米作付け意向 28都道府県 前年並み 農相「一層の転換必要」
2021年02月27日
農水省は26日、2021年産主食用米の作付け意向の第1回調査結果を発表した。1月末現在で28都道府県が前年並み傾向、19府県が減少傾向を見込み、増加傾向の県はなかった。21年産米の需給均衡には過去最大規模の転作拡大が必要だが、一部の米主産地は前年並み傾向。野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「需要に応じた生産の実現には、より一層の作付け転換の推進が必要な状況だ」と訴えた。
20年の作付面積との比較で、同省が都道府県や地域の農業再生協議会に聞き取ってまとめた。……
20年の作付面積との比較で、同省が都道府県や地域の農業再生協議会に聞き取ってまとめた。……
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緑肥作物でリン酸減肥 キャベツ、ニンジン2割 ソルガムのすき込み有効 千葉県農林総研センターが実証
千葉県農林総合研究センターは、冬取りキャベツと秋冬ニンジンの作付け前に緑肥作物を栽培してすき込むと、元肥のリン酸を2割ほど減らせることを確認した。土壌微生物中のリン酸が増え、リン酸の吸収量が増えたとみる。有機物の補給効果で、土づくりにもつながると期待する。
冬取りキャベツの作付け前にすき込むために、5月下旬から6月上旬に緑肥作物のソルガムを播種(はしゅ)し、8月にすき込む。……
2021年04月09日
法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日
内閣支持率続落40% 農政「評価せず」拡大 本紙モニター調査
日本農業新聞が3月に行った農政モニター調査で、菅義偉内閣の支持率が40%となった。発足直後の昨年9月に比べて18ポイント急落した12月の前回調査から、さらに4ポイント下落。不支持率は59%で、同3ポイント増えた。菅内閣の農業政策を「評価しない」人が同11ポイント増えて56%となり、支持率にも影響したとみられる。
他の報道機関の調査でも、菅内閣の支持率は発足当初の6、7割台から下落し、直近は4割前後で推移するものが多い。……
2021年04月06日

地域と移住者を橋渡し 各地で協力隊“卒業生”の組織設立
元・地域おこし協力隊員の組織化の動きが、各地で広がっている。地方への移住希望者と受け入れ側とのミスマッチ予防に活躍する。元隊員は、隊員の募集要項の見直しを助言し初の採用に貢献、また経験を生かして移住希望者の不安に寄り添うなどの活動を展開。政府が2024年度までに隊員数を8000人にする目標を掲げる中、“先輩移住者”として隊員の受け入れや定着を後押ししている。(丸草慶人)
「隊員」初採用導く 募集要項の見直しも
総務省によると元隊員らの組織数は、15年度の1団体から、20年度末までに19団体に増えている。隊員数が増える中、身近な相談窓口として同省は19年度、組織化を後押しする事業をスタート。都道府県単位の組織を設ける場合、150万円を上限に助成する。20年度までに10団体を採択。21年度も事業は継続する。
「自治体は隊員にあれもこれも多くを求めがち。隊員はスーパーマンではない」。佐賀県地域おこし協力隊ネットワーク代表の門脇恵さん(35)はこう指摘する。佐賀県で19年11月、元隊員らが同ネットワークを設立した。20年度、4市町の募集要項や活動内容の見直しを手伝った。
門脇さんの助言で神埼市は、活動項目を7から1に絞り込んだ。「イベントの開催と誘致」に限定し、仕事内容をイメージしやすくした。このことで、隊員の募集開始から4年目で初の採用につなげることができた。同市初の隊員となった福岡県出身の吉富友梨奈さん(31)は「移住希望者にとって、活動内容の分かりやすさは重要。サポートが充実していて安心できた」と話す。
悩みに共感心ケア 相談窓口を担当
元隊員は、移住希望者の不安にしっかり寄り添えることも強みだ。19年度の移住者が1909人と過去最高を記録した愛媛県。移住相談窓口を「えひめ暮らしネットワーク」が担う。
ここでは8人の元隊員が松山市の事務所に常駐。移住希望者が現地を視察する場合、ネットワークの元隊員が現地隊員の同行を手配している。
元隊員の組織化によって、隊員や自治体の情報が集まりやすくなった。このことを生かし移住希望者に適した地域や活動内容を助言し、ミスマッチの防止を目指す。不定期で訪れる移住相談にも臨機に対応でき、着実な移住につなげている。代表の板垣義男さん(46)は「希望者の悩みに共感して、視察先のありのままを答えることができる」と胸を張る。
持続可能な地域社会総合研究所・藤山浩所長の話
地方回帰を進める上で、地域おこし協力隊は重要な存在だ。地域実態に合った活性化の戦略を練り上げるには、隊員としての経験と知見が頼りになる。元隊員らが組織化することで、ノウハウを共有して学び合える。地域の意見と移住者のやりたいことを調整して導くことができ、受け皿となることにも期待できる。
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2021年04月09日
地域運営組織1割増 担い手・資金不足が課題 20年度
総務省は、農山村などを中心に暮らしを守る事業を行う「地域運営組織」の2020年度の数を公表した。19年度から547組織(10%)増え、5783組織(802市区町村)となり、過去最高となった。政府は24年度までに組織数を7000に伸ばす目標を掲げており、数は順調に増えている。一方、担い手・資金不足に悩む組織が多く、今後の支援が課題だ。
同組織は、行政の支援が届きにくい課題を住民らが主体となって解決する。……
2021年04月06日
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2021年04月11日
改正種苗法施行 海外持ち出し制限 初公表 シャインなど1975品種 農水省
農水省は9日、品種登録した品種(登録品種)の海外流出防止を目的とする改正種苗法の施行に伴い、海外への持ち出しを制限する1975品種を公表した。1日の施行後、公表は初めて。ブドウ「シャインマスカット」や北海道の米「ゆめぴりか」など、いずれも同法施行前に品種登録済み・出願中だった品種で、届け出に基づいて「国内限定」の利用条件を追加した。
野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「税関とも情報共有し、わが国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげていきたい」と述べた。
1日に施行された改正種苗法は、品種登録の際に、栽培地域を国内や特定の都道府県に限定する利用条件を付けられるようにした。「国内限定」の第1弾の品種は、農研機構や42道府県が開発した米や果実が中心だ。同省によると、国や県など公的機関が開発した登録品種の9割が「国内限定」となった。
米では青森県の「青天の霹靂」や新潟県の「新之助」、果実では石川県のブドウ「ルビーロマン」や福岡県のイチゴ「あまおう」、愛媛県のかんきつ「紅まどんな」などが含まれる。今後、民間の種苗会社の品種も含めて、順次追加する。
条件に反して海外に持ち出した場合、個人なら10年以下の懲役や1000万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科される。流通の差し止めや損害賠償といった民事上の措置も請求できる。
同省は、同法施行の経過措置として、施行前に品種登録済み・出願中だった品種も、「国内限定」などの利用条件を追加できるようにしていた。9月30日まで届け出を受け付ける。一方、今後、品種登録する品種は原則として「国内限定」とするよう開発者に促す。
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2021年04月10日
輸出基本方針を改正 マーケットイン型へ転換 政府
政府は9日、農林水産物・食品輸出促進法に基づく基本方針を改正した。昨年11月にまとめた、輸出拡大に向けた実行戦略を反映。相手国の需要に応じたマーケットイン型の輸出への転換を強調した。各国の需要や規制に対応した「輸出産地」の育成や、生産から輸出までの事業者を束ねた「品目団体」の組織化などを盛り込んだ。
輸出産地については、輸出事業計画の認定を通じ、産地ごとの目標や課題、対策を明確化する。……
2021年04月10日

産地交付金の「県枠」拡大 飼料用米支援広がる
農水省は2021年産から、米の転作を支援する「産地交付金」のうち、都道府県段階で助成内容を決める「県枠」の割合を拡大した。これを活用し、県単位で飼料用米など非主食用米への支援を拡充する動きが出ている。米主産県では前年からの作付け拡大や、直播(ちょくは)をはじめ生産性向上を要件にした助成などの検討が進む。
同交付金は転作助成金の「水田活用の直接支払交付金」のうち、県や地域協議会で使途を決めるもの。……
2021年04月09日

霞が関から新動画 農水省職員・人気ユーチューバー復活
動画投稿サイト・ユーチューブの農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で一番人気のコンビ「タガヤセキュウシュウ」が再始動する。九州農政局の若手2人で結成し、ばずまふ最多の再生回数を誇るが、1人が東京の本省に異動となり、離れ離れに。だが4月から“相方”も東京に異動。8日、活動再開を報告する動画を投稿した。
コンビは九州農政局で同僚だった野田広宣さん(27)と白石優生さん(24)が2020年1月に結成。同年3月、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花きの消費拡大を呼び掛ける動画を投稿すると、時間がたつに連れて2人が花に埋もれていく演出が話題を呼んだ。再生回数は88万回で、ばずまふの400本超の動画の中で最も多い(21年4月現在)。
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2021年04月09日
野菜需給調整 補填引き上げ 平均価格の7割 農家負担は軽減
農水省は2021年度、主要野菜の緊急需給調整事業を大幅に見直した。市場価格が大幅に下落した場合、出荷調整に取り組む生産者への補填(ほてん)水準を市場平均価格の7割に引き上げた。国と折半で造成してきた資金の負担割合も2割に軽減。生産者に手厚い内容で活用しやすくし、野菜相場の安定につなげる。
事業はダイコン、ニンジン、キャベツ、レタス、ハクサイ、タマネギの6品目が対象。……
2021年04月08日

米の支出額11%減少 過去20年で最低水準 2月家計調査
米の消費が家庭向けでも苦戦している。総務省の家計調査によると2月の支出額は前年比11%減となり過去20年で最低水準だった。昨年のような買いだめ特需も見られず、従来の消費減に歯止めがかからない。一方、パックご飯など手軽に食べられる商品は好調で、簡便さが米消費挽回の鍵になりそうだ。
簡便「パック飯」好調
2月の1世帯当たり(2人以上世帯=平均2・94人)の米の支出額は1546円で、米の買いだめが発生した前年同月から大きく落ち込んだ。20年産の出回りが本格化した10月以降で見ても、緊急事態宣言後の巣ごもり需要が一時的に高まった1月を除き、前年割れが続く。10~2月までの累計では前年同期6%減となった。
米は外食店などの業務筋に加え、家庭用でも消費減を食い止められていない。東京都内の米穀店は「巣ごもり当初は炊飯の手間をいとわなかった人も、長期化するとより手軽な食品に移り従来の米の消費減傾向に戻った」と分析する。他の首都圏の米穀店も「巣ごもりと言われているが、あまり購入量は増えていない」と指摘する。
価格下落も支出減に影響した。業者間で取引する市中価格は2月以降下げ、店頭でも安売りが目立つ。だが消費者の購入数量は増えず、2月は支出額、数量共に過去20年で最低だった。
主食への支出は手軽に食べられる商品に移っている。麺類などの消費は好調。米でも弁当などを含む「主食的調理食品」の2月の支出額は4849円で5%増。パックご飯や冷凍米飯を含む「他の主食的調理食品」は1270円で3%増、10~2月の累計でも前年同期比8%増となる。
大手卸は「パックご飯を常時保存する家庭も増え、精米商品からの置き換えが起きている。高齢世帯の利用も増えている」と話す。
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2021年04月07日
内閣支持率続落40% 農政「評価せず」拡大 本紙モニター調査
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2021年04月06日
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総務省は、農山村などを中心に暮らしを守る事業を行う「地域運営組織」の2020年度の数を公表した。19年度から547組織(10%)増え、5783組織(802市区町村)となり、過去最高となった。政府は24年度までに組織数を7000に伸ばす目標を掲げており、数は順調に増えている。一方、担い手・資金不足に悩む組織が多く、今後の支援が課題だ。
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2021年04月06日

米産地品種900銘柄迫る 13年連続で増加 多収良食味にシフト
2021年産の水稲うるち玄米の産地品種銘柄数は、前年から24増えて893となった。13年連続で増加し、900に迫る。高価格帯を狙った極良食味米の新規設定は少なく、業務用に向く「にじのきらめき」など良食味と多収性を兼ね備えた品種の設定が目立つ。多様化するニーズに対応し、安定生産を目指す産地の戦略が背景にある。
産地品種銘柄は「産地+品種」で表す銘柄。……
2021年04月04日