桃の節句の祝いにちらしずしを作っていた家人が

 桃の節句の祝いにちらしずしを作っていた家人が、「ゴボウを見るとBC級戦犯の話を思い出す」と言った▼調べると、捕虜収容所の所員がゴボウを食べさせたら木の根を与え虐待したとして5年の刑を受けた、という法務省局長の発言が国会議事録にあった。判決にゴボウがどれほど影響したか分からないが、誤解から訴えられたケースもあったのだろう▼日本敗戦後の戦犯裁判では捕虜や現地住民を虐待した将兵をBC級とし約5700人を起訴、判決は死刑が1000人近くで、終身・有期刑が3000人を超えたとされる。「日本軍が捕虜を虐待し、現地人を拷問にかけたことは否定できない事実」だが、「強引で稚拙な裁判がいくつもあり、無罪である者が死刑になるケースも」と『BC級戦犯』(筑摩書房)にある▼被告を救うはずの資料は、軍事機密を敵に渡してはならないとして燃やされた。「文書保存の軽視の伝統が、多くの日本人を死なせてしまう結果に」(同)。自国の軍人さえ大切にしない日本軍の性格が捕虜虐待につながったとの分析もある(『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』朝日出版社)▼桜が咲く道を通って、きのうで開園61年となった千鳥ケ淵戦没者墓苑(ぼえん)に参った。「あの戦争から何を学んだのか」。問われた気がした。

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