27年和牛全共 北海道で開催
2020年11月26日
全国和牛登録協会は25日、2027年に予定する第13回全国和牛能力共進会(和牛全共)の最終比較審査を北海道で開くことを決めた。5年に1回、全国から和牛を集めて改良成果を確認するもので、農畜産物に関する催しでは国内最大級。北海道での開催は初めて。
北海道は繁殖を中心に和牛生産が盛んで、19年度の和牛子牛の生産頭数は全国2位……
北海道は繁殖を中心に和牛生産が盛んで、19年度の和牛子牛の生産頭数は全国2位……
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鳥インフル 移動制限全て解除 厳重警戒続く 香川県三豊市
香川県は16日、三豊市で集中発生した今季12事例の高病原性鳥インフルエンザについて、発生農場から半径3キロ圏内で設けた鶏などの移動制限を全て解除した。通常は防疫措置完了後、最短21日の経過で解除できるが、狭い範囲で続発して埋却などの作業も難航。制限解除は昨年11月5日の初発生から約2カ月ぶりになる。今後は感染防止とともに、養鶏場の経営再建が課題となる。
今季の高病原性鳥インフルエンザは発生が15県に広がり、殺処分の羽数は36事例(48農場)で約600万羽となった。1シーズンの被害としては過去に例がない事態。直近でも全国屈指の養鶏産地、千葉県や鹿児島県で発生している。
香川県内の制限区域の解消により、今季発生した36事例のうち31例目まで(全体の86%)は鶏などの移動制限が全て解除された。現時点で制限区域が残るのは32~36事例の発生農場がある千葉、岐阜、宮崎、鹿児島の4県となる。
三豊市内では、県によると、12事例で約179万羽を殺処分した。鶏などの移動が制限された半径3キロ圏内では今も33農場が、約129万羽を飼養。制限が長期化したことで、県は「一部の農場では、ブロイラーが出荷できる日齢を超えたため処分された」と説明する。
移動制限の解除を受け県養鶏協会の志渡節雄会長は「(感染源とみられる)渡り鳥は、まだ周辺にいる。気を緩めず、感染防止に取り組む」と強調。その上で、「発生農場は、経営再開のめどが全く立っていない。国や県には支援や補償を早く示し、農家の不安を払拭(ふっしょく)してもらいたい」と要望している。
ため池が多い香川県では、渡り鳥が飛来する時季に発生が集中した。今後は春に渡り鳥が北へ移動する時季にウイルスが拡散する可能性がある。
北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授は「渡り鳥がシベリアに帰っていく、5月の大型連休ごろまでは厳重な警戒が必要。人、物の消毒や野鳥、野生動物の侵入防止など飼養衛生管理を徹底すべきだ」と話す。
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2021年01月17日
生産国の穀類輸出制限 食料貿易 波乱の兆し 特別編集委員 山田優
新型コロナウイルス禍で「お正月はおとそ気分」とはなかなかならなかったが、食料貿易の現場も今年は緊張感の漂う年末年始だった。
きっかけはロシア。12月半ばに政府が突然「国内のパン価格を安定させるため輸出量を制限し、小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシに輸出税を課す」と発表した。官報によると、2月15日から6月いっぱい、小麦の輸出に1トン当たり25ユーロ(1ユーロ約125円)徴収することになった。
さらに先週金曜日になると、同50ユーロと倍額への引き上げが決まった。「25ユーロでは効果が小さいとロシア政府が判断したようだ」と穀物業界関係者は解説する。ここ数年、ロシアは毎年3000万トン以上を輸出する、ぶっちぎりで世界一の小麦輸出国だ。当然、世界に激震が走った。
今回の輸出規制は、昨年11月ごろから通貨のルーブル安が進み、国内のインフレ圧力が高まったことが理由とされる。食べ物の恨みは政治不安につながる。プーチン大統領が「食料の輸出を減らし国内に回せ」と首相に指示した。
トウモロコシや大豆でも波乱が起きた。アルゼンチン政府は年末ぎりぎりにトウモロコシの輸出制限を決めた。やはり国内消費者を優先させたいというのが理由とされる。こちらも3000万トンを超す大輸出国だけに騒ぎとなった。その後、農家の反発を受け、1日当たり3万トンまでの輸出を認めるなど同政府の迷走が続いている。
ワシントンにある国際食料政策研究所によると、昨年、19カ国が食料の輸出制限措置を発動した。その大半が世界貿易機関(WTO)への通報をせず、突然導入された。主に新型コロナウイルス感染の混乱防止が目的で、夏には解除されたところが多い。だが、今年になってロシアやアルゼンチンなど伏兵が現れた。
年明け、シカゴ先物相場はさらに急騰した。先週の米農務省発表で、米国内でトウモロコシや大豆の在庫が、市場予想を下回ったことが主な原因とされる。中国の旺盛な輸入意欲も一因だ。火に油を注いだのが、輸出大国による輸出規制であることは間違いない。
「ロシアなどの輸出規制によるわが国への影響は現時点で確認されていない」と農水省食料安全保障室の久納寛子室長は話す。確かに日本はこれらの国からあまり穀類を輸入していない。しかし、輸出規制が広がれば国際相場が値上がりし、日本へも影響は及ぶ。年明けから食料貿易に波乱の兆しだ。
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2021年01月19日
雪被害、20道府県6766件 支援「適切に対応」 農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、大雪によって岩手、秋田、新潟など20道府県から、農業用ハウスなどの施設6766件の被害報告を受けていると明らかにした。農相は「引き続き現地との連絡を密にしながら被害状況を把握し、農林水産業への影響を最小限にするよう、適切に対応したい」と述べた。
農水省によると、15日午前7時半現在で、ハウス6359件、農業用倉庫215件、畜産用施設192件の被害報告を受けた。……
2021年01月16日

「農業男子×総選挙」広報大使 初舞台Bリーグ会場 JA東京グループ
JA東京中央会は、男子プロバスケットボールのBリーグに所属する「アルバルク東京」と協力して東京農業PRの強化に取り組む。東京都立川市のアリーナ立川立飛で開かれたホームゲームでは、「農業男子×総選挙」で東京農業広報大使となった3人の若手農家が、初舞台として試合前のコートに登場した。
JA東京グループは今シーズン(2020年10月~21年5月)、ホームゲーム開催時に同チームの選手ら……
2021年01月14日
農畜産物トレンド 変化に対応 業界連携で
日本農業新聞の2021年「農畜産物トレンド調査」がまとまった。販売キーワードの1位は「コロナ対応」。新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中で、国産回帰の潮流が確認された。難局を乗り切るには産地だけでなく、川中、川下との連携が重要だ。関係業界が一丸で消費動向の変化に対応すべきだ。
トレンド調査は、米、野菜、果実、食肉、牛乳・乳製品、花きの6部門で実施した。全国のスーパー、生協、外食、卸売業者などの販売担当者を対象とし、140社から回答を得た。毎年行い、今年で14回目。
今回の特徴は、コロナ関連のキーワードに注目が集まった点だ。「ネット取引・宅配」やコロナ不況を受け「値ごろ感(節約志向)」が上位にランクインした。「ネット取引・宅配」はこれまでも関心項目だったが、外出自粛や人との接触を控えたい消費動向の強まりで、コロナ下での販売手法として欠かせないものになっている。
部門別に見ると、トレンドのキーワードは多彩だ。野菜は「栄養価」。健康志向を受け、栄養価が高いとして知られるブロッコリーやニンジンといった品目に注目が集まった。野菜はそれぞれの品目で特徴的な機能性がある。研究機関などと連携し、販売戦略に生かしたい。
果実は「ギフト需要」と「地域性」。専門家は「果実は県独自ブランドが豊富で地域性を打ち出しやすい。特色ある果実で旅行気分を味わってもらうなど、付加価値型で地域の魅力を丸ごと売り込む視点が重要」と指摘する。
需給緩和が懸念される米は、パックご飯とインターネット販売が、消費拡大の手法として注目度が高い。米は炊飯や持ち帰りの負担といった課題がある。簡便性に対応した商品づくりが重要だ。食肉は、節約志向を受けて値ごろ感が求められる。牛乳・乳製品は家庭用が堅調で、大容量に勝機がある。花きは業務需要が伸び悩む中、業務用と家庭用の両方の用途に使える商材に注目が集まる。
農畜産物の一つの品目で、さまざまなキーワードを全て満たすのは難しい。産地は自らの農畜産物の特徴をつかみ、どのキーワードで産地づくりに取り組むか考える必要がある。例えば野菜。「ネット取引・宅配」ならばeコマース(電子商取引)に産地が挑戦したり、宅配業者との連携を強化したりすることなどが想定される。「健康(機能性)」なら機能性成分の高い品種の産地化や機能性表示制度を活用した販売もよい。「値ごろ感(節約志向)」に対応し、多収や低コストの産地づくりを目指すのも選択肢となる。
販売キーワードの「国産志向」(14%)「地産地消」(10%)「産地との直接取引」(8%)からは、国産を見直す動きが読み取れる。コロナ終息後も見据えて産地は、取引先などと連携して消費者や実需者のニーズに対応する体制を構築しよう。
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2021年01月15日
営農の新着記事

雪害ネギ農家 仲間が救う SNSで販促 完売 富山
降り続いた大雪でビニールハウスが全半壊した入善町吉原の農業法人「(株)Stay gold てらだファーム」の力になろうと、知り合いの飲食店・酒店店主らが、被害を免れたネギの販売を支援した。インターネット交流サイト(SNS)で支援の輪を広げネギは完売。寺田晴美社長は「被害は大きかったが、新たな出会いもあった。前を向いて歩んでいきたい」と話す。
7日からの大雪は、県全域でハウスや畜舎など500棟超の被害を出した。……
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2021年01月20日

高齢農家の梨運搬を支援 農業用にロボ改良へ 山口東京理科大や県など
東京貿易マシナリーと山口県農林総合技術センター、山陽小野田市立山口東京理科大学は、運搬支援ロボットによる梨栽培の効率化と軽労化に向けた共同研究契約を締結した。収穫した果実や肥料、剪定(せんてい)枝などをロボットに載せて運び、作業者の負担を軽減する。スマート農業の導入で、高齢化が進む地域の安定経営を目指す。……
2021年01月20日
農福連携の米作り ドローン着目 直播で省力、障害者の作業に幅 群馬県沼田市
群馬県沼田市で農福連携を進める稲姫ファームと、障害者の就労支援や生活訓練などに取り組む多機能型事業所coco―kara(ココカラ)が、ドローン(小型無人飛行機)を使った米作りを試験的に始める。1ヘクタールほどの水田で「コシヒカリ」の鉄コーティング種子を直播(ちょくは)する他、除草剤の散布などに使う予定だ。……
2021年01月19日

「発酵乳」作り方開発 子牛の下痢軽減 北海道大学大学院など 動画を公開
北海道大学大学院などの研究グループは18日、粉ミルクを発酵させた「発酵代用乳(FMR)」を安定して作る方法を開発したと発表した。子牛に与えたところ下痢症を軽減。“牛用のヨーグルト”である発酵乳は、子牛の下痢対策に有効といわれてきたが、原料に生乳や初乳を使うために発酵品質が安定しないのが課題だった。作り方を動画投稿サイトで公開し、健康な子牛の育成に役立ててほしいと期待する。
FMRの材料とする代用乳は脂肪分20%以上の製品を勧め、安定して発酵させるために湯で3・5倍に薄める。7リットル作る場合は、代用乳2キロをふた付きのバケツに入れて乳酸菌製剤を70グラム(全量の1%)、50度のお湯を5リットル投入。泡立て器で撹拌(かくはん)した後、ふたをして20~25度の室温に保てる場所に置く。1日1回撹拌し、1、2日で完成する。水素イオン指数(pH)5・3以下が目安だ。
完成したFMRは濃いため、さらに湯で倍に薄めて与える。1回の給与量の目安は体重の5%。体重40キロの子牛の場合は2リットル与えるため、代用乳を3・5倍に薄めて発酵させたFMR1リットルとお湯1リットルを混ぜ、40度に温めて与える。
研究グループは、開発したFMRを生後0~3日齢の子牛に毎日哺乳。実験的にロタウイルスに感染させたところ、下痢症は起きたが、重篤な水様性下痢はほとんどなく症状を抑えたという。
ロタウイルスやクリプトスポリジウムによる下痢が発生していた農場の子牛では、代用乳を与えた子牛よりも腸炎の発生数や死亡例が半分以下に減った。さらに、FMRを与えた子牛は、下痢を発症しても治療期間が短くなり診療回数や治療費が抑えられたという。
同大学院によると、子牛は免疫機能が未熟のため細菌やウイルス、寄生虫による感染性の下痢にかかりやすく、死ぬこともある。対策の一つとして、乳酸菌やビフィズス菌など有益な微生物を含む発酵乳が長年利用されてきたが、一部の農家に限られるという。生乳や初乳の発酵過程で雑菌が増えて安定しないことなどが課題だった。
FMRを子牛の哺乳に利用した報告はあったが、下痢の症状を軽減する効果は検証されていなかった。FMRの作り方は動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。今後は下痢症だけでなく、他の疾病に対する効果も検証していく。
研究は同大学院獣医学研究院とNOSAI道東、北海道立総合研究機構畜産試験場、雪印種苗が共同で研究した。
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2021年01月19日
種豚改良に育種価活用 繁殖能力向上へランキング公表 国純会、今春めど
種豚場など国内の豚の育種・改良関係者らでつくる国産純粋種豚改良協議会(国純会)は「種豚の遺伝能力ランキング」を今春にも公表する。生存産子数など繁殖に関する能力の順位で、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックが対象。雄は上位10頭、雌は上位50頭の順位の他、将来は産肉能力に関する育種価を示し、国産種豚の改良を促す。
国内の養豚場では、オランダやデンマークから輸入した多産系の種豚が急速に普及。……
2021年01月18日

