困惑 暖冬からの…急な天候不順 強風被害や寒気…ため息

壊れたハウスを見つめる農家ら(27日、鹿児島県垂水市で)

「天候の急変が今後の生育にどう影響するか不安がある」と話す川里さん(27日、東京都小平市で)

 発達する低気圧の影響で27日、日本列島の広い範囲で気温が急激に低くなったり突風が吹いたりした。鹿児島県内では、強風でハウスのビニールが破れ、支柱が曲がるなどの被害が出た。関東甲信では28日にかけて積雪も予想され、農家は極端な天候の変化に困惑している。ただ寒気は一時的で冬本番の2月も暖かくなる見通し。暖冬の影響が心配されている。
 

鹿児島で施設破損


 鹿児島県内では、26日夜から27日の午前中にかけ風速10メートル前後の強風が吹き荒れた。垂水市ではインゲンやニガウリ(ゴーヤー)など施設野菜に被害が相次ぎ、ハウスが壊れるなど大きな爪痕を残した。JA鹿児島きもつきでは営農指導員らが管内を巡回し、被害状況の確認を急いでいる。

 同市は全国でもトップクラスの出荷量を誇るインゲンの産地だ。市内の農家は「夜が明けた頃には無残にビニールが破れ、支柱が曲がっていた。ハウスの中のインゲンも風で折れている。樹勢が回復するまで収穫できる状態ではない」と話した。

 出荷最盛期を迎えていた農家も多く、落胆の色を隠せない。時折、体を押されるほどの風が残るハウスの前で、農家らが協力して破れたビニールの補修作業を行った。

 強風はこの他、近畿、中国四国、九州の一部地域で吹いた。JA高知県では、営農指導員が安芸市や香美市のナスやニラ、キュウリなどの産地を巡回した。
 

病虫害や生育ずれ


 東京都小平市。小松菜やルッコラなど葉物野菜を約80アールで栽培する川里賢太郎さん(47)は「暖冬と思っていたら、今度は雪予報。作業のペースが乱されている。どう対応すればいいのか分からない」と、27日の天候の急変に困惑した。

 先週までの暖冬で野菜は大きく育ち、生産は前倒し。生育中のタマネギは、気温が高いと発生しやすいべと病の懸念があり防除作業も予定する。川里さんは「通常2、3月に心配する病気で、1月にべと病の防除をするなんて考えられない。作物の生育だけでなく、病虫害も前倒しになっている」と話す。

 小松菜など生育が比較的早いものは追加で種をまくなどで対応しているが、キャベツやタマネギなど、期間をかけて生育するものにどう影響が出るのか不安を抱える。

 JA東京むさし指導経済課の梯浩和係長は「JAの直売所は例年、年明けから初春は出荷が少なくなる。この暖冬で年明けの収穫を予定していた野菜も昨年内に出ている。これから寒気の影響で生育が間に合わなかったらぽっかりと野菜がない時がくるんじゃないかと心配だ」と危惧する。

 暖冬の影響は九州の産地にも及んでいる。

 長崎県内のあるJAでは暖冬で豊作のため、下級品のダイコンやニンジンを廃棄している。JAは「寒気といっても一時的。こんなに暖かい天候では原価割れが続き、本当にしんどい」と苦悩している。

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