[未来人材] 38歳。有機栽培のビーツで6次化 日本一の産地めざす 平形清人さん 群馬県高山村

収穫したビーツを運ぶ平形さん(群馬県高山村で)

 平形清人さん(38)は群馬県高山村で、ロシア料理の「ボルシチ」に欠かせないビーツを有機栽培している。妻の佐和美さん(34)と6次産業化にも力を入れ、ビーツのケーキミックスやパウダーなどを商品化する他、村内4軒の飲食店と協力し、粉末のビーツを生地に練り込んだラーメンなどを開発。地域の魅力発信に力を注ぐ。

 大学を卒業後、有機穀物を扱うカナダの企業に就職した。同村出身で農家の次男だったが、「国際学を専攻し農家になるつもりはなかった」という。しかし、ウクライナ出身の友人宅で食べたボルシチの味に感動し、自分で作ってみたいと思った。

 有機農業には大学で学んだ人類学で触れる機会があった。2009年に村に帰郷すると、NPO法人の職員として活動を開始。有機農業の推進や村のPR活動などに携わった。

 12年4月から、村内の休耕地を借り受けて、本格的に農家の道を歩み始めた。ビーツがなじみの薄い野菜だと思い、直売所で表示を目立つようにしたり、レシピを添えたりして工夫した。そのかいあって、食品宅配を手掛ける企業などと契約することで、栽培品目を増やした。今では1・5ヘクタールで、伝統野菜「高山きゅうり」やサツマイモなどを作るまでになった。

 農業は初心者だったが、NPOの職員時代に知り合った村内のベテラン農家に通って有機栽培を教わった。13年には県の農業フロントランナー養成塾にも通い、経営の知識を学んだ。

 30アールの畑で露地栽培するビーツは2週間ごとに種をまき、2カ月ほどで収穫する。鶏ふんやもみ殻などの堆肥を使って栽培する。農作業は平形さんがほぼ1人で担うが、有機農業に関心のある外国人がファームステイし手伝うこともある。

 英語が堪能な佐和美さんが食事の世話などをしながら、加工品やレシピ開発に精を出す。佐和美さんは「地元の人からレシピを教わることも増え、ビーツを村の名産にしたいという思いを後押ししてくれている」と笑顔だ。今年からは栄養士のグループとの連携が実り、村内の幼稚園や小中学校の給食にもビーツが使われることになった。

 平形さんは「高山村をビーツを日本一おいしく食べる村にしたい」と意気込む。(木村泰之) 
 

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