[未来人材] 27歳。両親の元で伸び伸び農業 花で自分らしさ追求 谷口未佳さん 佐賀県唐津市

自慢のハーバリウム多肉植物を持つ谷口さん(佐賀県唐津市で)

 佐賀県唐津市で花苗を作る谷口未佳さん(27)は、小学校1年生からの夢をかなえ、農家になった。花壇用の苗を作る母親の背中を見て育ち、姉と一緒に同じ道を選んだ。両親と共に伸び伸びと農業をし、アイデアや意見を積極的に提案。農業を通じて自分らしさを追求する。

 谷口さんの実家は、ブロイラーと花苗を手掛ける法人「百姓屋」を経営している。父と兄、夫の男性陣はブロイラー52万羽を飼養。女性陣は12アールのハウスで少量多品目の花苗を作る。

 谷口さんは委縮することなく積極的に意見や提案を母の市丸初美さん(59)にぶつける。例えば、新聞広告に頼っていた会社のPRをダイレクトメールにしたのは谷口さんのアイデア。今では300人が登録し、リピーターの確保に一役買っている。消費が広がっている多肉植物の栽培も提案した。

 親子で対等な関係を築けているのは、仕事の分担や給与を決めた家族経営協定の役割が大きい。「何事もよく話し合い、互いに納得するまで話し合いをする」などのルールもある。取り決めに沿って1週間に1度、家族がそろってミーティングを開く。親も子もなく意見を交わす谷口さんに、母の初美さんは「勢いに私が気おされるぐらい。頼もしい」と笑みを浮かべる。

 谷口さんは現在4児の母親。産後も変わらず農業に打ち込めたのも、協定のおかげだ。「産前産後休暇」「育児休業制度」が盛り込まれ、無理なく復帰できた。

 「自分が作った花苗を見て、誰かがきれいと言ってくれるのがやりがい」と話す谷口さん。購入者と会話ができる直売所への仕向けを増やしている。肥料や水管理を変えたことに気が付いてもらい、「花びらの色が鮮やかになったね」と声を掛けられることもあるという。「挑戦したことがすぐに返ってくる」ことに達成感がある。

 谷口さんは農業高校の食品課に通って学んだ加工のノウハウを生かし、現在、花に液体を詰めて防腐処理した「ハーバリウム」に力を入れる。どうすればきれいに花の色が出るのか、どう並べれば美しく見えるのか、思索を続けている。(金子祥也)
 

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