営経フォーラム 専任体制の確立を急げ

 JA全中は、東西で営農・経済フォーラムを行った。JA自己改革の柱、営農経済事業の底上げは至上命題だ。営経事業の質向上は産地力アップにつながる。先進事例に学び、営農指導の専任体制確立を急ぐべきだ。

 新元号・令和の頭文字にちなみ「Rの時代」ともいわれる。営経事業と絡め三つのRを考えたい。地域農業を情勢変化に対応しいま一度再編する「リセット」。次に地域資源を活用し持続可能な循環農業を築く「リサイクル」。そして地域と農村が再び復活・復興し輝くための「ルネサンス」だ。

 フォーラムで全中の肱岡弘典常務は、自己改革の全組合員調査で営農指導などで満足の声がある一方で、「不断の改革へ一層の実践が欠かせない」と強調した。全中の営経事業強化戦略は二段構え。まず、担当役員、幹部職員を集めたフォーラムで先進事例と課題を認識。さらに、来年2月のJA営農指導実践全国大会で現場の指導員の事例を学び合い、表彰を行う。今回のフォーラムは営経事業の深化が大きなテーマ。専門性発揮のためのJA内での体制づくり、人材育成などで先進事例を学んだ。

 例えば、山形県のJA庄内みどりは、職員を選定しJA全農研修に派遣する一方で、稲作部門で若手指導員には現地指導の仮想実践を通じ、レベルアップを図る。茨城県のJA北つくばは営農指導・販売、経営指導のプロとして専門業務従事者を置いた。静岡県のJAとぴあ浜松は、現場へ出向く営農アドバイザー制度を新設、担当農家の生産・購買年5%アップの数値目標を掲げ営経事業の「見える化」を図った。

 全中では今後、営農指導員の質向上を目指し、産地力を高める総合的な調整役を担う「地域営農マネージャー」の育成などを進める方針だ。

 自己改革のキーワードは二つ。スピード感と「見える化」である。買い取りをはじめ販売力強化、生産資材引き下げを実践中の全農改革と一体で着実な成果を得たい。農林中央金庫も金融面で自己改革の後押しに力を入れている。JA共済連も農業リスク診断や地域貢献を柱の一つに据えた。同フォーラムでの先進事例を学び糧にしながら、それを自分のJAの身丈に合わせ練り直す。組合員とJA役職員が共に「おらが農協」という“オンリーワン”JAに脱皮せねばならない。

 一方で、厳しさが続く信用部門などJA経営の環境変化を踏まえた、事業モデル転換も待ったなしの課題だ。現在、営農指導員は全国で1万3000人強、営農指導費は合計で約1100億円。それとは別に、販売・購買などの経済事業は約700億円の赤字となっている。持続可能なJA経営基盤確立には営経事業の収支改善も課題だ。産地力向上へ、各JAはフォーラムの実践事例も参考に事業戦略の見直しを急ぐべきだ。
 

おすすめ記事

論説の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは