きしむ現代社会を投影する

 きしむ現代社会を投影する。きょうから始まるダボス会議は、岐路に立つ世界の難題と向き合う▼当地は、スイスの保養地で文豪トーマス・マンの代表作『魔の山』の舞台ともなった。同会議は今年で50年目の節目を迎え、世界から政治、経済界の代表ら3000人が集う。今回のテーマは、国連主導のSDGsも踏まえ「持続可能な世界」。逆に言えば、格差と地球温暖化が放置できない危機的状況に陥っている証しだろう▼焦点は「新冷戦」とも称される米中関係の行方である。先週、合意署名で歩み寄ったものの、「一時休戦」にすぎない。浮かぶ言葉は〈累卵の危うき〉と〈トゥキディデスの罠(わな)〉の二つ。先の例えは非情に不安定な様で中国の古典『史記』に由来する。後の言葉は古代ギリシャの学者の名にちなみ、歴史転換期の旧覇権国と新興国との深刻な対立を指す▼きょうは、『1984年』で暗黒な近未来を書いた英作家のG・オーウェル没後70年。その巨大な監視独裁国家の姿に今の中国を思う。一方で、反対意見の封印はトランプ米政権とも重なる。日本では同著を踏まえ村上春樹さんが11年前に『1Q84』の題名で社会の病巣を描き話題になった▼オーウェルは「世界分断」を予言した。ダボス会議はどう〈解〉を見いだすのか。

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