青年組織の政策集 現場の声発信へ活用を

 全国農協青年組織協議会(JA全青協)がポリシーブック(政策集)作成を始めてから9年目となった。情報を共有した上で担い手の立場から地域とどう向き合い、食と農の大切さを消費者や国民に伝えるのか。全国各地のJA青年組織が積極的に活用し、生産現場の声を発信していこう。

 JA全青協によると、ポリシーブックを活用している組織は全国で3割程度にとどまる。ポリシーブックの言葉は3月の第28回JA全国大会の大会議案にも取り上げられ、政策提言集

として存在感を高めている。策定に際しては議論を積み重ねて地域の課題を洗い出し、その解決に取り組んできた。“生産現場の知恵と汗の結晶”であり、

それを生かさないのはもったいない。

 奈良県のJAならけん青壮年部は2017年度の改訂で、項目ごとに地域、作物別に課題を書き込むチェックシートを新設。部員一人一人が課題を書きだし、改善に取り組めるようにした。以来、チェックシートを設けている。北海道のJA空知青年部連合会は、19年度から持ち運びできるように内容を簡潔化したものも作成する方針。

 全青協が今月中旬に開いたポリシーブックの研修会では、いかに活用するかに重点を置いた。架空のポリシーブックやJA事業計画を使って実践的に議論し、参加者からも「もっと分かりやすい言葉で具体的に書くべきだ」「情報の共有という青年組織の意義をアピールした方がいい」などの意見があった。ポリシーブックをどう使いこなすかが大きなテーマになった。

 研修会では活用に向けた工夫も紹介した。JA岡山県青壮年部協議会は、全青協の取り組みを参考に実践内容と改善点、部員の意見などをまとめた「PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルシート」を導入。部員全員が参加する意識を高めた。静岡県のJAしみずは、話し合いを徹底してポリシーブックへの理解を深め、年度計画に盛り込んで自分たちで確実に実践するようにした。

 青年組織部員は、これからの地域、農業を支える「担い手」に加えて、JA組織の将来を担う「担い手」としての活躍が求められる。目指すべき地域やJAの姿、再生産が確保される農政の在り方、食料安全保障の確立に向けた具体策など、さまざまな理想や意見を抱えているはずだ。そうした思いを集め、実践する道具としてポリシーブックがある。

 JAグループは、3月に開いた第28回JA全国大会で自己改革がこれからも続くことを宣言した。青年組織は、JA役職員や女性組織とその実践の中核を

担うことになる。新しい食料・農業・農村基本計画が来年3月には策定される見込みだ。今こそ部員一人一人がポリシーブックを活用し、生産現場の声を発信し、基本計画や政策、JA事業に反映させる時だ。

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