中国 アフリカ豚コレラ拡大 豚肉逼迫、8割高

 中国で豚肉の価格高騰が続いている。昨年8月から始まったアフリカ豚コレラの感染拡大で、飼養頭数は、前年の4割に相当する1億頭以上が減少し、需給の逼迫(ひっぱく)が生じたとみられる。政府は当面、備蓄豚肉の放出などで安定供給を図り、便乗値上げに対する監視を強める。中長期的には、豚肉自給率を95%程度に維持する。
 

飼養頭数4割減


 農水省に当たる農業農村部によると、第37週(9月6~12日)の豚肉の卸売価格は1キロ当たり平均541円と、前年同週に比べ78・4%高い。6月から15週連続で前週を上回り、過去最高となった。アフリカ豚コレラが全国に広がり、豚の殺処分などで飼養頭数が激減したためだ。

 政府は、アフリカ豚コレラによる具体的な殺処分頭数などを明らかにしていない。しかし、農業農村部や国家統計局の資料から、飼養頭数の減少を割り出すことが可能だ。

 農業農村部のサンプリング調査によると、飼養頭数は8月、前年同期に比べ38・7%減った。一方、国家統計局によると、2018年末の豚の飼養頭数は4億2817万頭だ。この二つの数値から、少なくとも1億6000万頭以上の飼養頭数が減ったことが推察できる。
 

政府は備蓄放出


 中国では今後、祝日シーズンが続いて豚肉の行楽需要が高まる。中秋節(9月13日)や国慶節(建国記念日、10月1日)をはじめ、大型連休が続く。価格高騰は国民生活に大きな動揺を引き起こす可能性が高いことから、政府は11日、記者会見を開き、「当面」と「中長期」の対策を説明した。

 農業農村部の于康震副部長は「中国は豚の生産と消費の大国だ。養豚の安定・発展は、社会の安定に重要な意義を持つ」と強調し、当面は、備蓄豚肉の放出などを通じて安定供給を図り、不当な値上げ行為に対して監視を厳しくする方針を明らかにした。

 また、中長期的に豚肉自給率を95%程度に維持すると説明した。中国の18年の豚肉生産量は5403万トンだ。近年輸入量は増えているが、国内生産量の2%程度にとどまる。一方、世界の豚肉貿易量は800万トンで、中国が輸入拡大に走れば世界的な豚肉の貿易に大きな影響を与える。

 そのため同部長は「基本的に国内で自給する方針を堅持しなければいけない」と強調する。

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