[未来人材] 33歳。仲間と切磋琢磨する削蹄師 めざすゴール日本一 東海林優さん 北海道江別市

牛の後足を持ち上げ、ひづめを削る東海林さん(札幌市で)

 北海道江別市の東海林優さん(33)は、牛の健康を保つためにひづめを削って形を整える削蹄(さくてい)師だ。「牛を飼う以外で、牛と関われる仕事があるんだ」と興味を持ち、10年ほど前に削蹄の世界に飛び込んだ。牛の足を持ち上げて削る作業は体力的につらいが、牛に合わせて削り方を変えることに難しさとやりがいを感じている。

 士別市の出身。興部町の酪農家で働いていた時に、初めて削蹄師を見て、格好良いと感じたという。牛が好きだった東海林さんは、開業に多くの資金がかかる酪農家に比べて「削蹄師は借金を背負わないで牛に関われる仕事」だと考えた。

 「やるなら日本一になりたい」との思いで、江別市で70年の歴史を持つ久津間装蹄所の門をたたいた。同所3代目の久津間正登専務は、牛削蹄の全国大会で日本一に輝いた経歴を持つ。東海林さんは電話で「削蹄師になりたい」と思いを伝えた。

 牛の削蹄は、年に2回程度が一般的。ひづめが伸び過ぎると足や関節を痛め、乳量や肉質の低下など健康に悪影響が及ぶ。伝統的な削蹄の手順は、まず牛の足を地面に着けたまま専用のなたとつちで外側を切り落とす。次に牛の足を1本ずつ抱え、中心部をへこませるようにひづめの裏側を削っていく。

 「飼い方や牛の状態によって切り方を変えることが、すごく難しい」と東海林さんは話す。床が硬いコンクリートの牛舎や、牛が自由に動き回れるフリーストール牛舎では、自然に削れる分を考えて長めに切るという。また、人間と同じようにひづめの生え方は一頭ずつ違うため、それぞれに適した削り方が求められる。

 東海林さんにとって、同所で共に働く新知幸さん(30)は仲間であり、良きライバルだ。「相手の良いところ、悪いところを見て、自分のやり方を直す」と話す。日本一になるという同じ志を持ち日々、切磋琢磨(せっさたくま)して仕事に励んでいる。 

 2人は7日に開かれた全国大会に出場した。最優秀賞で日本一に輝いたのは新さん。東海林さんは優秀賞を獲得した。大会前、「日本一に手が届くところまで来ているので頑張りたい」と話した東海林さん。今後も日本一を目指し一頭一頭、丁寧にひづめを削っていく思いだ。(洲見菜種)
 

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