ヒメトビウンカ 縞葉枯病を媒介

稲を吸汁加害するヒメトビウンカ(北海道植物防疫協会提供)

特 徴


 ウンカ科の害虫で、成虫の体長は3、4ミリ。日本全国で発生する。稲を吸汁して縞葉枯病ウイルスを媒介する。まれに、生育遅延やすす病などの吸汁害を発生させる。

 畦畔(けいはん)などの枯れたイネ科雑草地で幼虫が越冬し、関東では3月下旬から4月にかけて、成虫が誕生する。小麦畑やイネ科雑草地などで、ひと世代を過ごし、5月下旬から次の世代の成虫が現れ、周辺の水田に広がる。

 この世代の成虫のうち、ウイルスを持つ成虫とその次世代幼虫が縞葉枯病を発生させる。早期の感染では、葉が白く垂れ下る“幽霊症状”が表れ、枯死する場合が多い。後期の感染では“出すくみ”や稔実(ねんじつ)不良などの出穂異常を起こす。

 北海道では、春先の低温でヒメトビウンカの発育が遅く、越冬後の成虫が水田に飛来する。
 

防 除


 薬剤防除は、水田への成虫の飛来を防ぐ育苗箱施用剤、本田での防除に有効な殺虫剤が多数ある。

 耕種的防除法では、まず多肥(高窒素)を避ける。窒素過多になると、ほかの病害虫と同じように縞葉枯病も発生しやすくなり、ヒメトビウンカの増殖にも好適となる。縞葉枯病の発生が多い地域では、抵抗性稲品種を広域的に作付けすることが有効だ。

(北海道農業研究センター上席研究員・伊藤清光)
 

注 意


・記事中の農薬は掲載日時点の登録薬剤です。
・筆者の役職は当時の役職です。
・掲載日:2008/4/1

 

 

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