JA、社協、NPO…農業ボランティア結成 園地復旧 救いの手 泥撤去に400人 長野市

リンゴの木の周りに堆積した泥をかき出すボランティア(14日、長野市で)

農地に散乱した資材やごみを回収するボランティア(同)

 台風19号で甚大な被害を受けた長野市で14日、ボランティアによる農地の復旧支援が始まった。JAながのや長野県NPOセンターなどが、全国的にも珍しい「信州農業再生復興ボランティアプロジェクト実行委員会」を組織。同市穂保・津野の両地区で、約400人がリンゴなど果樹の周りに堆積した泥の搬出や、農地に流れ着いた資材・ごみの撤去などを行った。(藤川千尋)
 

「息長い取り組みに」


 実行委員会は、被災から1カ月がたち農家などから農地復旧への要望が高まっていることを受けて発足。社会福祉協議会や生協、労働組合など幅広い組織が参加し復旧作業を本格化させる。14日は、各団体の呼び掛けやSNS(インターネット交流サイト)などの情報を見て集まった人が参加した。
 

専門知識で助言


 これまで長野市でボランティアは、住居に流入した泥や汚れた家具の搬出などに協力してきた。農業の専門的なノウハウがなかったため、農地復旧の支援活動は十分行われていなかった。

 同日は農業知識があるJA職員や県の技術員らが農地を巡回。ボランティアに「土砂と、畑にもともとあった土の境界線を見極めて、堆積した土砂を搬出してほしい」「ごみを回収する時に樹木を傷付けないように気を付けて」などと呼び掛けた。

 地域の農家も、ボランティアを農地まで誘導するなど活動に参加。NPOや社協のメンバーらは、災害ボランティア活動の経験を生かし、作業手順の伝達や動線の確保などを担当した。

 ボランティアはごみの撤去と、木の周りの泥のかき出しの班に分かれて作業。泥の撤去作業はリンゴの木の半径2メートルの範囲で行った。木の根が酸欠状態となり枯れてしまうのを防ぐためだ。

 新潟県上越市から参加した池田正彦さん(63)は「木の枝が低い場所では、体が触れて枝を折らないように中腰の姿勢になり、重い泥をかき出さないといけないから大変だ」と汗を流した。

 JA営農部の小林芳則次長は「台風被害から1カ月が経過したが農地の復旧は遅れていた。多くのボランティアが参加してくれてありがたい」と感謝する。
 

全国の先行例に


 今後は、14日の活動で見えた課題を踏まえ、作業規模や泥の置き場所、片付けの手順などの改善点を整理し、継続的な活動につなげる方針だ。

 長野県NPOセンターの山室秀俊事務局長は「次回以降の活動の時期や規模は未定だが、地域の農家や住民の期待もあり、息の長い取り組みにしていきたい。(農業ボランティアの)先行事例になるはずだ」と強調する。

 長野県では、千曲川の氾濫で県北部6市町の903ヘクタールの果樹園に土砂が堆積している。このうち長野市は520ヘクタールを占め、泥のかき出しなどに掛かる人手の確保が大きな課題となっている。
 

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