豪州干ばつ生産に影響 対日牛肉輸出ダウン 攻勢掛ける米国 来年以降競合再燃も

 日本最大の牛肉輸入相手国、オーストラリアからの輸入量が7月以降、前年を大きく下回って推移している。直近の統計がある8月は前年比2割減の約2万トン。近年、同国を襲った干ばつの影響で牛の生産量が減り、現地相場の高値傾向が続いている影響が大きい。一方、米国などは日本への輸出攻勢を強めており、シェア争いが激化している。

 貿易統計によると、7月のオーストラリアからの牛肉輸入量は前年比24%減の2万2619トン、8月は同20%減の1万9816トンとなった。全体に占める割合は42%と、7月(43%)に続き、50%を大きく割った。9月も同様の傾向になるとみられる。新型コロナウイルス禍による国内の外食需要の減退で全体的に輸入量は減少傾向だが、特に同国産の減少が大きい。

 背景には、天候による同国内での牛の生産量の減少がある。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2019~20年にかけての同国の牛の飼養頭数は過去20年で最も少ない約2450万頭となる見込み。MLAは「近年の干ばつで生産者が出荷を早めたため、昨年から今年にかけて牛群の再構築で生産量が減っている」と説明する。

 生産減による現地相場の高値で、日本国内の輸入業者の間では、他国産へのシフトが進んでいる。特に攻勢を強めるのが米国産。新型コロナウイルスの感染拡大による現地工場の稼働停止などで減っていたものの、生産量が回復。9月の速報値では前年を14%上回る2万356トンが輸入された。

 21年以降、オーストラリアの生産量は回復に向かう見込みで、今後、米国などとの競合が再燃する恐れがある。米国産は環太平洋連携協定(TPP)発効以降、日米貿易協定の発効まで日本向けの食肉輸出で“一人負け”の状態が続いていたこともあり、各国の輸出攻勢には引き続き注視が必要になりそうだ。

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