浮世絵の本格的な展示会が相次ぐ

 浮世絵の本格的な展示会が相次ぐ。この日曜日まで開いていた名品の数々の特別展に感動のため息が出た▼一つは江戸東京博物館の「大浮世絵展」。いま一つは、すみだ北斎美術館での没後170年記念「北斎視覚のマジック」。先の特別展は、歌麿、写楽、北斎、広重、国芳の5大スターの代表作が一堂に。これほどの名作が集結したのは前代未聞だろう▼謎の多い写楽を見てみよう。1794年5月、一挙28枚もの有名な大首絵を出し独創性が評判を呼ぶ。翌年正月に12枚の絵を最後に歴史から姿を消す。写楽とは何者だったのか。今回の特別展でも、ほぼ研究者で見解が一致している阿波・徳島の能役者・斎藤十郎兵衛説を採っている。ならば、写楽は今年没後200年かなどと歴史ロマンも膨らむ▼浮世絵はフランス印象派にも大きな影響を与えた。中でも広重の「名所江戸百景」の代表作「亀戸梅屋舗(やしき)」はゴッホの心を激しく揺さぶる。梅の枝を極端に大きく描き観梅客は小さい。あさっては「初天神」だが、東京・亀戸天神の梅を見に行かねば。もう一つ、北斎没後170年記念の特別展は意匠を尽くした画聖の技法に驚く。長野・小布施の北斎館の多数の秀作がそろう▼世界を魅了した江戸芸術がすごい。そして、馥郁(ふくいく)たる絵師らの感性を思う。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは