[未来人材] 32歳。 希少な食用藍で地元盛り上げ 五輪好機 世界へ発信 高曽根督也さん 徳島市

「いろいろなことを取り込んで農業を盛り上げたい」と話す高曽根さん(徳島市で)

 来年開幕する東京五輪・パラリンピックのエンブレムに採用された藍色。藍主産地の徳島県では「阿波藍」が日本遺産の認定を受け、脚光を浴びる。徳島市の若手農家らが集まってつくった「多家良インディゴーズ」は県内でも珍しい食用藍を栽培し、地元を盛り上げている。リーダーの高曽根督也さん(32)は「食べられる驚きから興味を持ってもらい、食文化としても根付いてほしい」と願う。

 高曽根さんは学童保育士を経て、6年前にミカンとスダチを栽培していた母方の実家で就農した。藍を栽培したきっかけは、市からの勧めだ。市が主催の新規就農者の集まりで多家良地区の30、40代の7人と意気投合し、「多家良インディゴーズ」を結成した。

 「藍は染め物が当たり前。食べられる藍ってなんだろう、新しいし、商売になる」。高曽根さんは市に紹介を受けた当時を振り返る。ただ、7人は果樹、イチゴ、露地野菜、シイタケなどを生産し、藍の栽培経験がない。不安はあったが、夏作で、台風の影響を受けにくい品目を探しているメンバーもいたため、2017年から取り組み始めた。

 19年産の作付面積は10アール。農薬や除草剤は使わないため、病害虫の対応で苦労する。一方で、他の品目を抱えるメンバーが極力手をかけずに管理できるような工夫もする。生分解性マルチフィルムを使い除草の手間を減らす他、収穫にはシソの刈り取り機を活用する。染料用では根元から刈るが、食用は葉をメインに刈り取り、6月~8月上旬に14、15回収穫できるという。

 販路の開拓にも力を入れる。これまで、薬局や大学に買い取ってもらったが、新たに産直市に出品を計画する。高曽根さんは「相場もないので自分たちで交渉しないといけない」と嘆くが、「どうやって付加価値を付けるか考えるのは楽しい」と説明する。

 東京五輪・パラリンピックで注目が集まる現状で「染料としてはもちろん、食べられることを多くの人に知ってもらいたい」と話す。「程よいほろ苦さが天ぷらにすると絶品だ」と胸を張る。特に興味を持ってほしいのは若年層だ。

 地元から世界へ。高曽根さんは地域を超え、「世界から注目が集まる絶好のチャンス」と五輪後を見据える。(丸草慶人)

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