ツマグロヨコバイ 稲黄萎病を媒介

ツマグロヨコバイの雌成虫(北陸研究センター提供)

特 徴


 ツマグロヨコバイは、カメムシ目ヨコバイ科の水稲害虫の一種。本州・四国・九州各地に分布し、年3~5回程度、発生する。冬は水田周辺のスズメノテッポウなどのイネ科雑草で、主に幼虫で越冬する。3月下旬~5月に成虫となり、雑草地や田植え後の水田に飛来して増殖する。

 ウイルス病である稲の萎縮(いしゅく)病やわい化病、ファイトプラズマによる稲の黄萎(おうい)病を媒介する。まれに本田初期の稲を吸汁加害して黄変させ、ひどいと株絶えさせることがある。稲の出穂期から登熟期に多発生すると、吸汁害で収量や品質を低下させる。

 また、虫の排せつ物によって葉や穂が黒く汚れてすす病を起こすと、光合成に影響して生育不良となる。
 

防 除


 ウイルス病対策には、保毒虫の密度を下げることが重要になる。薬剤防除としては、育苗箱施薬が保毒虫の密度低下や本田初期の被害対策に有効だ。吸汁害、すす病対策には、県や地区の発生予察情報を参考にして出穂期ごろに本田防除する。有機リン剤やカーバメート剤に対する抵抗性が発達し、防除効果の低い地域があるので薬剤の選定に注意する。

 耕種的防除法は、秋から冬に水田の耕起や周辺を除草し、発生源となるイネ科雑草を除去する。また、「彩のかがやき」など抵抗性品種も育成されている。

(中央農業総合研究センター北陸研究センター主任研究員・平江雅宏)
 

注 意


・記事中の農薬は掲載日時点の登録薬剤です。
・筆者の役職は当時の役職です。
・掲載日:2008/ 04/ 17

 

 

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