる人生訓が、いよいよ現実味を帯びる▼きょうは「敬老の日」。願わくは、1世紀に及ぶ長い人生に幸多かれ。

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