ジビエ活用へ 捕獲頭数、施設空きスマホで円滑共有 広島県で実証開始

エネコムが考案した狩猟者と処理施設をつなぐシステム。定型文でやりとりができる(広島県三次市で)

 スマートフォンを使って野生鳥獣を捕獲した狩猟者と処理施設をマッチングするシステムが開発された。定型文を使った自動会話機能で、狩猟者が捕獲場所や頭数を報告し、施設が対応可能かどうか、素早くやり取りする。今冬から広島県で実証試験を開始。迅速な情報共有で野生鳥獣の肉(ジビエ)の活用を後押しする。

 中国電力グループのエネルギア・コミュニケーションズ(エネコム)が開発した。捕獲した鹿やイノシシをジビエに利用するのは約1割。野生鳥獣をジビエとして流通させるには「仕留めてから1時間以内に処理が必要」(エネコム)で活用を促すには、狩猟者と処理施設の素早いやり取りが必要だ。
 

会話定型文に


 電気通信事業を手掛けるエネコムは、スマホアプリで開発した定型文による自動会話システム「チャットボット」を使い、ジビエの有効利用を促す。野生鳥獣を捕獲した狩猟者は、「鹿1頭」「イノシシ2頭」などの定型文から該当する頭数を選び送信する。位置情報も送れる。処理施設は「即時回収に向かう」「施設まで持参してほしい」「対応できない」など四つの定型文から返答する。操作は簡単で高齢者でも扱いやすくした。

 同社は、同県三次市三和町地区で、地元の処理施設、三次ジビエ工房みわ375と連携し、11月に実証実験を始めた。地元の猟友会メンバーでつくる駆除班のリーダーにエネコムがスマホを無償提供し、施設との連携を促すことで、処理能力を高める。

 食肉への加工、販売も手掛ける同工房は、鹿やイノシシを年間約500頭処理する。狩猟者から電話で捕獲場所などの連絡があるたびに処理作業を中断することも多い。片岡誠社長は「作業の合間でも狩猟者と素早く連絡が取れれば、処理や加工の作業効率が高まる」と期待する。

 エネコムは20年度、実験エリアや対象施設を拡大するなどし、システムの精度を高める。

 農水省によると、18年度のイノシシと鹿の捕獲頭数は114万4100頭。一方、処理頭数は10万8736頭で、利用率は9%台にとどまる。
 

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