種子繁殖イチゴ 民間企業で初開発 育苗期間を半減 ミヨシグループ
種苗会社のミヨシグループは15日、日本の民間企業では初となるF1種子イチゴを開発したと発表した。国内向けに2品種を展開する。種子系品種はランナーで増殖する品種と比べて育苗期間が半減でき、省力化や病害虫リスクの軽減、コスト削減などが見込める。農家が果実の品質を見るための試作用苗を今秋に販売する。同日から予約受け付けを始めた。
輸送性も良好 今秋、試作苗販売
同社は高品質なイチゴの安定収穫や作業負荷の軽減を目指し、7年をかけて種子系品種の開発に取り組んだ。……
2021年01月16日

施設キュウリで 葉面積指数を活用 収量予測めざす 愛知・JA西三河
施設キュウリを栽培する愛知県のJA西三河きゅうり部会は、40人の全部会員が圃場(ほじょう)に葉面積指数を計測するLAI計測センサーを設置した。施設キュウリの生産者が導入するのは全国でも珍しい。樹勢やかん水の目安に役立て、将来的には収量予測への活用を目指す。
LAI計測センサーは植物群落の上下に照度センサーを設置し、上下の散乱光を採光する装置。葉が繁茂する状態によって上下の散乱光の光量比が変わる原理を活用し、自動で継続的に葉面積指数を計測する。静岡県農林技術研究所のトマトでの研究成果を基に、キュウリの葉面積指数を計測できるようにした。
センサーは昨年12月、開発したIT工房ZやJAあいち経済連、JAの担当者が圃場を巡回して設置作業に当たった。
農水省2019年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクトを通じて実用化した装置で、新型コロナウイルスの影響を克服するための「経営継続補助金」を活用して全部会員が導入。産地全体でスマート農業を加速化させる。
JA営農企画課の大島健一課長補佐は「産地全体の栽培技術の高度化を図ることができる。LAI計測データを使って収量を予測し、販売にもつなげていきたい。他品目への応用にも期待している」と話す。一部の部会員は、生育の最適化に向けて排液カウンターや流量センサーの取り付けも行った。
部会は15年から、他産地に先駆けて部会全体で農業用情報通信技術(ICT)ツールを積極的に活用。導入以後、10アール当たりの収量・販売金額は約15%向上した。技術力の高い農家による栽培環境・肥培管理のノウハウを共有し、産地のレベルアップを図っている。
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2021年01月15日
稲わら還元+牛ふん堆肥10アール1トン カリ施用不要に 農研機構
農研機構は14日、水稲の元肥施用で、前作の稲わらを水田に還元して牛ふん堆肥を10アール1トン以上まけば、カリを施用する必要がないことを明らかにした。土壌診断でカリが一定程度あれば、稲わらの還元だけでも半減できるという。カリの減肥に向けた指針をまとめて同機構のホームページで公開し、施肥コストの削減に期待する。
同日公表した「水田土壌のカリ収支を踏まえた水稲のカリ適正施用指針」で明らかにした。……
2021年01月15日
チバクロバネキノコバエ イチゴで特殊報福島県内初めて
福島県病害虫防除所は14日、いわき市のイチゴ圃場(ほじょう)でチバクロバネキノコバエの被害を県内で初めて確認し、特殊報第3号を発表した。イチゴへの被害は長野、茨城県などに続き7県目。……
2021年01月15日

レモン新品種「璃(り)の香(か)」初収穫 かいよう病への強さ確認 静岡県東伊豆町 白鳥岳寿さん
静岡県東伊豆町のかんきつ専作農家、白鳥岳寿さん(64)は、難防除病害のかいよう病に強いレモン新品種「璃の香」を今シーズン初収穫した。同病に強いとされる主力のニューサマーオレンジ(日向夏)は一昨年の台風の影響で発病したが、「璃の香」は発生せず、同病に対する強さを実感している。……
2021年01月14日